コン コン コン
執事
声を掛けるが、返事は無い
私は食事の乗ったお盆を手に抱え そっと扉を開く
広く華やかな部屋を見渡すが アマナ様の姿は無い
目を凝らしてみると 掛け布団が少し膨れているのが 分かった
執事
私は一度テーブルにお盆をおき そっとアマナ様に近づく
顔を覗くと、少し目が赤くなっていて 泣いていたのだろうかと思う
執事
私は、10にも満たない子供の 小さな体を優しく揺さぶる
アマナ
アマナ
執事
アマナ
腫れた目を擦りながら アマナ様はゆっくりと体を起こす
アマナ
執事
そう言って、私は テーブルの方を指した
アマナ
アマナ様はベッドから降り ベッドを整えてから テーブルへ向かう
執事
執事
アマナ
アマナ様は、静かに椅子に座った
アマナ
アマナ
アマナ
執事
アマナ様は静かに 「いただきます」と口にし 皿に乗ったステーキを一口 口に運んだ
執事
そう言うと、アマナ様は ステーキを飲み込んでから 私の方へ顔を向ける
アマナ
アマナ様はそう言い また一口、ステーキを口に運ぶ
執事
アマナ
アマナ
アマナ様は、キリッとした顔を保ち 食事に手をつける
まだ子供だと言うのに 大人も顔負けのこの方の態度に 私は感心するのと同時に とても罪悪感が生まれた
大昔から、金持ち貴族として ずっと位を保ち続けるゲルト家
先祖代々受け継がれる 大きな威厳と優しき心で 様々な人々から信用、信頼され 今の今まで人々の上に君臨してきた
そこに生まれたアマナ様は 小さな頃から ゲルト家の数多の金銀財宝を狙う 沢山の貧欲な人々を見てきた
前に一度、アマナ様に とても忠実な部下がいたそうだ
アマナ様は其奴を気に入っていたが ある出来事で 彼はお金が欲しいがためだけに 働いていると知ってしまった
他の執事やメイドも ほとんどが金目当てで働いていて 数人は盗みすらも働こうとし 警察につまみ出されたこともあった
皆がゲルト家の地位と財力に 目が暗み、アマナ様に 近づいていく
誰も、アマナ様自身を 見てはくれなかったのだ
アマナ様はそこから 自分に向けられる優しさは全て ゲルト家の財産を望んでいてのもの なのだと思い込んでしまった
優しさという労働を貰ったのなら その者の労働と同等のお金や望みを 返さなければならないと
そして、威厳が無いと、金が無いと 誰も自身に寄り付かなくなると 錯覚した
そのため、どんなときも アマナ様は冷静頓着だ
しかし、アマナ様が裏で一人 すすり泣いているのを 私は知っている
アマナ様がふと、食事をする 手を止めた
アマナ
執事
アマナ
急に聞かれた質問だった
アマナ
アマナ
アマナ
アマナ
そう言ってアマナ様は 遠く優しい瞳で私を見つめる
子供をこのような瞳に 育ててしまった大人達に、私は 文句を言いたくなる
いや、きっと私も その大人達の中に入っているのだ
私もこんなにも、アマナ様を 苦しませてしまったのだから
執事
アマナ
アマナ様は、静かにじっと 私を見ていた
執事
アマナ
アマナ様は驚き、目を見開く
アマナ
執事
私はきっぱりと アマナ様を遮り、言った
アマナ
執事
執事
執事
執事
執事
執事
執事
勢いのままに、私は 言葉を繋げた
ハッと我に返りアマナ様を見ると アマナ様は呆然と、泣いていた
アマナ
アマナ
執事
アマナ
この日は、アマナ様が初めて 私に心を開いてくれた日だった
泣き落ち着いたアマナ様は いつの間にか、私の膝の上で 眠ってしまっていた
執事
アマナ
あれから数年が経ち アマナ様は今年で12となられた
前までは小学生だったというのに 今ではもう、中学生という 大人への階段を登ろうとしていた
執事
アマナ
執事
アマナ
執事
アマナ
アマナ
執事
執事
執事
アマナ
アマナ様はしばし考え込み 決意した表情で言った
アマナ
執事
アマナ
アマナ
執事
隠し事をするように言うアマナ様を 私はしっかりと見つめた
私の気持ちを汲み取ったのか アマナ様がため息をついて 苦笑いした
アマナ
アマナ
アマナ
アマナ
執事
アマナ
アマナ
アマナ様は、自身の服を見て 怪訝な顔をしている
あの日、私とアマナ様は アマナ様のお父様の部屋へと 向かった
そして、普通の中学校に通いたいと 2人で直に言いに行ったのだ
最初は渋っていたご両親だったが アマナ様の決意の目を見て 普通の中学校へ行くのを 許可して頂けた
ただし、通っていいのは 中学一年生まで
中学二年生になれば 貴族の中学校へと転校させるという
それでも、普通の中学校に 行けることが とても嬉しかったようで
その日のアマナ様は珍しく ずっと興奮していた
アマナ
執事
アマナ様は元気よく 楽しそうに中学校へと向かった
もちろん、黒塗りの高級車で
名前:ガルト・アマナ 年齢:12歳 性別:男 性格:優しい、強がり、プライド高、努力家、無理しがち 個人能力:鬼 得意魔法:攻撃 炎、自然 頭脳:6 体力:6 魔力:1100 最終的ランク:3 目標:普通を知る、友達を作る 過去:金持ち貴族の息子。貴族の暮らしに嫌気がさし、親に頼み込み一年間だけ、貴族の学校でなく平民が行く平凡な学校への入学を許可された。 その他:人間。常識に疎い、いつどんな時も立ち振る舞いは完全なる貴族
【鬼】 鬼発動時に鬼以外の生物の血肉を 食べることによって、しばらくの間 身体能力、体力、魔力が 超人並に増加する。 (体力:10以上、魔力:約10000ほど。) 血肉は生でないと効果は無い。 また、鬼を発動していない時に 血肉を食べても効果は無い。 鬼発動時、角が生える。 血肉の量は、1kgで約1時間 効果を持続することが可能。 また、食べた血肉の量が多いほど 他生物を食べようとする衝動が 抑えられなくなる。 食べ過ぎると我を失い、血肉を求め 完全に暴走する。 暴走は約2kgの血肉を食べると 発生する。 暴走は約5分でとまる。 鬼を解除すれば、衝動は収まる。 (暴走中、鬼を解除することは出来ない。) 鬼発動時、何を食べても 腹が満たされることは無い。 (常に腹減り状態)
執事
コメント
3件
あいよー執事さんここの作者さんはどうかしらんが