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のいのいさんへ捧ぐ

1 - のいのいさんへ捧ぐ相互感謝品。いぶあび

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2023年03月09日

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いぶあび スノードーム

伊武隼人

本当に水族館で良かったのか?

今日は阿蒜の誕生日だ。 数日前、阿蒜の恋人である伊武は、誕生日プレゼントに何が欲しいか、阿蒜に尋ねた。すると阿蒜は迷わず、水族館デートをしてみたいと言ったのだ。

阿蒜寛太

はい!子供の頃から、一度もこういうレジャー施設とか行った事がなかったんです

伊武隼人

そうか

グレたり、極道に身をやつす輩は、大抵、家庭環境に難がある奴が多い。だから、伊武は阿蒜を拾った時に、家庭環境について尋ねなかった。

阿蒜寛太

伊武の兄貴はどれがみたいですか?

パンフレットを広げながら、阿蒜は伊武に尋ねる。

伊武隼人

阿蒜は?

阿蒜寛太

俺はイルカショーとオットセイのショーは絶対見たいです!あと見られるだけ見て見たいです

伊武隼人

今日はお前の誕生日だから、好きにすればいいねぇ

阿蒜寛太

はい

パンフレットに記載されているショーの時間をみると、まだ時間に余裕があった。二人はショーが始まるまでは、順路に従って、見ていく事にした。

伊武にとっては水族館なんて、珍しくもなんともないが、阿蒜は伊武とは違って、目の前を泳ぐ魚たちを見て、子供のように目を輝かせながら、はしゃぐ。

阿蒜寛太

伊武の兄貴、見て下さい!マンボウがいますよ!あっちには、小判鮫もいますよ!

阿蒜たち以外にも客がいる。騒ぎ過ぎれば、他の客の邪魔になる。

伊武隼人

阿蒜、少し落ちつくんだねぇ。余り騒ぐのは羨ましくないねぇ

阿蒜寛太

す、すみません。ついはしゃいじゃいました

悠然と泳ぐ魚たちを満足するまで眺めた後は、次のエリアへと移る。次は、海月の展示エリアだった。先程の巨大な水槽とは違い、ライトを駆使する事で、海月が泳ぐエリアは幻想的な雰囲気を醸し出していた。

阿蒜寛太

綺麗ですね

伊武隼人

そうだねぇ

海月に魅入っていると、イルカショーの案内のアナウンスが流れる。アナウンスを聞いた、阿蒜は慌てて、伊武の手を引き、ショープールへと向かおうとする。

伊武隼人

阿蒜、ショーは慌てなくても逃げやしない。歩いても間に合う

阿蒜寛太

度々、すみません。水族館に来れたのが嬉しくて。我を忘れてました

伊武隼人

心配しなくとも魚も俺もお前を置いて、消えたりはしない

阿蒜寛太

そうですね

イルカショーのプールの観覧エリアに着くと、平日ともあって、席は疎らにしか埋まってなかった。運の良いことに、最前列の席が空いてた。阿蒜は最前列に座りたがり、伊武は経験上、最前列は避けたかった。しかし、今日は阿蒜の誕生日という事もあって、阿蒜の意見を尊重して、最前列に座る事となった。

イルカショーが始まるとイルカたちは、スタッフの合図に合わせて、ぐるぐる回ってみたり、輪を潜ったり、回転しながら海面からジャンプしてみたりしている。

阿蒜寛太

わ!イルカってあんなに飛べるんですね

阿蒜はイルカが芸を披露する度に歓声をあげて、喜んでいる。 ショーが終盤に差し掛かった頃、ついにその時がやってきた。伊武が警戒していた合図が、スタッフからイルカに下されたのだ。

客席前での大ジャンプだ。目の前で大ジャンプを決めるイルカに、今日一番の歓声を阿蒜があげる。歓声をあげたと同時に、頭から多量の水が降り注ぐ。 確かに、最前列は迫力はあるが、水飛沫の被害を諸に受けるのだ。

伊武隼人

こうなるから嫌だったねぇ

阿蒜寛太

なる程、水飛沫が飛んでくるから、皆さん最前列を避けてたんですね

イルカショーが終わると、二人はまた順路に従って、まだ見ていない展示エリアを回る。

展示エリアの一角に出来ているワークショップに目が止まる。近づいてポップを確認するとスノードームを手作りする事が出来るとあった。ワークショップの周りには、スノードームに入れる用のペンギンなどのミニチュアフィギュアが並べられていた。

阿蒜寛太

あ!俺これしてみたいです

伊武隼人

スノードームなんて、ただの文鎮。そんなもん、場所とるだけで邪魔になるだけだねぇ

阿蒜寛太

文鎮でもいいです

伊武隼人

阿蒜がしたいなら、好きにすればいいねぇ。その間、俺はお土産でもみてるわ

阿蒜を残し、伊武はお土産ショップへ、足を踏み入れる。龍本の兄貴への、お土産を何するか熟考する。熟考した末に、カワウソの形をした饅頭を購入した。時計を確認すると、あれから20分程経過していた。

阿蒜のもとに戻ると、ちょうど阿蒜も終わった所だった。完成したスノードームを嬉々として眺める阿蒜。

阿蒜寛太

あ、お帰りなさい。伊武の兄貴。これ見て下さい

阿蒜が見せてきたスノードームを見て、伊武は驚いた。

伊武隼人

これはまた、えらく寂しい作りだねぇ。他にも色々あっただろ

大抵の人は、自分の好きな動物を並べたりするのだが、阿蒜のスノードームには、赤い髪と緑の髪をした人形しか入ってなかったのだ。

阿蒜寛太

これでいいんです。今日という思い出を閉じ込めたかったから。これなら、俺のもとから消えて無くならないから

いつ帰ってくるか分からない、母の帰りを待っていた頃の記憶が甦る。伊武の兄貴もいつか、母のように自分のもとから、消えてしまうかもしれない。なら、今日という日を、目に見える形にして残しておきたい。だから、阿蒜はスノードームに今日という日の記憶を閉じ込めた。

阿蒜寛太

それに、ほら、髪の色合い見て下さい。俺たちみたいでしょ?

伊武隼人

似てるねぇ

屈託ない笑顔を向ける阿蒜。そんな、阿蒜に伊武も感化される。

伊武隼人

たまには、文鎮でも作ってみるのもいいねぇ。俺もスノードーム作ってみょうかねぇ

阿蒜寛太

なら、お揃いにしましょう!

きっと、スノードームを見る度に今日という日を思い出すだろう。スノードームには、今日という日の記憶を詰めたのだから。

おわり

あとがき のいのいさんへの相互感謝品の、いぶあび。いぶあびは好きなCPなんですけど、中々、イメージが湧きにくいので、定番の水族館デートに仕上げてみました。龍本の兄貴のお土産がカワウソの形の饅頭なのは、あの巨体で両手に饅頭持って食べたら可愛いなと思って。そして、まさかの保存出来てなくて、一回半分くらい消えた(^-^; 相互感謝。

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コメント

7

ユーザー

今仕事終わってみました!五連勤めちゃくちゃ辛いんですけどこの作品見たら今週五連勤頑張れます💪それに感謝するのは私の方ですよ(*´ω`*)いつも神作品ありがとうございます😊

ユーザー
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