青葉
…っ、
私は自分の部屋の、ベランダへと出る。
ここは三階だから、落ちても幸い助かるくらいの高さ。
青葉
…うぅっ、
今日は、すごくいい日だった。
ジャックが…ううん、敵の人が私を見てくれていた。
表では、媚びを売っている何もしない瑠璃子ちゃん。
裏では、我慢しながらも頑張っている私。
そんな、私を見てくれる人がいたことに嬉しくて____…
でも、やっぱり…精神的苦痛は消えない。
青葉
苦しいよ…っ、
助けの手を伸ばしても、誰もその手をとろうとしてくれない。
…いや。見ようとすらしてくれないんだ。
青葉
…ここから、落ちて、
もしも、“死ねるのなら”。
私は、幸せになれる?
楽になれる___?
青葉
…っや、ダメだ…
昔は、みんな手伝ってくれていた。
その頃はあまり負担がなくて、今にとっては楽なものだった。
でも、こうやって日本代表に選ばれた以上、練習は当たり前にキツい。
だから、みんなクタクタ。
…手伝わせることなんかできないじゃないか。
青葉
…何したらいいの…っ、
もし。私が洗濯畳んだら。
ご飯を作ったら。飲み物を作ったら。
みんなは、
「ありがとう」
「よく頑張ったな」
「上手だな」
言ってくれますか?
?
苦しいでしょ?
?
悲しいでしょ?
?
解放されたいんでしょ?
?
だったら…
「とっとと死ねよ」
そんな、悪魔の囁きが聞こえる。
青葉
…っ
そして、気付くと
青葉
…え?
空中にいたんだ。
_________そして。
青葉
…だッ‼︎
頭を地面に強く打ち、意識を手放した。
顔に当たる雨の一雫は、目から頰に伝っていく。
…まるで、泣いているように。
…これで、いいんだ…