桜遥
そろそろ帰る。
篠原聖
あら…じゃあ、また何時でもいらして下さいね。
(ふふ
(ふふ
桜遥
おう…
桜遥
…なぁ
篠原聖
はい?
桜遥
その…ありがと、な…
篠原聖
…ふふ。いえいえ。困った時はお互い様ですから。
桜遥
じゃあ、
タッタッタッ…
篠原聖
……お客様。何かお求めですか?
蘇枋隼飛
俺には気づくんですね。桜君には気付かなかったのに。
(ふふ
(ふふ
篠原聖
…お恥ずかしい。
(ふふ
(ふふ
蘇枋隼飛
…桜君は、貴方を信頼しているんですね。
篠原聖
そうでしょうか?
蘇枋隼飛
えぇ。俺にはそうみえます。
篠原聖
それはそれは…私も頼れるお姉さんになってきたってことでしょうかね。
(くす
(くす
蘇枋隼飛
そうだと思いますよ。
(ふふ
(ふふ
篠原聖
…それで…私になにかお話でも?
蘇枋隼飛
そうですね。少し、聞きたい事が。
篠原聖
聞きたい事…?
蘇枋隼飛
貴方が、どうして店番をしているのかです。
篠原聖
…?
篠原聖
花屋の娘ですから…店番くらいはしますが…
蘇枋隼飛
何故バイトさんとか雇わないんですか。
篠原聖
…それは…
蘇枋隼飛
……。
篠原聖
……私にもわかりません!
蘇枋隼飛
…え。
篠原聖
え?
蘇枋隼飛
判らないんですか…?
篠原聖
はい。わかりません…!
蘇枋隼飛
そうですか…
篠原聖
私も疑問には思っていますよ。
篠原聖
でも。
篠原聖
こんな小さな花屋ですから。
篠原聖
私だけでも店は回りますし、他の人に任せるよりかは全然安心できると思いますし…
蘇枋隼飛
もし、誘拐でもされたら?
篠原聖
これでも護身術は習ってますから。
(ふふ
(ふふ
蘇枋隼飛
…独りは寂しいんじゃないんですか。本当は。
篠原聖
…いえ。そんな事は。
篠原聖
風鈴の皆さんも、街の皆さんもいますから。寂しいなんて、思いません。
(微笑
(微笑
篠原聖
それにしても。
篠原聖
随分とあの花言葉の事、根に持っていらっしゃるんですね。
篠原聖
意外です。
(くす
(くす
蘇枋隼飛
…何のことでしょう?
(にこ
(にこ
篠原聖
あら、私の目は誤魔化せませんよ?
(ふふ
(ふふ
篠原聖
贈った花であるタツタソウ。
花言葉は遠慮。
花言葉は遠慮。
篠原聖
それとは別にもう一つ貴方へ贈ろうと思った花がありました。
篠原聖
貴方の名字の蘇枋。植物にハナズオウという花があるんですが
篠原聖
その花言葉は
篠原聖
「裏切り」、「不信仰」、「喜び」、「豊かな生涯」
蘇枋隼飛
……それが、なにか?
篠原聖
…いえ。とても貴方らしいと思いまして。
(微笑
(微笑
蘇枋隼飛
俺らしい…?
篠原聖
…えぇ。飽くまで個人的に、ですが。
蘇枋隼飛
…そうですか。
(くす
(くす
蘇枋隼飛
それじゃあ俺はこれで。
篠原聖
はい。お気をつけて。
スタスタスタ…
篠原聖
………。
篠原聖
(…危なかった。喧嘩を売るような真似、するもんじゃないや…)
篠原聖
「裏切り」と「不信仰」。
「喜び」と「豊かな生涯」、か…
「喜び」と「豊かな生涯」、か…
篠原聖
…君はどっちなのかな。






