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楪羽*yuzuriha*
9,466
#家族関係
Shax91
107
#リート
地下四階。 轟音が響く拘束部屋。
神崎はモニターに映る戦況を見つめ、静かに息を吐いた。
神崎
画面には次々と制圧されていく武装兵。
目黒が樹木で通路を切り開き、渡辺が前衛を崩し、深澤が指示を飛ばしながら進んでいる。
阿部だけは誰よりも先へ進もうとしていた。
神崎は小さく笑う。
神崎
神崎
神崎
霧島はモニターを見つめたまま答えた。
霧島
霧島
しかし、その声には以前のような高揚はなかった。
代わりに浮かんでいたのは迷いだった。
霧島
神崎
霧島
霧島
神崎は紅茶を机へ置く。
神崎
神崎
神崎
霧島は首を横に振った。
霧島
霧島
神崎が初めて驚いた表情を見せる。
神崎
霧島は宮舘へ視線を向ける。
拘束されたまま、それでも穏やかな表情を崩さない宮舘。
霧島
神崎
霧島
神崎は黙って続きを待った。
霧島は静かに話し始める。
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島はゆっくり宮舘を見る。
霧島
霧島
霧島
その言葉に。 宮舘の瞳がわずかに揺れた。
神崎も目を細める。
神崎
霧島は苦笑する。
霧島
霧島
霧島
霧島
宮舘は静かに口を開く。
宮舘涼太
霧島は少し寂しそうに笑った。
霧島
宮舘涼太
霧島
霧島
霧島
霧島
その瞬間。 神崎の表情から笑みが消えた。
神崎
神崎
神崎
霧島
霧島は静かに答える。
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
神崎は数秒間考え込む。
そして。 小さく笑った。
神崎
神崎
神崎
霧島
神崎はモニターへ映る阿部を見る。
神崎
神崎
神崎
神崎
神崎
神崎
神崎
霧島が顔を上げる。
霧島
霧島
神崎は首を横に振った。
神崎
神崎
神崎
神崎
その言葉を聞いた宮舘が初めて声を荒らげた。
宮舘涼太
神崎は穏やかに笑う。
神崎
神崎
神崎
宮舘は神崎を睨む。
宮舘涼太
神崎
神崎は静かに言った。
神崎
神崎
神崎
宮舘は何も返せなかった。
その様子を見た霧島は、拳を握る。
霧島
霧島
霧島
霧島
その時だった。
ドゴォォォン!!
研究室の分厚い防爆扉が大きく揺れた。
武装兵
通信が入る。
武装兵
武装兵
神崎は静かに立ち上がる。
神崎
目黒の樹木が防爆扉を押し上げている。
渡辺が能力抑制装置を次々と破壊し、避難誘導に当たっていた岩本たちもようやく地下四階で合流した。
宮舘以外の八人全員が揃った。
深澤が叫ぶ。
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
全員
八人の声が重なる。
その声は、厚い防爆扉の向こうにいる宮舘にも、はっきりと届いていた。
宮舘は小さく笑う。
宮舘涼太
霧島はその笑顔を見つめる。
その胸に生まれたのは嫉妬でも研究欲でもない。
ただ一つ。
霧島
その本音だけだった。
そして次の瞬間――。
バキィィィン!!
最後の防爆扉に、大きな亀裂が走った。
バキィィィン!!
