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僕は…明日…死んだ

第1話 - 僕は…明日…死んだ

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2019年04月13日

#ホラー

わく子

圭介

誰もいない夜の教会

圭介

暗く…静かなこの場所で…俺は…目の前にたたずむ石でできた神を見ていた…

圭介

神は人を創ったと言う…そして人は…石でできた神を造った。果たして鶏が先か？卵が先なのか？

圭介

俺にはわからない。

圭介

そもそも俺は…神と言うものを信じてはいない。

圭介

誰かが神と言うものを見たことがあるのか？

圭介

なぜ見たこともないものを…人は信じることができるのか？

圭介

昔…そんなことを考え…

圭介

そして考えるのをやめた。

圭介

なぜなら…そう考えることが…そもそも神を認めている…そんな気がして…

圭介

ただ神がいないかなんてことはどうでもいい…

圭介

ただ…いてほしくないからこそ、その存在を否定していた。

圭介

俺の人生…ほんとうに酷いものだった。

圭介

なんども救いを求めたが…

圭介

だが…その願いを聞いてくれるものなど…

圭介

誰もいなかった。

圭介

だから俺は…自分一人でがむしゃらに走り続けた。

圭介

誰もいない暗い道を…ただ一人…より暗い道に向かって…

圭介

俺が神を否定する気持ちは…私の人生から学んだものかもしれない。

圭介

もし神がいると認めてしまったら…俺の救いを求めた声は…どうなってしまったのか？

圭介

その声を聞いていたにもかかわらず…無視されていたのか？

圭介

俺は…神に見放されたのか？

圭介

だからこそ！神などいないと…思いたかったのかもしれない。

圭介

だが…不思議なものだ…神を否定してた俺がいざ死ぬのを…決意した時…

圭介

最後の場所に…神の前を選んでしまうなんて…

圭介

フフッ…

圭介

神よ…せめて最後くらい…俺の願いを聞いてほしい！

圭介

どうか…天国に…

圭介

そして俺は…手に持った拳銃を口にくわえ…

圭介

静かに引き金を…

バン！

圭介

ここは…どこだ…

圭介

確かにあの時…引き金を引いた…

圭介

ここは…天国なのか？地獄なのか？

圭介

不思議だ…体中に…感覚がある…

圭介

俺は今…目を閉じて横になってる…

圭介

だがそこは…あの時死んだ場所ではないのは分かる。

圭介

背中に当たる感触は…なんかこう、ふわふわしてる。

圭介

ここは…天国？

圭介

目を開き、今自分がどう言う状況か確認したい。

圭介

しかし…怖い！怖い！怖い！

圭介

死んだ後という…未知の体験…

圭介

もし俺が目を開け…目の前にある世界を…俺は素直に受け入れることができるのか？

圭介

このまま目を閉じてれば…未知の世界を知らずに済むかもしれない！

圭介

箱に入れられた猫が…どうなっているか…誰にもわからないように…

圭介

俺は一体どのくらいの時間…このままでいいのだろうか。

圭介

目にうっすらと光が差し込む…

圭介

これは…一体…どう言う…

圭介

そして俺は決意する！

圭介

目を…開けよう。

圭介

静かに…閉じてた目を開けた…

圭介

ハッ！

圭介

俺は自分の部屋にいた。

圭介

見覚えのある天井
見覚えのある家具

圭介

今考えると…この背中の感覚も…

圭介

一体何がどうなっている？

圭介

俺はとりあえず机の上の時計を見ることにした。

圭介

12月…24日の…朝6時…

圭介

体中から汗が吹き出した。

圭介

一体どういうことだ？何がどうなっている？

圭介

俺が教会で引き金を引いたのは25日の0時…

圭介

じ…時間が…戻ってる…だと？

圭介

・・・

圭介

そうか…今ままでのは夢だったんだな。

圭介

そのことばかり考えてきた俺にとって…最後の目覚めることができる眠り…

圭介

そこに…夢に出てきたのだろう。

