優しい狼さん

赤青です ご本人様には関係ございません 地雷さん、純粋さんはここで見るのをおやめ下さい 通報禁止です

こっちを向く赤い目

頭には大きな耳が生えている

溜息をつきながらも少しにこにこしている

さっきの優しそうな顔から一変 少し険しそうな顔をする

｢がおー｣とかっこいい声で言う

小さな花束

花一つひとつは小さいのに 個性が出ていてすごく綺麗

顔の横でひらひらと手を振る

花の中にいる狼さんはすっごい綺麗 王子様みたい

そんなことを考えながらここを後にする

彼には特別優しくしてる

“いつもみたいに”すぐには食べなかった

どこかで俺はあの子に執着しているのかもしれない

けど、信用しすぎもよくない

大きくなった時後悔する

あんなにいい餌逃がすわけない

信用してた優しい“狼さん”に食べられたらどんな顔するんだろ

考えるだけでゾクゾクしてきた

俺変態かも...

まっ、いいや

寝室に入ると嫌な匂いがした

血生臭いそんな匂い

中を見ると荒らされた部屋の中にひとつ

おばあちゃんの死体があった

体は噛みちぎられたような感じ 引っかき傷も沢山ある

どれだけ呼んでも返事がない

もう死んでいることは明らかだった

今考えるとなんでそんな考えになったのか分からない でも、誰かに助けを求めたかった

考えたらすぐ行動していた

走って来たのか息が乱れている

ｷﾞｭｯｯ

ふーん やっぱその事か

今なんて言ったの...？

｢俺だよ｣？

訳わかんない...

垂れてきた涎を袖で拭う

それなら今この状況は危険だ

離れなきゃ...！

はぁっ...どうしてこんなに可愛いんだろう...♡

俺の腕の中で絶望と恐怖で染まった顔

全部が唆る

ボソボソ聞こえるからよく聞くと

｢やめて｣だの｢食べないで｣だの呟いてる

ほんとはこんな早く食べるつもりはなかったんだけど

バレちゃったなら食べる以外ない

こんな美味しい肉久しぶりに食べた

あの、ばばあとは違う

新鮮で、臭みがない

声だって、顔だって全部可愛くて綺麗だった

食べてる時の悲鳴やら、呻き声も興奮した

震えながら俺食べられていく様子

辺りは赤で染っているけど、本当なら全部舐めたい

けど、もう土が吸い込んじゃって無理

あ、骨はどうしよう