私はどちらかというと、一ノ瀬君に頑張ってほしい。
…あぁ別に、南君の事好きだから♡とかではない。
南君と皐月が楽しそうにしているのを見て、
胸が苦しい…。なんてこともない。なぜなら私は友人K。
一ノ瀬君の健気さがなんか応援したくなるのだ。…今んとこ成果はなさそうだけども。
なんて呑気に言っていた1週間前の私。
ちょっと今、ピンチなのでは??
放課後、私は日直だったので、日誌を書くため教室に残っていた。
すると皐月は私も終わるまで待つと言い、
南君と一ノ瀬君も待ってくれていた(というか待たされていた)。ごめん。
…の、だが。
皐月
南
皐月
南
皐月
睦月
やめてくれやめてくれ。私に日誌を楽に書ける時間をくれ。
まって一ノ瀬君。顔引き攣ってます。落ち着け平常心よ。
皐月
皐月
一ノ瀬
皐月
南
皐月
皐月は南君の腕を引き、バタバタと教室を出て行った。
おぉっと、最初は私と一緒に帰るって言ってなかったか…?
睦月
睦月
一ノ瀬
睦月
矛盾点が多すぎた。
皆さん、お気づきだろうか。
一ノ瀬君→中間7位。天に二物も三物も与えられた人。
私→クソ馬鹿。
私が一ノ瀬君に教えられることなんて何もない!自分で言ってて悲しくなってくる!!
日誌を書き続ける私に、一ノ瀬君は声をかけた。
一ノ瀬
一ノ瀬
おっとそれは自分が皐月を好きだと言ってるのとほぼ同じだぞ。
心の中でつっこみながら、私は曖昧な返事をする。
睦月
睦月
一ノ瀬
あ、
同時に、2人の声が揃った。
途端に一ノ瀬君は慌てだし、私も内心冷や汗をダラダラ垂らす。
嘘だと言ってバーニィ。
沈黙を破ったのは、一ノ瀬君だった。
一ノ瀬
睦月
一ノ瀬
一ノ瀬君は、ハハ、と力なく笑う。
一ノ瀬
一ノ瀬
一ノ瀬
睦月
まだ分かんないよとか、
頑張れとか、
そういう言葉は喉をつっかえて、
何故かどうしても、言えなかった。
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