あれから月日は経って
気付けばさとみ先輩との別れの日が来た
なんだかんだあったものの さとみ先輩との距離は縮まらないままだった
こくん
るくん
今更もう何も言うことなんかない
よく最後になるからって 想いを伝える人がいるけど
僕にはそんな勇気もないし
この気持ちを隠し続けることに慣れてしまったせいか
今日でおしまい
この恋もさよならしようって
心に決めてた
こくん
こくん
るくん
るくん
こんなに辛いなら
嫌いになってしまいたい
逆にせいせいする
それでいい
それでいいはずなのに
僕は窓の外に君がいないか 探してる
ころちゃんはその視線に 気づいてるのか
何か言いたげな目で僕を見ていた
るくん
るくん
こくん
こくん
僕は教室と間逆の階段へ走った
るくん
息を整えてピアノの前に用意された 椅子に腰をかけ
ピアノの鍵盤にそっと触れる
強すぎず弱すぎない力で 指を下へ落とす
体全身に鳴り響くピアノの音
また僕はあの日を思い出す
遡ること1年前
るくん
生徒会の仕事が忙しく 帰る時間が遅くなる日々が続いていた
さくん
さくん
突然後ろから肩を叩かれ 驚いて振り向くと
さくん
そこに立っていたのは この後ずっと恋に苦しませてくる さとみ先輩だった
そんなことを知る余地もない 僕はイヤフォンを外して 先輩を見つめた
さくん
るくん
心がドキリとした
僕の冴えない高校生活の 1番の楽しみは昼休みだった
こっそり誰も居ない部屋で 好きなだけピアノに没頭する時間が 好きだった
そのせいで誰かに聴かれてるなんて 考えもしなかった
さくん
さくん
るくん
さくん
さくん
好き
たった一言そう言われた時
胸がいきなり高鳴って
心臓が痛くなった
僕ってば単純
そんな一言で簡単に 難しい恋を始めてしまうなんて
大きな瞳が笑った瞬間 クシャッと潰れて
目の横に皺ができて
完全に君の虜だった
るくん
るくん
言葉が詰まって
頭も真っ白
自分でも何が言いたいのか分からなくなる
さくん
さくん
さくん
るくん
るくん
さくん
さくん
るくん
今考えればなんて強引な人なのだろう
初対面の人に向かって 自分の為にピアノを弾けだなんて
でもあれからずっと
さとみ先輩に聞かせる為に
一生懸命練習した
さとみ先輩に聞かせたくて
また先輩に会いたくて
気づけば僕は 君を待ってた
それから昼休み以外の時も 音楽室に入り浸るようになって
だんだん距離も近くなって
どんどん好きなっていった
るくん
入り浸ったこの音楽室とも 今日をもって別れを告げる
たった一言
君からの「好き」で簡単に始まった恋
それでも僕はこんなにも 君を好きでいられたんだ
涙で手元が見えない
音が途中途中で不響和音を奏でる
それでもこの手を止められないのは
また君がここに来てくれるんじゃないかって
期待してしまってるからだろうか
ちゃんと、好きだったんだな
堪えきれない涙が
この恋の結末だ
泣いても泣いても
君が好きなピアノを弾いても
もう君は来ない
苦しくて辛い
それほどまでに君が好きだった
今でもずっと好きなんだ
さくん
るくん
突然僕の耳に飛び込んできた その声は
僕をこんなにも苦しめて
震えるほどに幸せをくれる
るくん
さくん
僕のことを優しく包み込んだ
るくん
るくん
さくん
耳元で君が囁く
ずるい
ずるい
ずるいよ
なんで?
なんでそんなに優しくするの?
僕、簡単に君を好きになっちゃう
また恋に落ちちゃうじゃん
諦めたくなくなっちゃうじゃん
さくん
さくん
さくん
るくん
思ってもいなかった言葉
るくん
るくん
思い返せば 僕の片思いが失恋に変わったのは
あの暑い夏の日だったな
懐かしい
あれから何度も君を嫌いになろうと
離れようと思ってきたが
未だに君への気持ちは変えられなかった
今だって君に夢中なんだ
さくん
さくん
さくん
さくん
さくん
さくん
るくん
るくん
るくん
るくん
涙を服の袖で拭って 君は笑った
さくん
さくん
さくん
るくん
こんな僕を好きにさせて
好きになって
僕を選ぶなんて相当見る目ないけど
願わくばそのままの先輩でいてほしい
るくん
るくん
さくん
さくん
さくん
さくん
優しく見つめて頭を撫でてくれる
こんなに素敵な人を好きな僕の方が
見る目あるにきまってる
るくん
さくん
さよなら、
僕の失恋
みなさんこんばんはー!!
この前続きが読みたいという リクエストを頂いたので 応えてみました🫰🏻
どーーだったでしょうか??
あんまりさとるぅと描かないから ちょっぴり新鮮でした!!
でもるぅころ好きすぎて ころんくんはるぅとくんのこと 好きな設定で
最後るぅころ結ばれるエンドも 考えたんですけど
さとるぅとの方が収まりいいかな、と 思ってそっちにしました🤭
なんか好きなシチュエーションとかあったら 教えてほしいです!!
リクエストに答えられるかは 別として作品作りのヒントというか アイデアにしたいです!!
なんでもいいので お気軽に待ってます( *´꒳`* )