すみれ
何気なく、 口から出たその言葉を 頭の中で反芻する。
学校からの帰り道、 身近であるような、ないような “理不尽” という言葉について考えを巡らす。
これは私の癖だ。
昨日の題材はたしか “赤ずきん” だったっけ。
話がそれそうになったけど、
皆さんはどんな時に “理不尽” という言葉を使うだろうか。
日本国語大辞典によると、 「どうりをつくさないこと。 また、筋道の通らないこと」 とある。
道理?筋道? むずかしい言葉が並んでいる…。
あなたなりの答えは出ただろうか。
私は、 自販機から900円のお釣りが、 硬貨9枚で支払われたときに それを強く感じる、と思う。
え?共感できない?
そんなこと言ったって しょうがないじゃないか。
上司に怒られたり、
的外れなクレームに対応をしたり、
そのような経験は私には無いのだ。
私は、 比較的、幸せだと思う。
しかし、 理不尽に感じないこともある。
例えば、 飲食店での会計時、
可愛らしい店員さんが 申し訳なさそうに、 「500円玉切らしてて…」 と言いながら、 100円玉9枚を渡してきたら、
私は、そこまで 理不尽に感じないだろう。
相手が自販機だと イラッとくるが。
つまるところ、その差異は 「私と相手の感情の距離」 により生じるのではと、
私はそう仮説を立てた。
どういうことかというと…
グサ…
すみれ
ポタポタ
海斗
海斗
海斗
海斗
海斗
ゆらぐ視界に動揺もせず、
すみれ
私の頭は回転し続けた。
すみれ
すみれ
“これは理不尽では無い。”
薄れゆく意識の中、
私の脳は、
そう結論づけた。
最後まで読んでいただき、 ありがとうございました!
前作よりも 直接的に怖さを伝えようとしました。 伝わりましたでしょうか笑 人間的なホラー?が私大好きで! 今後もそういったものを書こうと 思っています。 また読んでいただけると、 幸いです!
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