こちらはすまないスクールの二次創作です。
北尻光様よりリクエストいただきました、銀さんとブルーの気まずいお話になります。イメージに沿ったお話にできているかわかりませんが、お楽しみいただけますと幸いです。それでは。
※作品投稿やアイコンヘッダー等に他の誰かのイラストを使用する際は、そのイラストを描いたご本人に許可をもらった上でお使いください。ネットで検索して出てきたものはフリー画像ではありません。 イラストの作者さんの許可なく使用するのはテラーノベルのルールに違反しているのでおすすめしないです。読者の皆様、投稿者の皆様くれぐれもお気をつけください。
ミスター銀さん
すまないスクールのある日の午後、ミスター銀さんは図書室で本棚を物色していた。得意な建築のスキルを高めるために、度々図書室に訪れてはさまざまな建築資料を集めているのである。
今日はどの資料にしようか。この国の歴史に触れてみるか、それとも見知らぬ外の国の文化建造物を勉強してみようか…などと思考を巡らせながら本棚から数冊抜き取る。
ミスター銀さん
ある程度集めたところで奥の席へ向かう。奥の方が静かで集中しやすい、そう思いながら席に着こうとしたところで先客がいるのに気づいた。
ミスター銀さん
先客─ミスターブルーは数冊の資料を広げているが、完全にテーブルに突っ伏して寝息を立てている。寝落ちしてしまったのだろう。
まあ放課後だし疲れもあるよな、仕方ないレッドでも呼んで迎えに来てもらおう。と思いながら起こさないようにそっと離れようとして─
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルーはテーブルに伏せたままうめき声を上げていた。 悪い夢でも見ているのか、それともどこか具合が悪いのか。ミスター銀さんは慌てて駆け寄りブルーの肩を揺さぶる。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
がばっとブルーが顔を上げる。思わず大声をあげてしまった。これは後で静かにしろと怒られてしまうな…と思いながらブルーの顔を見る。
ブルーの顔色はあまり良くない。額に冷や汗がたらりと一粒流れ落ちた。
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
目元を指摘されてはじめて自分が泣いていることに気付いたのだろう。ブルーは焦るように目元を拭う。
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
慌ただしくテーブルの上を片付けてじゃあなと銀さんに手を振るブルー。泣いていない、と言っても目元は赤く潤んだままだった。
ミスター銀さん
寝言で言っていた父さん母さん、そしてアンティオペという人物。以前かくれんぼの時にブルーが語ってくれた話に出てきた人たちだ。ブルーの実の両親、そしてもう1人の育ての親。
幼少期の夢でも見ていたのだろう。あの日語ってくれたブルーは懐かしそうに笑っていたが、やはりあんな過去があったのだから心細くないはずがない。
ブルーのあの顔を見てしまったからか資料を読む気になれず、結局借りた本を全て本棚に戻して銀さんは帰路につくのだった。
翌日の昼休み。教室はいつものように腹をすかせた生徒たちで賑わっていた。しかし…
ミスター銀さん
現在教室の机で突っ伏しているのはミスター銀さんだ。というのも昨日のことが気にかかってブルーに声をかけようとしたものの、忙しいだの呼ばれているだのを理由に避けられてしまうのだ。その証拠に今さっき声をかけようとして逃げられてしまった。
そんな銀さんを「喧嘩でもしたのか?」と訝しげに眺める生徒たち。 銀さんは自分は何かしてしまったのかと頭を抱える。要因は間違いなく昨日のことだろうが、いくらなんでも泣きっ面一つでここまで避けられるものなのか。
余計なお世話と呼ばれるだろうが、元より根っから優しさで出来ているこの男には放っておくことが出来ないのだ。
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターレッド
昨日のことを話していいのか一瞬悩んだが、 相手はブルーの兄であるレッドだから、むしろ話した方がいいだろう。そう思いミスター銀さんは昨日のことをレッドに説明した。
話を聞き終えたレッドは驚くでもなく、弟の様子に思うところがあったらしく、納得したように頷く。
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターレッド
レッドも同じような境遇で育ったからわかるのだろう。レッド曰く、あの日から更にのめり込むようにブルーは古代遺跡や故郷についての資料を集めたり、インターネットで検索をかけたりしているらしい。
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターレッド
その日の放課後、ミスター銀さんはレッドに言われた通り図書室に訪れた。奥の席に向かうと、案の定ブルーは資料を広げて席に張り付いていた。
銀さんは静かにブルーの元に歩み寄り、横から声をかける。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
予想以上に驚かれるあまり、ミスター銀さんもつられて大声を上げてしまった。図書室を管理している村人さんに「図書室では静かにしてください!」と注意をされてしまった。二人で謝りながらもう一度席に着く。
ミスターブルー
ミスター銀さん
いざ話そうとすると、どうにも言葉が詰まってしまう。ブルーも気まずいのか話題に出そうとすれば逃げられてしまうから。しかしいつまでもギスギスしているわけにはいかないと意を決して口を開く。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスター銀さん
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスター銀さん
ブルーは銀さんの話を黙って聞いていた。終始穏やかな眼差しで語る銀さんの顔をじっと見つめていた。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
銀さんの話につられて、ブルーもぽつりぽつりと語り出す。 思い出話から始まったブルーの表情は朗らかだったが、語るにつれて徐々に陰りを増してゆく。
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルーの頬に雫が伝う。ブルーの目には涙が滲み、瞬きをするごとにまた一雫と流れ落ちた。つられて銀さんも涙ぐむが、堪えてブルーの話に相槌を打つ。
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
両親に会いたい。二人で顔を見合わせて笑みを作る。二人とも涙で目元が少し赤くなっていた。 不意に後ろから声をかけられて、振り返ると管理人の村人さんが立っていた。手にはグラスを乗せたお盆を抱えている。
村人
ミスターブルー
村人
ミスター銀さん
村人
そう言って村人さんは飲み物を置いてフゥーンと席を離れていった。気を利かせてくれたようだ。
ありがたいと思いながらアイスティーをいただく。冷たくて美味しい。少し熱った身体に染み渡るようだ。
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスター銀さん
二人は慌ててアイスティーを飲み干し、借りていた資料を片付ける。管理人さんにお礼を言って図書室を飛び出した。
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスター銀さん
ここまで読んでくださりありがとうございました!
コメント
29件
凄すぎます!! 感動的なお話しありがとうございました♪
すごい、、、感動で泣いてしまいました😭 枕が濡れてしまう💦 神作ありがとうございます😊
凄くいい話です!!感動しました!