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見る目ないですね

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見る目ないですね

2 - 第2話 見る目がある僕

♥

788

2024年01月13日

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あれから月日は経って

気付けばさとみ先輩との別れの日が来た

なんだかんだあったものの さとみ先輩との距離は縮まらないままだった

こくん

さとみ先輩のとこ行かないの?

るくん

うん

今更もう何も言うことなんかない

よく最後になるからって 想いを伝える人がいるけど

僕にはそんな勇気もないし

この気持ちを隠し続けることに慣れてしまったせいか

今日でおしまい

この恋もさよならしようって

心に決めてた

こくん

本当にいいの?

こくん

今日で最後かもしれないよ?

るくん

うるさいなぁ笑

るくん

おしまいにしたいからいいの

こんなに辛いなら

嫌いになってしまいたい

逆にせいせいする

それでいい

それでいいはずなのに

僕は窓の外に君がいないか 探してる

ころちゃんはその視線に 気づいてるのか

何か言いたげな目で僕を見ていた

るくん

あ!僕教室に忘れものしちゃった!

るくん

先に下駄箱行ってて!

こくん

え、?

こくん

あ、るぅとくん!

僕は教室と間逆の階段へ走った

るくん

はぁはぁ…

息を整えてピアノの前に用意された 椅子に腰をかけ

ピアノの鍵盤にそっと触れる

強すぎず弱すぎない力で 指を下へ落とす

体全身に鳴り響くピアノの音

また僕はあの日を思い出す

遡ること1年前

るくん

あーー。疲れた。

生徒会の仕事が忙しく 帰る時間が遅くなる日々が続いていた

さくん

ねぇ、きみ!

さくん

ねぇーねぇー!!!

突然後ろから肩を叩かれ 驚いて振り向くと

さくん

やっと気づいてくれた笑

そこに立っていたのは この後ずっと恋に苦しませてくる さとみ先輩だった

そんなことを知る余地もない 僕はイヤフォンを外して 先輩を見つめた

さくん

いつも昼休みピアノ弾いてたりする?

るくん

え、なんで!?

心がドキリとした

僕の冴えない高校生活の 1番の楽しみは昼休みだった

こっそり誰も居ない部屋で 好きなだけピアノに没頭する時間が 好きだった

そのせいで誰かに聴かれてるなんて 考えもしなかった

さくん

ずっと探してたんだよ

さくん

あのピアノ弾いてる子

るくん

な、なんでですか?!

さくん

なんでって笑

さくん

そりゃ好きだからに決まってるじゃん!

好き

たった一言そう言われた時

胸がいきなり高鳴って

心臓が痛くなった

僕ってば単純

そんな一言で簡単に 難しい恋を始めてしまうなんて

大きな瞳が笑った瞬間 クシャッと潰れて

目の横に皺ができて

完全に君の虜だった

るくん

あ、あれはただの自己満足に過ぎなくて

るくん

人に聴かせるようなものじゃないので

言葉が詰まって

頭も真っ白

自分でも何が言いたいのか分からなくなる

さくん

分かった!

さくん

じゃあさ、

さくん

今度お昼休み遊びに行くわ

るくん

え!?

るくん

だからあれは誰かに聴かせるようなっ…

さくん

それなら俺の為に弾いてよ

さくん

俺に聞かせる為に弾いて?