圭介

だが…いい練習になった…これで…俺は…死ぬことができる。

圭介

そうして俺は…夢と同じように…夜…教会へと向かった。

教会

圭介

この場面…

圭介

俺がリアルに感じた夢が…既視感として襲ってくる。

圭介

俺は夢のように…ここで死ぬ…

圭介

神よ…俺の願いを聞いてほしい…

圭介

どうか…天国へ…

圭介

そして引き金を引いた。

圭介

ハッ！

圭介

はぁはぁはぁ…

圭介

これは…一体どういうことなんだ？

圭介

俺は…死んだはずだ…

圭介

確かにこの手で…引き金を引いた…あの教会で…

圭介

まさか…また夢だったのか…

圭介

フハハハ！俺はそれだけ追い詰められてるんだろうな。

圭介

死と言う恐怖に…まさかこんな夢を見るとは…

圭介

24日の午前3時。

圭介

明日の0時…俺は死ぬ！

圭介

そして引き金を引いた俺は…

圭介

また同じ場所で目を覚ました。

圭介

いったい…何がどうなってる？

圭介

何度…俺は…繰り返した…

圭介

最初は夢だと思っていた。

圭介

俺は…あることに気づいた…

圭介

まさか…神？

圭介

この普通じゃない体験…俺は夢という言葉で片付けることができなかった。

圭介

神がこのふざけた繰り返しをさせているのか？

圭介

もしそうだとしたら…神は俺に何をさせたいんだ？

圭介

俺とは裏腹に…街は静かだ。

圭介

恐怖からくるものか？鼓動がやまない。今にでも破裂しそうだ。

圭介

とりあえず…落ち着こうと思い外には出てみたはいいが、何をしよう。

圭介

何も考えないでいると…今にも俺自身が壊れると思い…

圭介

この状況について考えてみた。

圭介

俺は…天国という言葉を最後に命を絶った…

圭介

まさか！神はその願いを聞きとげて…

圭介

天国に連れてきてくれたのか？

圭介

いや…違う

圭介

これじゃ…死ぬ前と何も変わらない。

圭介

それじゃ…なんで神は…同じ日を繰り返させる。

圭介

なぜだ？なぜだ？なぜだ!

圭介

俺の頭の中には一つの考えが浮かんだ…

圭介

しかしそれを消すように違う結果を考えようとした。

圭介

俺の中にある一つの考え…それは…

圭介

神は俺に生きろと言っているのではないか？

圭介

しかし…そんなはずはない！

圭介

ならなぜ死のうとする前に…俺を救ってくれなかった…

圭介

あの時引き金を引いた時…俺は死んだ！

圭介

何度時間を巻き戻そうとも…その時俺は死んだんだ！

圭介

もう死んだ俺が取る行動は変わらない！

圭介

時間を巻き戻しても、その瞬間…結果に向かってすすむだけだ！

圭介

そうだ！今回は少し早めに教会に行ってみよう！

圭介

答えが帰ってくるとは思えないが…もう一度…神に…

教会

圭介

神よ！何度、時間を戻しても無駄だ！

圭介

俺はあの時に死んだ！時間を戻しても結果は変わらない！

圭介

死と言う結果に向かって進むだけだ！

圭介

こんなことして何になる！

圭介

神よ！答えろ！

圭介

まさか…俺に…死なないという選択肢をとらせようとしてるのか？

圭介

神は俺に生きろと言ってるのか？

圭介

また、俺はここで死ぬ！ここで引き金を引く！

圭介

だが…死ぬ前に教えてくれ！そのために少しはやくこの場に来た！

圭介

なぜ、今更俺に手を差し伸べる？

圭介

俺に生きろと言うことなのか？

圭介

その問に返事はなかった。

圭介

だが…俺ははっきりと見た。

圭介

俺の目の前にある神を模して造られた石像の口が…

圭介

まるで悪魔のような笑みを浮かべたのだった…

圭介

そして俺は…理解した。

圭介

そうか…ここは…地上でもなければ天国でもない。

圭介

俺は右手に持った銃を口に入れ…

圭介

ありったけの憎しみを込めて…引き金を引いた…

圭介

俺の最後の願いすら…聞いてはもらえなかったのか…

バン！

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