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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

紛れもなくあれは

俺らの初恋だった

長いまつ毛に

透き通るような白い肌

ほんのり血色のある唇と

青空のような水色の髪の毛

何でも持ってるようで

なんにもなかった俺らにとって君は

ずっと探し続けていた

一等星のようだった──

太陽系のうち

月、金星、水星、火星には それぞれ1人ずつ守護者がおり

太陽を破壊しようとする 『闇』を倒し、 宇宙の平和を維持していた

その中でも特に『月』には

“闇”を浄化する力を持つ太陽を補強する者

“クイーン”

が存在していた

クイーンを守るため、 その他の惑星の守護者たちは 日々訓練に取り組んでいた──

カキンッカキンッ

ズザザザッ

ゆあん

なかなかやるじゃん!

うり

ゆあんもな!!

ゆあん

どっちかが次期クイーンと結婚するんだから、

ゆあん

鍛えとかないと、な?

うり

......

そう

太陽系の平和を保つために

火星の次期守護者であるゆあんか

金星の次期守護者である俺は

どちらかが次期クイーンと

結婚する必要があった

うり

俺は正直、あの子のこと忘れられない

ゆあん

...

ゆあん

それは俺もだよ

俺たちの初恋相手は同じ人だった

つまらなかった俺たちの人生に差し込んだ

一筋の光

あれは俺たちが10歳くらいのこと......

スタスタスタ

貴族

うり様、ゆあん様、おはようございます!!

貴族

うり様とゆあん様よ!

貴族

素敵だわ...

貴族たちはいつもこう

俺らの機嫌を常に伺い、

まだ幼い俺たちによく媚びを売ってきた

今から信頼を得ようという作戦なんだろう

うり

ゆあん、もう行こ

うり

ここにいると気疲れする

ゆあん

ああ、そうだな

ゆあん

人が少ないとこに行こ

ゆあん

あれ?ここに花畑とかあったっけ?

うり

覚えてねーけど気晴らしにちょっと見てこーぜ

そんなことを言っていると

お花畑の中で花を触る少女を見つけた

するとその少女はこちらをじっと見て

急に駆け寄ってきた

???

お花を踏んじゃダメでしょ!!

俺たちが足元に目をやると

そこには踏まれた花が倒れていた

???

お花さん可哀想...いまお水を持ってくるね!

タタタッ

そう言って少女は走り去った

うり

なぁ、ゆあん

ゆあん

ん?

うり

あの子おもしれーな

ゆあん

あー、まぁ、確かに...

ゆあん

皆俺らには礼儀正しいから

ゆあん

不思議な感じはする...

そういう間に少女は帰ってきた

???

あれ?君たちまだ居たの??

そういう少女をよく見ると

とても綺麗な子だった

うり

まぁ、うん...

ゆあん

帰りづらくて...

???

大丈夫!こうやって包んでおけば...また元気になるから!ね?(ニコッ

最初はただの興味だった

こんな態度をとる人が珍しくて...

でも...

次の日

???

あ!君たち!!また来たの?

またもう一度だけ彼女に会いたくなった

ゆあん

うん、

うり

......

???

ちょっとさそっちの小道からここまで入ってきて??

ゆあん

行くか?

うり

おう...

彼女が座り込んでいる場所まで歩いていく

見れば見るほど天使みたいな子だった

???

お!来たね〜

???

2人に渡したいものがあって!!

うり

うり

渡したいもの?

???

うん!はいっ

そう言ってシロツメクサの冠を渡してきた

ゆあん

これ君が作ったの?

???

そーだよ!2人とも王子様みたいだから似合うと思って

いつもなら嫌な『王子』という言葉も

この子が言うと心地よかった

今思えばもうこの時には

俺たちは恋に落ちていた──

時間はあっという間に過ぎ...

???

大変!!もう帰らなくちゃ!!

うり

あそうなの?

ゆあん

そっか...

???

そんな寂しい顔しない!

???

また会えるよ

???

じゃーね!

そう言って少女は背を向けた

そんな彼女を僕らは呼び止めた

うり

待って...!

ゆあん

名前.....!!

???

(クルッ

彼女が振り返った時後ろに夕日が重なった

夕日のはずなのに

満月に見えて

まるで月の女神のようだった

???

そうだ!!言ってなかったね

???

私の名前は...

─────です

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