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# . 天 使
4
玉葱三太郎
299
人@羊依存症@イラコン開催中
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見知らぬ男性の怒声が響き渡るとともに、悪の手が結莉からやっと離れた。
涙をぬぐいつつ振り返ると、金髪ツーブロックヘアーの超怖そうだけど、色気のあるカッコいい男性が、気の弱そうなメガネをかけたサラリーマン風のおじさんの手首をひねり上げていた。
結莉
結莉は、このイケメン男性の親切を無駄にするものかと勇気を振り絞り叫んだ。
痴漢
繰り返す痴漢の手をずっとその助けてくれた男性は離さず居た。
誰かが駅に電話でも掛けたのだろうか、駅員が混雑する車内の乗客を、かき分け、かき分け、結莉のもとへやって来た。
結莉と、痴漢と、助けたヒーローの所はぽっかりと穴が開いたように3人だけまとまり、人々が電車の隅へ寄って行っている。
駅員が、しょんぼりとバツが悪そうにしている痴漢を捕らえたし、その痴漢は項垂れ気弱に謝り続けている。金髪の男性はやっと痴漢の手を掴んでいた手を離した。
駅員
結莉
駅員
すると、その金髪の男性が言った。
羽矢斗
加害者は周りから好奇の目にさらされ項垂れたままだ。
もうすぐ隣駅に到着する。
駅員
結莉は、クリニックへ行くのを午後にしようと決め、駅員の言葉に従うこととした。
次に駅員は、助けてくれた金髪の素敵な男性にも問うた。
駅員
羽矢斗
すぐに次の駅に到着し、痴漢と共に、結莉とヒーローの男性もホームに降りた。 警察官は既に待ち構えていた。
金髪の男性は、カジュアルに黒いスーツを着こなしている。カッターシャツは薄桃色でさりげなくおしゃれだ。年齢は30代かな?
結莉
こんな大変な時に、そのお兄さんに対して結莉の目はハートになっていた。
のんきな女だ。だから人から好かれるのかも知れぬが。
話は駅の事務室で、順番に被害者である結莉・助けたお兄さん・加害者、と個別に訊かれた。
結莉は被害届を出すことに決めたので、先ずは警察へ行く必要がある。
警察官が、3人全員の話を聴き終わってから、結莉は警察へ行くように話された。無論、加害者も連れて行かれるし、参考人としてお兄さんも行く必要がある。
警察官が無線でなにやらしゃべっている音を聴いたり、警察官に囲まれている加害者の横顔を見た瞬間、先ほどまで感じ得なかったじわじわと真綿で首を絞められるような恐怖が結莉を襲い始めた。
その様子に警察官より先に気づいた、金髪男性は
羽矢斗
と即座に結莉に声をかけた。
結莉
返事はしたものの、こらえきれず涙が出てきた。
警察官が
警察官
と訊いて来た。
結莉は、先延ばしになるほうが悪いことが起こりそうだという、なにか迷信じみた恐ろしさを感じ
結莉
と答えた。
結莉や警察官から少し離れた場所で金髪男性が電話を掛けていた。おそらく仕事を休むか遅れる、と職場へ伝えたのであろう。
先に加害者は別の警察官に連れて行かれた。
警察官
結莉
非常事態にまたまた結莉の抜け作な所が顔を出す。 しかし、もちろん警察官には即答した。
結莉
金髪の紳士も
羽矢斗
と答えた。
結莉と、戸川という助けてくれた男性はパトカーの後部座席に乗り込み警察署へ向かった。
緊張と、やはり、痴漢に遭った波のように押し寄せて来る怖さで結莉は泣きそうだ。
戸川は結莉のその気配を感じ取ったのだろうか、さらに神妙で苦しげな表情をし、結莉の隣に座っていた。
警察に到着し、再び1人ずつの事情聴取。
警察を出る頃にはもう、結莉はすっかりくたびれ果てていた。
結莉
警察から最寄り駅までは歩いて10分ぐらいで助かった。
玄関を出、伸びをしつつ外の空気を「うーん」と吸い込んだ結莉。さっきまで窮屈な部屋で警察官と話をしていたので、余計に空の美しさが清々しく気持ち良い。
それにしても、さっきの今で……電車が怖い結莉。
結莉
空を仰いでいた結莉の顔は次第に下を向いた。
結莉
羽矢斗
結莉のもとへ、戸川がやって来た。助けてくれたイケメンだ。 そして彼は付け加えた。
羽矢斗
胸ポケットから名刺を差し出した戸川。 両手で受け取る結莉。
社名にキョトンとする結莉。『株式会社うちわ金魚』
結莉
結莉
さっきまで曇り空だった結莉の表情が日向のように笑顔になった。
羽矢斗
結莉
結莉は真顔でペコリとお辞儀をした。艶やかなポニーテールも一緒に垂れた。
羽矢斗
戸川は苦々しい表情となった。
結莉
優しい戸川の声掛けに、素直な自分が出てしまう結莉。眉間にしわが寄り、涙目だ。
羽矢斗
羽矢斗
結莉は彼から発せられる誠実な言動と優しさにボロボロ涙をこぼした。
結莉
娘の皐月に迎えに来てもらおうにも、まだ帰宅していない時間帯だろうし、わが子にこの狼狽を見せるのは忍びない気分だった。
羽矢斗
結莉
羽矢斗
全く下心を感じさせない、朗らかな物言いで結莉は嬉しくなった。……超カッコいい男性だし、それに名前まで教えてくださった。
結莉
そう、彼は結莉にとってドストライクだったわけだ。
コメント
1件
第3話読みました〜!😭💕 痴漢から助けてくれた戸川さんが最高にかっこよくて、心配でたまらなかった結莉さんへの優しさに胸がきゅんきゅんした…! 警察での緊張とか恐怖がすごくリアルで、でも「うちわ金魚」って社名でちょっと和んだり、結莉さんの抜け作なところも可愛くて。トラウマになりそうな出来事の中で、ちゃんと優しさに救われる展開が沁みました🌸 2人のこの後の距離が気になりすぎる!