るくん

そんな、急に言われても…

今考えればなんて強引な人なのだろう

初対面の人に向かって 自分の為にピアノを弾けだなんて

でもあれからずっと

さとみ先輩に聞かせる為に

一生懸命練習した

さとみ先輩に聞かせたくて

また先輩に会いたくて

気づけば僕は 君を待ってた

それから昼休み以外の時も 音楽室に入り浸るようになって

だんだん距離も近くなって

どんどん好きなっていった

るくん

もう聴かせる相手はいなくなっちゃうのか

入り浸ったこの音楽室とも 今日をもって別れを告げる

たった一言

君からの「好き」で簡単に始まった恋

それでも僕はこんなにも 君を好きでいられたんだ

涙で手元が見えない

音が途中途中で不響和音を奏でる

それでもこの手を止められないのは

また君がここに来てくれるんじゃないかって

期待してしまってるからだろうか

ちゃんと、好きだったんだな

堪えきれない涙が

この恋の結末だ

泣いても泣いても

君が好きなピアノを弾いても

もう君は来ない

苦しくて辛い

それほどまでに君が好きだった

今でもずっと好きなんだ

さくん

やっぱり好き

るくん

え、

突然僕の耳に飛び込んできた その声は

僕をこんなにも苦しめて

震えるほどに幸せをくれる

るくん

さとみ先輩…

さくん

好きだ

僕のことを優しく包み込んだ

るくん

こんなボロボロな演奏なのに?

るくん

今までで1番最低な演奏なのに?

さくん

もちろん

耳元で君が囁く

ずるい

ずるい

ずるいよ

なんで?

なんでそんなに優しくするの?

僕、簡単に君を好きになっちゃう

また恋に落ちちゃうじゃん

諦めたくなくなっちゃうじゃん

さくん

でもね

さくん

俺が好きなのは

さくん

るぅとだよ?

るくん

へ、?

思ってもいなかった言葉

るくん

だって莉犬先輩が好きだって

るくん

花火大会も誘ったって

思い返せば 僕の片思いが失恋に変わったのは

あの暑い夏の日だったな

懐かしい

あれから何度も君を嫌いになろうと

離れようと思ってきたが

未だに君への気持ちは変えられなかった

今だって君に夢中なんだ

さくん

あー笑

さくん

あのあと振られたって言わなかったっけ?笑笑

さくん

もう既に相手いたみたいでさ、

さくん

あいつ見る目ねぇなぁ!!って思ったんだけど

さくん

その時るぅとに同じこと言われたの思い出して

さくん

もしかしてって意識するようになって

るくん

そういえばそんなこと言いましたね笑

るくん

本当にさとみ先輩って見る目ない

るくん

こんなぼくのこと好きになるなんて

るくん

物好きにも程がありますよ?

涙を服の袖で拭って 君は笑った

さくん

それはこっちのセリフな笑

さくん

つーか、答えは?

さくん

俺と付き合ってくれますか?

るくん

もちろんです

こんな僕を好きにさせて

好きになって

僕を選ぶなんて相当見る目ないけど

願わくばそのままの先輩でいてほしい

るくん

ずっと見る目ない先輩でいて

るくん

ずっと僕だけを愛して?

さくん

俺はこんなに自分を思ってくれて

さくん

どんなときも支えてくれる

さくん

優しい人を好きなんだから

さくん

相当見る目あるけど?

優しく見つめて頭を撫でてくれる

こんなに素敵な人を好きな僕の方が

見る目あるにきまってる

るくん

好き

さくん

俺も

さよなら、

僕の失恋

みなさんこんばんはー!!

この前続きが読みたいという リクエストを頂いたので 応えてみました🫰🏻

どーーだったでしょうか??

あんまりさとるぅと描かないから ちょっぴり新鮮でした!!

でもるぅころ好きすぎて ころんくんはるぅとくんのこと 好きな設定で

最後るぅころ結ばれるエンドも 考えたんですけど

さとるぅとの方が収まりいいかな、と 思ってそっちにしました🤭

なんか好きなシチュエーションとかあったら 教えてほしいです!!

リクエストに答えられるかは 別として作品作りのヒントというか アイデアにしたいです!!

なんでもいいので お気軽に待ってます( *´꒳`* )

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

本当に言葉選び天才すぎる…神様仏様…好きすぎる…出来たら青黄版も見たいです!本当に出来たらでお願いします! 今回も神作品ありがとうございます!

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