いちご
いちご
いちご
屋根裏部屋に行く
いちご
いちご
長いから、見なくてもいいよ︎✩
私は夢日記を書くのが日課だ。 夢日記というのはその日見た夢を日記として書くことだ。 それを続けると夢を現実として認識できるようになるだとか、 現実と夢の境目が分からなくなって危険だとかなんて語られるけど、実際そんなことはない。少なくとも私は。 むしろそうやってやることは精神療法になるなんて言う人だっている。 まあそれは多分継続的になにかを続けること全般に対して言えることなんだろうけど。 ともあれ私はなんとなく楽しいから続けていただけだ。 それを読み返すと過去の思い出が増えたような気分になるのだ。 言ってしまえば記憶も夢も、過去になった時点で大差無い、確かに在った出来事だと言えるのだから。 だが意外と書くのは難しい。夢というのはものすごい早さで記憶から消えていくのだ。 文字を書いている間でさえどんどんと何があったか思い出せなくなっていく。 文章を書くにも出来るだけ短くしなければならない。 プロのインタビュアーなんかは文字じゃなくて、 造形が極めて簡単な独自の記号でインタビューしたことを全てメモするらしいけど、 あいにく私にはそんなことはできない。 なので夢日記も結構ミスする。的確にメモするのも中々難しいのだ。 そんなで夢日記をつけているのだが最近はやたらと悪夢が多い。 しかも感覚がリアルなのだ。 死ぬことはもちろん、死なずに延々と苦しむこともある。 死ぬと夢から覚めてハッとするけど、覚める直前までは確かに現実のように感覚がある。 痛い。苦しい。そういうものばかり。 お陰で最近は寝ることが怖い。すごく怖い。 寝る度に文字通り死ぬような痛みを味わっているのだから。 それでも夢日記をつけることはやめないのは偉いと思う。 いや、苦しみを味わっても目が覚める度にそれがリセットされるというそれこそが、 夢日記をつけようという動機なのかもしれない。 もしかしたらいつか本当に死ぬかもしれないのだから。 そして、こうも悪夢ばかり見るようになった心当たりは一つだけある。 あの薬だ。 メアノール錠、 その薬はお医者さんから処方されたものではなく私が勝手に買った抗鬱剤だ。 私は鬱なのだ。元々は病院で処方される薬を飲んだりしていたがまるで効果がない。 カウンセリングなんかも受けたことがあるけどはなから信用していない。 そうこうしてるうちに案の定処方された薬も飲まなくなり、外に出る気力もなくなった。 まず部屋から出ること自体が大きな大きな関門なのだ。 ご飯も食べなくなって倒れたり吐いたりした。 吐いても何もでないのに何を吐いたんだろうか。ウケる。 そんなある日幸か不幸か、インターネットでとある抗鬱剤を見つけた。 正確にいうと探していたわけでもなく、 挑戦する気もない自殺方法を調べていたらお節介なことに載せられていたページで目に入ったのだ。 (死にたい人を引き止めるのは本当に幸せなんだろうかとも思うが。) 主作用は著しい抗鬱効果、気分の高揚、そして鬱自体の改善、栄養の調整、効力も極めて長いと至れり尽くせりらしい。 ただそれよりも私はその副作用に惹かれた。 「死に至る程の強い悪夢」 と書かれていた。 本当に死に至るのかは胡散臭すぎるが、 主作用が回復、副作用が死とは自殺志願者ならどっちに転んでもメリットがある。 それに私自身夢日記をつけていたため悪夢を見るのも割と楽しかった。 更に言うなら、副作用に悪夢という薬は意外と存在する。 実際薬のせいで悪夢を見るのか、関係なく悪夢を見ているのかはわからないのが現状で、 正直大したことはないらしいのだ。 内心信じていなかったのだ。 今思えばこれは舐めすぎだった。 使用量をよく読まずに大量に飲んでしまったのだ。 ODなんて前もしたことがあるしという軽い気持ちで服用したのは自分だが。 よく考えれば自殺サイトに載ってるんだから、これは元々「それ」専用だったのかもしれないし、 「それ」を覚悟できてる人が服用するものだったのかもしれない。 少なくともマジだ。 これは地獄のような悪夢を見る。夢の中で私は何度も何度も死ぬのだ。 それも現実と全く同じリアルな痛みで。 往来にして薬による自殺は苦しいらしいが、 それに意図せずして挑戦してしまうとはなんて愚か。 ああ死にたい。いや、死んでるのか。ああ、ああ。 自殺したいと言ってはいたけど、こんなに苦しいのが嫌なのは確かだ。 そしてこれが困ったことに薬のお陰で目が覚めている間は気分が良い。 腹が立ちそうなくらい気分が晴れやか。 お陰でこうして文章を書くことさえできているのは偉い。 ただ、これは罠だと気付いた。 実際は「主作用が死で、副作用で生きたくなる」というものなのではとないかと。 所詮夢の中で死ぬだけなら大したことないと思うかもしれないが、 その夢の中は現実で受けるのと同じ苦しみを味わう。 「死に至る程の悪夢」が指すのは、てっきり夢の中での死だと思っていたが、 夢の中での感覚がリアルだと脳がショック死するなんて噂を聞いたことがあるし、 もしかしたら現実の死を指してるのかもしれない。 だとしたら多分それが原因で私は現実でも死ぬんだ。 むしろ今なぜ生還しているのかの方が不思議な程だ。 それほど感覚がリアルなのだ。 ただ、夢にしろ現実にしろ、どちらもあまり変わりないのかもしれない。 だって、私自身は何度も苦しんで死んでいる感覚は確かなのだ。 槍を身体中に突き刺すような痛み、天井に押し潰される痛み、水に溺れ酸素を求める苦しみ、 それは夢の中でも私にとっては全て本物。 私に残された道は一つ、効果が切れるまで耐えるしかない。 もう服用してから数日近く経ったがまだ切れない。 どれくらい長いかわからないし、それまで何度も死なねばならない。 だがそれしか道はないのだ。こんな愚か者に課せられた罰なのか。 もし現実でも死んだらきっと外傷はないであろう私がどうして死んだか、 その経緯が分かるようここに現実の日記と夢日記を書き残しておく。 おやすみなさい。
いちご
いちご
ビーンポーン
店員さん
いちご
いちご
今は、朝の、10時ということにしてね
いちご
いちご
夢の中、、、
いちご
いちご
いちご
いちご
いちご
いちご
いちご
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