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私の名は莉愛、15歳。 艶やかな黒髪は腰まで届き、雪の様に 白い肌と、自分でも少し自惚れて しまう程整った顔立ちから クラスメイト達は私の事を「歩く日本人形」 と呼ぶ。 そんな私には、大切な彼氏が居る。
彼の名前は「万次郎」 学校では名の知れた存在で、彼が暴走族の 総長だと言う噂も耳にする。
そのせいか、彼に対して畏怖の念を抱いている生徒は少なくない。 確かに仲間達と居る時の万次郎は 鋭い眼光と近寄りがたい雰囲気を纏っていて 少し怖いと感じる事もある。
けれど私と2人きりの時の万次郎は そんな素振りは微塵も見せない。 校門前で待ち合わせをして、一緒に 帰る時も私の歩幅に合わせてゆっくりと 隣を歩いてくれる。
そしてふとした瞬間に見せる笑顔は 他の誰にも見せない特別なものだと 私は知っている。 不意に
マイキー(万次郎)
こうやって頭を撫でてくれる時、その手が私には何より優しく感じられる。
周囲の友人達は、どうして 私が万次郎と付き合っているのか 不思議に思う様だ。
芽依(友達)
花鈴
と言う心配してくれる言葉も沢山 貰った。 でも彼女らは本当の万次郎を知らないだけ。
私だけが知っている万次郎の優しさ 不器用なりの気遣い そして時折見せる寂しげな瞳。 それら全てが私にとってはなにより 愛おしい。
今日も夕焼けに染まる帰り道。 万次郎は何も言わずに私の鞄を持ってくれた。
繋いだ手の暖かさが、私の心に じんわりと広がって行く。 周りが何と言おうと、この温もりだけが真実 だと、私は固く信じている。
to be continued…