呪われた農村集落

俺の名は拓海。
ホラーやオカルトの取材記者を生業にしている。
何故なら物心ついた頃から近い未来を予知する予知夢が俺にはあったからだ。
かといって恐ろしい予知夢だけじゃない、楽しい予知夢もある、が、今回はヤバイ予知夢を視てしまった。

嫌な予知夢が見事に的中した。
何を予知夢したか、それはとある農村集落で何者かに追われる予知夢だった、目が覚めたら、身体中に汗が吹き出していたので、シャワーを浴びて会社の制服に着替えた。
という、成り行きで見事に予知夢が
成立したが、珍しいことではなかった。昔から気にしないようにしてる。

初めまして、拓海と申します。
拓海は村長の樹に案内されて、
武家屋敷のような農家の家に案内されて、中に入り込んだが、廊下を歩く途中に朦朧としたお婆さんが気が触れたように口をガチガチさせて、
立っていたので軽く挨拶をして、その場を離れた、奥まで歩いていくと
鷹の絵図が描かれた襖の前に着いた。

部屋の中は生ぬるい暑さだ。
冷房が付いてるから冷房をかけた。
冷蔵庫があって、ご自由にお使いくださいと書いてあり、中にはジュースやビールが入っていた。
気が利くなと思い、ビールを三缶空けて、飲むと深い眠りについた。

夜中に目が覚めて、気が付いたら夜中の2時だった、その時、突然、得体の知れない叫び声が聞こえてきた。慌てて、静かに襖を開けて外の中庭の方へ目を向けると中庭の奥の方で松明の明かりが目に入ってきた。
すると、様子を伺いながら、耳を澄ましていると男の小さな声がする。

俺は全身が凍り付いた、このままでは不味い、次に尻もちをついて、少し音をたててしまった。
すると、松明の明かりがだんだん俺の方に近づいてくる。
俺は深呼吸をして、急いで荷物を背負って逃げ出した、ここから、20分走って息が上がり、近くの馬小屋の中に逃げ込んだ。
藁の中に隠れようとしたが、何と藁の底に隠し地下があって、その中に分からぬように入り込んだ。
中は薄暗い所で何とか不思議にまわりが見える。
俺は携帯ライトを出して、明かりをつけた、すると、恐怖した道の両端に牛の皮を剥いだようなものがずらっと並んでて奥まで続いていた。

長い間、歩くと石碑があった。
石碑には黄泉と文字が掘られていた。石碑の後ろに壁画があった、また、恐怖した壁画には次々と老人を井戸へ投げ込む様子が描かれていたが、壁画の一箇所だけ、化け物の絵が
デカく描かれていた。
何だこれは、一体この化け物は何なんだ。
石碑の裏側を見ると窪みに金の牛の像が嵌め込まれている。
取り出そうとして、うっかり体重を金の牛の像にかけてしまった。
すると、壁画の化け物が描かれた場所が扉になって目の前に現れた。

分からぬように隠し扉を開き、
奥まで歩いていく、もう慣れたのか、両端には相変わらず牛の頭の皮の
ようなものがずっと並んでて奥まで続いている。
2、3時間以上、歩いただろうか、
ようやく明かりが見えてきた、外に出られそうだ。
命からがら逃げて、外に出るとそこは山の山頂だった。
山の山頂からは街が見える。
俺は急ぎ足で街まで向かった。

警察署に着いて、これまでの詳しい
状況や情報を話したが警察署の警官はそんな農村集落は無いと言っている。いくら、本当のことだと言っても相手にされず、あなたはきっと疲れてるんです。あなたの住所を教えて下さい。家まで送りますと警官に
言われた。
腑に落ちないままで自宅まで送ってもらった。
自宅の自室でベッドに仰向けになると深い眠りに落ちた。

目が覚めて、会社に出勤すると、
取り締まり役の瑛太が何処にもいない、瑛太さんは何処にいるんですか？と女性事務員に聞くと瑛太さんは
去年からお亡くなりになって、新しい取り締まり役になったでしょ、と女性事務員は言う、けれども、何故こんな状況になってるのか、又もや
腑に落ちないままで故瑛太のデスクを調べていると確かに黄泉村と書かれている書類があった。
黄泉村、取材内容、黄泉村には、伝説が語り継がれている、年を重ねる90歳の老人が牛を捌き、貪欲に血肉を貪る化け物になってしまうと書かれており、よって、90歳になると必ず井戸に老人を突き落とし殺害していた、そう描かれていた。
俺は急ぎ足で黄泉村まで戻ろうとした、何故なら真実がどうであるか、
気にかかる。

黄泉村のあった場所、
一瞬、血の気が凍り付いた、
牛鬼村と書かれて、見たことのない
農村集落があって、大きな石碑に
牛鬼村と文字が彫られていた。
俺はこれは夢だと思って、頬をつまんだが、痛かった。
俺が人生で最高に絶望感を味わった事件だった。