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28 - 赤×水_それでも君が良い。

♥

670

2025年05月18日

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そ れ で も 君 が 良 い 。

日が暮れるのが早くなって来た今日この頃。

帰り道に見上げる空には、呆気ないくらい綺麗なグラデーションが広がっていた。

でもそれすら、今の俺にはただ色褪せた景色にしか映らない。

隣には最愛の彼女も居なくて、

いつも左手に感じる温もりはもう冷え切っている。

いや、正直に言えば、数日前までは居た。

ただ、もう俺の隣には戻ってこないかもしれない。

それを考えた瞬間、酷く胸が焼け付く様に痛んだ。

無心で歩く。

君を求め、行く当てなんてあるわけない。

涙を流しながらも、覚束ない足で何処迄も_。

赤_Liu

ぁ" ~ ッッ……つらッ、…笑

水_Hto

赤ちゃん……、別れよッ、?

ほんの、数日前の事だった。

特別でも何でもない週末の夜、2人並んでテレビを眺めていた時。

何気ない沈黙の中で、水が唐突にそう言った。

赤_Liu

………はッ…、?

信じられなかった。

普段なら、そんな冗談を言う様な人じゃない。

でも水は、真っ直ぐ俺を見て、俯いて、震える声で。

水_Hto

……赤ちゃんの事、嫌いになったとかじゃないのッ、

水_Hto

むしろ、好きすぎで苦しいくらい…笑

赤_Liu

じゃあ何でッ、……?

水_Hto

……僕、自分の事駄目だって思っちゃうんだ

水_Hto

隣に居る資格ないって……

意味が分からなかった。

水が自分の事を責めてる理由も、

それを俺に言わずに抱え込んできた事も。

俺はずっと、水しか見てこなくて、水しか愛せないのに。

隣に居る資格ない?そんなの不正解に過ぎない。

水が隣に居る事で、俺はやっと生きている気がしてた。

……俺の隣は、水じゃなきゃ駄目なんだよ…。

赤_Liu

……何でッ、俺に相談してくれなかったの、……

気付いたら声が震えていた。

怒りとか悲しみとかじゃない。

只々、水が離れていく現実が怖くて仕方なかった。

水_Hto

……ごめんっ、

水_Hto

…連絡、もうしない方が良いよね

水_Hto

本当、ごめんねッ………

赤_Liu

ッ、そんな事ッ__……

小さな声と共に、水は玄関へと向かった。

その背中を、俺はただ見つめることしか出来ない。

そんな自分は彼氏失格だし、俺の方が隣に居る資格無いよ。

数時間が過ぎて、俺は部屋で座ったままだった。

呆然と手の中のスマホを見つめていても、水からの通知は何も無い。

赤_Liu

……はぁッ、…

いつもみたいに、元気に笑ってる姿見せてよ。

大きな声で歌って、歌詞間違えを2人で笑って。

そんな何気ない日常が好きだった。

何気ない日常を共に過ごしてくれる、水が大好きだった。

"だった"って言うよりかは、今も何だけどね。

赤_Liu

……愛してるのにッ……、

心の奥に冷たい重みが降り積もっていくのを感じながら、

伝えたくても伝えれない想いを淡々と並べていく。

『好き』とか、『大好き』とか、『愛してる』とか。

毎日伝えてる言葉だけど、今はいつも以上に伝えたくて仕方がない。

結局じっとしていられなくて。

俺は気付けば外に出ていた。

赤く染まる街を、無心で走っていた。

今何処で何をしているのだろうか。

俺の事、どんな風に思ってるのだろうか。

そんな事を考えても、一向に返事なんか返ってくるわけもなく。

__ただ、水を抱きしめたい、それだけの想いで走った。

……ねぇ、今すぐに水に逢いたいよ。

息が上がる。

時計を見ると時刻はもう夜の10時。

人通りの多いビル街に差し掛かると、

不意に、耳に飛び込んできた声があった。

『ちょっとだけで良いからさ、一緒に飲み行こうよ。』

そんな言葉の後に続いて、震えている声が聞こえる。

聞き馴染みのある、安心する声。

赤_Liu

この声ッ、…

視線を向けると、案の定だった。

水が、見知らぬ男に声をかけられている。

逃げようにしても腕を掴まれて離れられない様子だ。

赤_Liu

………ッッ

その瞬間、理性が吹き飛んだ。

赤_Liu

……おい、何俺の彼女に手出してんの?

