私はストレッチャーに乗せられ、 ぐらつく地面の上を運ばれていく
空は灰色に濁り太陽の光は どこにも見えなかった。
『星に移動する』なんて まるで夢の中のようだった
でもこれは現実だ
地球はもう限界だった。
異常気象、地殻の不安定化 そして未噌有の地震
専門家も『もはや終末は時間の問題』と警告していた
そして今、隕石が この地球に落ちてこようとしている
とどめを刺すには十分すぎる
郵送のポッドに乗る前 私は最後に地面を見た
かつて暮らしていた町も家も すべてが泥と瓦礫に埋もれていた
名前も形も記憶だけ残して。
救急隊
救急隊
救急隊の人が私に聞いた
水ト 富羽
救急隊の人は無言で頷き、何かの端末に入力すると私の手を握ってくれた
救急隊
救急隊
ポッドのドアが閉まり、 無重力の感覚が体を包み込む
遠ざかる地球を小さな窓から 見つめながら私はかすかに祈った
どうかあの空の向こうに まだ未来がありますように
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!