武道
武道
何度目かのタイムリープ、 最早数えるのも億劫に なるほど繰り返して来た。
その影響か、俺は今までとは 全く知らない場所にいた。
煌びやかなネオン そこかしこにいるキャッチの男 露出の激しいドレスを着た女 酔い過ぎたのか蹲る人…
確実に自分が今まで過ごした あの場所ではない事が分かった
武道
人混みを避けるように 路地裏に入り込む。
変な輩にからまれるのだけは 絶対嫌だ
武道
ふと、路地裏の先に視線を やると、人影が見えた。
どうやら2人組、 薄暗くて分からないが 子供の様だ。
三つ編みの少年?
眼鏡の少年
建物の外壁に寄り掛かる 2人組は、どうやら 怪我をしてるらしい。
…人を見た目で判断するなと よく言うが、明らかに普通の 学生では無いのがよく分かる。
怪我も恐らく 喧嘩によるものだろう
関わるべきでは、ないんだろう
武道
…声を掛けて、無視されたら そのまま立ち去ろう。 うん、そうしよう。
そうと決まれば、 俺は2人組に近付いた。
武道
三つ編みの少年?
眼鏡の少年
予想通り、凄まれた。 俺より年下のはずなのに オーラとか気迫とかが めちゃくちゃ凄い。
負けじと強気に出る様努める
武道
三つ編みの少年?
武道
眼鏡の少年
怪我の功名と言うのか、 最近は絆創膏やら消毒液を 持ち歩く様になっていた (千冬には女子かよと言われた)
消毒液を手渡そうとして、 ふと2人組の両手を見た。
身体も怪我しているが、 手の怪我もなかなかだ。 殴って殴り返しての 応酬の痕が、痛々しい。
なんとなく、このまま 本人にやらせるのが 忍びなくなった
武道
三つ編みの少年?
消毒液を浸したガーゼを 三つ編みの少年の頬に当てる。 パッと見は 女の子かと思ったけど、 近くだと男の子なのが分かった
必要以上の痛みを出さない様、 細心の注意を払う。 …今更だけどこの2人、 めちゃくちゃ顔が良いな
三つ編みの少年?
眼鏡の少年
俺の行動に呆れたのか、 剥き出しだった警戒心が なくなっていくのが、 触れた頬から伝わった。
今のうちに、と 俺も急いで2人の怪我の手当を 進める。
…
武道
三つ編みの少年?
眼鏡の少年
絆創膏をフル活用をして、 不格好だが どうにか手当する事が出来た
…2人共、終始無言だったけど
武道
すっかり忘れてたけど、 早くここから離れないと… とりあえず駅前まで行けば…
武道
眼鏡の少年
走り去ろうとしたら、 眼鏡の少年に呼び止められた。 一瞬、殴られるかと身構えたが どうやら違う事は、少年の思案する顔を見て分かった。
眼鏡の少年
武道
眼鏡の少年
…どうやら、俺の名前を 知りたかった様だ。 …一瞬、迷った。
無闇矢鱈と自分の名前を、 ましてや明らかに 普通の学生ではない人間に ホイホイ教えては、 ヤバいんじゃないかと
…いやでもそうそう 再会するとも考えられない。 少なくとも俺はこんな 煌びやかなネオン街なんて 普段は絶対に行かないし
…色々迷って、下の名前だけを 教えることにした。
武道
眼鏡の少年
三つ編みの少年?
武道
俺は逃げる様に その場を走り去った
…背中に、 強烈な視線を感じたが、 振り返る事はしなかった。
…癖が強めの金髪が 走り去って行くのを 黙って見送る。
あの程度の速度なら すぐ追いつけるが、 あえてしなかった。
弟も同じ考えなのか、 黙っていた。
竜胆
蘭
頬に貼られた絆創膏に、 そっと触れる。
そんなはずないのに、 まださっきの奴の 暖かな体温が宿っている様な そんな気がした。
竜胆
蘭
竜胆
蘭
同じ様に自身に貼られた 絆創膏を撫でてる弟を横目に、 さっきの出来事を思い返す。
くせっ毛の金髪、明るい声色、 優しげな手付き、温かな体温、 何より慈愛に満ちた、青い目。
蘭
自分の中に生まれた、 未知の感情を理解しようと 名前を何度も、反芻した。
コメント
5件
最高0(:3 _ )~ 会えるといいなぁ 続きあるのかなぁ.....
すごい灰谷が可愛かった、、、 フォロー失礼します