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スタ スタ スタ スタ…
スーー…ット
北条 光夜
北条 奏
北条 光夜
北条 光夜
北条 奏
兄が僕の背を軽く叩いた
母にされた事が未だに頭から離れず
栓をし、忘れようとしていたトラウトを呼び起こしてしまった
北条 奏
これが初めてなわけでは無い
母はいつも、事あるごとに僕を 叱りつけ髪を掴んだ
帰ってくる度、向けられるあの視線
ゴミを見るようなあの目…
北条 奏
北条 光夜
北条 光夜
北条 奏
思い出すだけで吐き気がする
北条 奏
兄が部屋を出て、何時間経ったか
僕は眠れず 天井のシミを眺め続けていた
カチ… カチ … カチ … カチ …
北条 奏
明日…
早く、
早く、明日になってくれ…
でないと…僕は
北条 奏
響く虫の鳴き声が
一定のリズムを刻む、時計の音が
無性に 遅く、感じる…
北条 奏
早く早くと願う程、反発するように更に遅く感じる時の流れに
僕は恐怖さえ感じた
北条 奏
バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク
北条 奏
鼓動が頭に響いて それが反響してを 繰り返すように
頭を埋め尽くす、僕の音…
北条 奏
北条 奏
その瞬間、目の前が段々と暗くなって行った…
僕は意識を失った
北条 奏
北条 奏
北条 奏
ふと、目をやる
時計はもう午前5時32分となっていた
北条 奏
北条 奏
僕は胸を撫で下ろすと、立ち上がり 布団をしまった
部屋を出ると、外はまだ暗く 日も昇っていない…
北条 奏
ザワ…
北条 奏
北条 奏
あと一時間もすれば父達も起きて来る、そうすればいつものように稽古に向かわされる…
村までの距離はかなりある…
早くて昼間、着く頃には1時は越える…そして3時には出発しなければ…
北条 奏
北条 奏
僕は出発を決めた
ザッザッザッザッザッ…
夜に塀の外を歩くなど、今まで一度も無かったからとても新鮮だった
北条 奏
僕はひたすら歩いた
小さく 一歩また一歩と 長い長い道を進んだ
僕が公園についたのは7時頃だった
予定よりも30分近く遅くなった
ザッ ザッ ザッ…
サッ…
北条 奏
ここまで殆ど休まず歩いたからだろう
睡眠もまともに取ることが出来ず、 僕は疲労困憊となっていた
北条 奏
北条 奏
ベンチの側の木から木漏れ日が入り、僕を優しい、暖かな光で包み込む
この心地良さを表現するなら
愛する人の腕の中にいるよう…というべきか
北条 奏
北条 奏
ヘタッ…
北条 奏
そして僕はそのままベンチで眠ってしまった
続く