水_Hto

ぇッ、…?

まさかこんなに低い声が俺から出るとは思ってもいなかった。

男が驚いた顔で振り返る。

何か言おうとしていたけれど、俺の目を見て、何も言わずに立ち去っていった。

俺は一歩近づいて、水の腕をそっと引く。

強引さなんかいらない。

ただ、抱きしめたかった。

赤_Liu

……水、大丈夫、?

水は驚いた顔のまま、小さく頷く。

水_Hto

…赤ちゃんッ……どうして、?

赤_Liu

……水からの連絡、ずっと待ってた

赤_Liu

何度もスマホ見て、でも通知1つなくてッ、……

赤_Liu

…もう、じっとしてられなかったから

想いが溢れて止まらない。

何も考えずに、無心で好きだよって伝えたかった。

赤_Liu

大好きだよ、水

赤_Liu

あの時、ちゃんと止めれなくてごめんッ……

赤_Liu

俺の隣は水じゃなきゃ駄目なの……、

赤_Liu

だから、隣に居る資格無いなんて言わないでよ、ねッ…?

水は俯きながら、肩を震わせていた。

全部本音だからね。

水の事を大好きなのも、愛してるのも、

隣は水しか駄目って事も、全部、全部水に伝えたかった事だよ。

水_Hto

僕も……本当は、ずっと好きなのッ……

水_Hto

でも、倦怠期で自信無くしちゃって……

水_Hto

僕なんかが隣に居て良いのかなって

水_Hto

赤ちゃんは…、会話が少なくなっても優しいし……ッ、

赤_Liu

……どんな事があっても俺に言ってよ

赤_Liu

俺は水を絶対に守るし、水の1番でありたい

言いながら、気付いたら涙が出ていた。

水も、静かに泣いてた。

俺達はその場で抱き合って、只々、時間が過ぎていくのを感じる。

赤_Liu

…俺からもう離れちゃ駄目だよ、?

水_Hto

うんッ、……

赤_Liu

約束ねッ、…

お互いの心臓の音が聞こえる距離で、もう絶対に離さないと誓った。

家の中の空気が、少し前よりも暖かく感じた。

水の温もりが今も胸の中にある。

もう倦怠期なんて言葉で揺らがない。

そう思える程、俺達はまた愛が積み重なっていく気がした。

水_Hto

……赤ちゃん……、大好きだよッ、?

赤_Liu

……うん、俺も

赤_Liu

世界で1番、大好きだよッ……

今日は一段と特別な日になっただろう。

良くも悪くも。

初めて倦怠期を乗り越えた日であり、

水への独占欲を強く感じられた日でもある。

__俺の隣は、水だけで良い。

だから、ずっと俺の側に居てね。

めっちゃアレンジ強めなんですけど、一応ナンパを助けるって言うリクエストです…🥹 ナンパ感全然なくてごめんよ……、😭 まじでリクエストありがと ~ ‼︎ 次の作品も、今貰ってるリクエスト書く予定なので、見てくれると嬉しいです…‼︎

この作品はいかがでしたか?

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コメント

7

ユーザー

えぇ!!ナンパっていうリクエストでこんな、最高なの書ける?! やばすぎ!!凄い!!👏✨ 赤水の愛っていいねぇ(*´ω`*) 見てるだけで癒される(◦ˉ ˘ ˉ◦) 次の話も待ってるね!

ユーザー

え、なんかすごい🙄 なんぱってありきたりな展開ばっかだけどこれは違うッ…!、!(語彙力無) え、うん。 今回は早く見れたかも^_^

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