Chance x mafioso 🎰🐰 ━━━━━━━━━━━━━━━
AM 6:00。 そうだ。早朝に、いつもより少し早めに起きるようにタイマーをセットしたんだった。 …寝起きで、頭がぼーっとする。この感覚は好きだ。ふわふわして心地がいいから。あと、余計なことを考えずに済む… ―――そこそこの組織に属している分、もちろんだが毎朝早く起きる。せいぜいが6:30だが。 今日、なぜいつもよりも早く起きたかと言うとだな、今日は、アイツとの約束があるから。―――ああ、憂鬱だ。 ……はあ。 約束は、果たさなければいけない。本来はあまり行きたくは無いが、そんなプライドがあるのだ。男に二言は無い、という言葉があっただろうか。そんな感じ。 まあ、賭けに負けた分、守ってやるとしようか。 ほんの僅かの照れを隠すように、服を雑に脱ぎ捨てると、上下セットの服が下がっているハンガーを取り外す。すると、自然とカチャ、と音がした。 薄水色のシャツに、黄色の線。生地もいい感じ。いろんな服を着こなしてきたからわかるが、相当高いだろう。 なんとも可愛らしいデザインだろうか。…こればっかりは着こなせない。可愛い系は俺には合わない。筋肉のあるむさ苦しい男がかわいい服を着ることに誰に需要があるのだろうか?ないだろ。 絶対着ねえよカス。 …まともであってくれ、と願いながら、ズボンの方にも目を移す。 よかった。こっちはまだまともだった。デザインは上の服と同じく、黄色の線が右左に1本ずつ入っているが。上に比べればだいぶマシだ。マジでよかった。プライド捨ててドタキャンするところだった。 …黒っていいな。何にでもクールに見える。そんなことをまだ寝起きでぼやける頭で考えながら、黒ズボンの表面を触る。 別のにしようかと考えて。 そういえば、「絶対着てきてくれ」なんだとか言われてたか。 ……別に、アイツの為じゃないのだ。いや、そうかもしれないのだが、如何せん認めたくはない。だってアイツだぞ?アイツだぞ?わかってるか?え?アイツだぞ?殺す ……はあ。 何も考えないように思考を空に飛ばすと、ゆっくりと袖に手を通した。 ***
軽く自身のフェドラの位置を調整する。うん。最っっ高にイケている!これでマフィオソも惚れること間違いなし!イッケメーン!!! ……まあ、おふざけはここまでにして。相当俺は頑張った。なんせ、敵から知人、知人から友達、そして親友。 やっとの思いで積み上げてきたポイント。それが初デートとして現れたのだ。だれしもが喜ぶだろう。 なんせ、アイツは気まぐれなのだ。少しの躓きで一気にランク下げされてしまうこともある。…まさにギャンブル。そこに自身は引かれたのだろうか。よくわからないが、アイツが魅力的ってことは確かだろう。 浮かれすぎて何かを忘れていないだろうか? 執念深く鞄や身だしなみを確認する。服、襟、袖、ベルト、顔面。あ、元から最高だったw 俺は気が済むまで自身を鏡で観察し終え、やっと周りを見渡す。 そうするとなんと、皆が俺のことを見ているではないか! うわー、俺ってスゲー人気者だなー!……まあ、うん。普通に目立っているだけだろうけど。 そこで、聞き慣れた足音に気づく。なんども聞いた、愛しい者。全てが愛おしい。…早まってはダメだ、気まぐれで来ただけかもしれないから。いや、ウジウジするよりはガンガン行った方がマシだろうか? ぐるぐる、思考を急かしながら回す。ここまで考えたのは昨日のギャンブルぶり。あれ?そこまで経ってなかった。まあいいや。 ―――近くに寄ってきた所で、やっと、そのいつもより可愛らしいような姿に気づく。 なんともまあ、うーん。エロイ!!!!!!!! 心の中で俺の息子が爆発するのを感じながら、彼の頭から足先までをじっくりと見つめる。ていうか、これ俺があげた服じゃん!神かよ! まず、彼の頭と顔。いつも通りのフェドラ!うわ!100点中1億点です!!!!!花丸どころか花丸畑満開!ついでに俺の頭のお花畑と心の息子のチャックも満開、全開だよ!お前がそんなことするから!!!!!! いつも通り、とは凄くいい。彼の格好ついているボディと顔によく似合っている。…見慣れているからだろうか?いや、それを抜きにしても、彼は人から見て完璧を超越しているだろう。さすが俺の嫁(まだなってない)! うん。で、からの服! 俺があげたやつを着ている!!!もうこれ俺のものって印ついてんだろ!遠隔キスマ!クソ!ガチキスマもつけたい!!!!!!!!!!!可愛らしいデザイン。マフィオソによく似合っている。あいつの威圧的な雰囲気をよく中和していて、正にコレ!って感じだろう。俺の目に狂いはなかったのだ。はい、100億点。 思わず、…いや、いつの間にかと言ったところだろうか。彼の頭を撫でようと手を伸ばしてしまった。 …彼が明らかにその手に気づいている。手遅れ。 その手を誤魔化すように、差し出した手をグッドマークにしてやる。 「お前めっちゃ似合ってるな!意外!!」 「意外とはなんだ。お前が決めた服だろうが。」 「ワリーワリー、似合ってるぜ。スイートハート。」 思わず言ってしまった。まあ、冗談だと思ってくれるだろう。 …いや、強いて言うなら意識して欲しいけど… 「スイー……ッ!?は?…おい。今すぐその馬鹿げた呼び方をやめろ。殺すぞ。」 「キャー!!怖い怖ーい。マフィオソくんの乱暴!!」 「チッ。」 彼がそっぽを向いてしまった。少しからかいすぎただろうか? しかし、ここで点数を取り戻すのが男というもの。 彼の頬に手を伸ばし、こっちを優しく向かせてやる。 「ちょっと、あんま拗ねんなって。可愛い…ぞ…?」 なんと、彼の頬は真っ赤に色づいていた。なんということだろう。ここでチャンス、今日史上最大の大失態。終わった! 「……クソッ!!!!!!!!」 マフィオソがそう、いわば叫ぶように言葉を発しながら、俺を押しのける。 フェドラを深く被り、下を向いてしまう。ああ、彼の綺麗な、愛おしい顔が隠れてしまった。 そして、まるで照れを隠すように。話題を変えるように彼は口を開いた。 「お、…い。行くぞ。デートの続き!!!!」 さっさと終わらせる、などと呟きながら、彼は少し強引に俺の手を引く。 なんと可愛らしいことだろう。スイートハートも間違っていないかもしれない。いや、元から愛おしかったが。 「わ、分かってるって!悪かったよ〜、機嫌直せって!」 素直に着いていくと、やがてはショッピングモールに着いた。 ****** 地味にキリ悪いけど終わる!パート1だから安心しろよな! 今回リクエストだけど楽しかった!!!
コメント
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エロもオッケーだったらかきたい!