最後の防爆扉に入った亀裂がさらに大きく広がる。
地下四階へ続く通路。
岩本照
岩本が叫ぶ。
目黒の樹木が太く成長し、防爆扉を押し上げる。
目黒蓮
轟音が研究区画へ響き渡った。
その頃。 拘束室。
霧島は宮舘の前に静かに立っていた。
霧島
霧島
宮舘は何も答えない。
能力抑制装置によって《命紡》はほとんど使えない。
それでも、その胸には一つの不安があった。
宮舘涼太
宮舘涼太
宮舘涼太
霧島の能力は、《触れた対象の構造を解析する》。
能力そのものを奪うわけではない。
しかし。 生命の構造を読み取る能力なら――
《命紡》という特殊能力の異質さまで見抜かれる可能性がある。
宮舘涼太
宮舘涼太
宮舘涼太
霧島が聞こえるか聞こえないか分からない程小さな声で呟く。
霧島
霧島
霧島は白い手袋をゆっくり外した。
霧島
霧島
その手が宮舘へ伸びる。
あと数センチ。
その瞬間――。
別の場所。 地下四階の廊下。
全力で走っていた阿部が突然足を止めた。
阿部亮平
目黒が驚く。
目黒蓮
阿部は遠くを見つめる。
まるで何かを感じ取ったように。
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部はゆっくり目を閉じた。
阿部亮平
阿部亮平
小さく呟く。
次の瞬間。 阿部の周囲へ、青と緑の細かな光が静かに舞い始めた。
普段は髪の内側へ隠れている、ネオンカラーの髪が一瞬だけ淡く輝く。
誰にも見えないほど僅かな変化。
しかし。 阿部自身の能力は静かに動き始めていた。
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
遠く離れた拘束部屋。
霧島の手が宮舘へ触れた、その瞬間。
ブツッ。
霧島
霧島が眉をひそめる。
頭の中へ流れ込んでくるはずの情報が。 突然。
砂嵐のようなノイズへ変わった。
霧島
視界が歪む。
生命構造が読み取れない。
能力の流れが途中で切れる。
霧島
霧島
霧島
神崎も異変に気付く。
神崎
霧島
霧島はもう一度宮舘へ触れる。
しかし。 結果は同じだった。
ノイズ。
ノイズ。
ノイズ。
まるで誰かが。 外側から能力そのものへ干渉しているようだった。
霧島
霧島は思わず呟く。
霧島
霧島
霧島
宮舘も一瞬だけ目を見開く。
宮舘涼太
宮舘涼太
誰がやったのか。
考えるまでもなかった。
一方その頃。
阿部の身体から急に力が抜けた。
阿部亮平
ガクンと膝をつく。
目黒蓮
目黒が慌てて支える。 渡辺も駆け寄る。
渡辺翔太
渡辺翔太
阿部は苦しそうに息を整える。
額には大量の汗。 呼吸も浅い。
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
深澤が険しい表情になる。
深澤辰哉
阿部は小さく頷く。
阿部亮平
阿部亮平
そう言うものの、腕にはほとんど力が入っていなかった。
ラウールが焦った声を上げる。
ラウール
佐久間大介
ラウール
目黒は阿部を支えながら言う。
目黒蓮
阿部は苦笑した。
阿部亮平
阿部亮平
阿部亮平
その一言だけで。
渡辺は何かを察した。
渡辺翔太
渡辺翔太
それ以上は誰も聞かなかった。
阿部が今ここで理由を話さないということは。
話せない理由があるということだから。
拘束部屋。
霧島はゆっくりと手を離した。
霧島
霧島
神崎は静かに尋ねる。
神崎
霧島
霧島
霧島
霧島
霧島
神崎はモニターを見る。
ちょうどその時。 阿部が目黒に肩を貸されている姿が映った。
神崎の目が細くなる。
神崎
霧島も画面を見る。
神崎
神崎
しかし、それ以上の確証はない。
解析は失敗した。
《命紡》の正体にも辿り着けなかった。
神崎は静かに息を吐く。
神崎
その瞬間
ドゴォォォォン!!
最後の防爆扉が完全に吹き飛ぶ。 舞い上がる煙の中から、八人の姿が現れた。
先頭には巨大な樹木を従えた目黒。
その隣には渡辺。
後方には岩本、深澤、佐久間、向井、ラウール。 そして、肩で息をしながらも真っ直ぐ前を見据える阿部。
阿部は拘束された宮舘を見つけた瞬間、安心したように小さく息を吐いた。
阿部亮平
その言葉に宮舘は優しく微笑む。
宮舘涼太
宮舘涼太
二人だけに分かる、短い会話。
その意味を知る者は、この場には誰もいなかった。
そして神崎は静かに一歩前へ出る。
神崎
神崎
エルフレ・バルサムをめぐる最後の戦いがついに始まろうとしていた。
コメント
7件
毎回色んな展開楽しみに読んでます💕続きがとっても気になります😆
