私
え?
私
なっなに?霧?
さっきまでの空とは違い、まるで霧(きり)が白で全てを覆(おお)い 隠すかのように辺りは突然真っ白になった。
私
なっなにここ
私
あれ?さっきまでの道は!?
違う世界に来てしまったのかと思うほど歩いても歩いても 一向(いっこう)に霧の外に出れず、 道はさっきまで歩いていたものとは違うものになっていた
?
…
私
あっ!あそこに人がいる
私
よかった…!
私
肌も服も髪も全部真っ白だ!
こんな人初めてみたな~
アルビノだっけ?
こんな人初めてみたな~
アルビノだっけ?
私と同じぐらいだろうか、はたまた年下のような年上のような 独特の雰囲気をもつ少年だった
私
「すみません!」
?
「…」
私
「あの…?」
?
「君はどうしてここにいるの?」(振り返る)
私
「えっ!あっ!えーと…」
彼が振り返った瞬間、私は突然の質問に驚いたが 実際は彼の瞳の色の方が私には印象深かった さっきまでの空と同じように綺麗な水色なのに 彼の瞳には光がない 私はそれがなんだか怖くて身震いした
私
「あはは、道に迷ってしまって…(汗)」
白い少年
「……」
白い少年
「…あっち」
白い少年が指差す方は一見(いっけん)ここと同じ 霧(きり)のように見えるが確かに私がいた道だった
私
「あっありがとうございます!」
白い少年
「さよなら」
私
「え?」
彼の一言と ともに霧(きり)は消えていった。 「さよなら」と言った彼はどこか寂しそうな 何にも期待していないような表情をしていた。
環境音
ぶ~ん(車)
私
よかった、私帰ってこれたの…?
町はガヤガヤと音をたて起きようとしていた。 さっきまでの空とは変わり今の空は、まさに夏のギラギラ感 溢(あふ)れる眩(まぶ)しさを放っていた。
私
あれ?髪濡れてる…ずっと霧の中に
いたからかな?
いたからかな?
夢のような出来事は 現実だと言わんばかりに私の髪にへばりついて 残っていた