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彼は、「彼ら」の為に動き始めました
「皆が愛したこの星」を…… 「皆が願った平和」を…… 「皆が望んだ未来」を…… ─────守る為に
と………その前に………
「彼ら」から… 話を聞いてみましょうか…
彼らと出会い、そして別れるまで共に居た 言わば、彼らの半身とも言える、 「彼ら」ならきっと……
過去を………
─────教えてくれる筈です、 「彼ら」もまた、心から幸せを願っていますから
─────ドンッッ
今までで一番大きな音と共に、 鮮やかで眩しい、巨大な花火が上がる
今日1番の、綺麗な“色”の雨が降った
パラパラと色を四方に散らしては、消え… 残ったのは、穏やかで静かな夜の空───… ……やっぱり、綺麗だなぁ─────、
月明かりと星のみが残された空を、 ぼーっと眺めていると帰り始める人達が目に入った
…どうやら、催し物は全て終わったようだ
俺も帰る準備をする …と言っても、準備する程の物は持ってない あるとすれば……まぁ、 爽が食い散らかしたゴミの片付けくらいだ
やっぱりと言うか、予想通りなんだが 「帰りにもう一度屋台に寄りたい」と爽が言うので 仕方なく付き合った
スバル
爽
爽は倍くらいの量の食べ物を抱え、 爽ニコニコと満面の笑みを浮かべていた 余っ程、美味かったんだろう たこ焼きとお好み焼きが大半だった
スバル
数歩先で嬉しそうに歩く爽の後ろを、 スバルは静かに着いていく
この状況が少し面白くて 思わず笑が零れた
スバル
爽
日が暮れた山道を登ること1時間 やっと家に到着した 爽は家に着くなり、ビターンッと床に倒れ、 早速ウトウトし始めた
「やっぱりな」と思いつつも、 こんなことろで寝られても困るので 取り敢えずベッドまで連れて行く事にした
途中、「ゴンッ」と爽の頭を柱にぶつけた事は バレるまで黙っておく
俺は、星空を見上げた
周りに一切明かりが無いおかげで より一層、星が輝いて見える 山の中だから、案外涼しい 昼間とは雰囲気は変わり、 静かで、穏やかな時間が流れる 森からは梟の鳴き声や虫の声が聞こえて 川の方からは蛍が飛んできている
暫く星を眺めた後、 バルコニーにあった椅子に腰を下ろした
背もたれにゆっくり寄り掛かると 「ギィ…」と、軋む音を立てた
スバル
ポツリ、と小さく呟くと スバルの目の前にまた、あの画面が現れた そして、その一行目……、
ボロボロで、 刃は欠け、歪み、粉々に砕けた───武器 そう、「彼ら」とはこの武器たちの事だ
スバル
その言葉を合図に インベントリから次々と姿を現すと スバルの周りをふわりと漂った 痛々しい姿だが、それでも“芯”だけは まだしっかりと残されている 折れ、欠け、割れ、壊れようとも折れぬ“芯” それは信念や忠義に近い、武器たちの“意思”
─────だからだろう… この武器たちに、“心”が宿ったのは────
武器たちは、微かに光を放つと スバルに、記憶を共有し始める
どうか…………私たちの記憶が…、 貴方の役に……立てます様に────、