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数日後。
黄は、 少しだけ話せるようになっていた。 でも。
笑わなくなった。
それは回復ではなく。 ”笑う余裕すらなくなった” だけだった。
窓の外を見る。
ぼんやり。 何時間も。
水
水が隣に座る。
ジュースを置いた。
水
黄は小さく頷く。
沈黙。 でも。
水は無理に話さない。
しばらくして。 ぽつりと、 黄が呟いた。
黄
水の手が止まる。
本当は、 まだ知らせたくなかった。
加害者のことも。 教師のことも。 全部。 でも。
隠すのも違う気がした。
水
水
黄
黄の顔色が変わる。 呼吸が浅くなる。
水
水
黄は俯く。
怖い。 怖い。 まただ。 また、 自分のせいで。
黄
震える声。
水は即座に否定した。
水
黄
水
黄が目を見開く。
水は笑わなかった。 真っ直ぐ、 黄を見る。
水
黄の目から、 静かに涙が落ちた。
学校側は、 最初は揉み消そうとした。
「生徒間のトラブル」 「少し悪ふざけが過ぎた」 そんな言葉で。
でも。 水達が出した証拠は、 あまりにも多かった。
暴言。 暴行。 教師の黙認。 全部。
逃げられないくらい。
保護者会は荒れた。
加害者側は、 最初は言い訳をした。
「冗談だった」 「ここまでなると思わなかった」
赫は、 その言葉を聞いて拳を握った。
”ここまで” どこまでだよ。 死ぬ寸前だぞ。
一方で。 黄自身は、 どんどん不安定になっていた。
夜。
突然泣き出す。 人の足音に怯える。 大きな声で震える。
ある日。 看護師が点滴を変えようとした時。
腕を掴まれた瞬間。 黄が激しく震えた。
黄
息が乱れる。 目に恐怖が浮かぶ。
看護師が慌てる。
看護師
桃たちは、 それを見てしまった。
黄の中で、 ”触れられる”こと自体が、 恐怖になっていた。
赫は、 病室を出たあと壁を殴った。
赫
血が滲む。 でも止まらない。
守れなかった。 あんなになるまで。
紫
でも。 紫だって同じだった。
苦しかった。 悔しかった。
その日の夜。 黄は珍しく、 自分から話し始めた。
黄
黄
黄はシーツを握る。
黄
黄
空気が凍る。 黄は、 静かに笑った。
黄
黄
黄
涙が溢れる。
黄
黄
桃が泣きそうになる。 黄は、 本当に限界だったんだ。
黄
また謝る。 すると。
今まで黙っていた緑が、 口を開いた。
緑
緑
緑
静かな声。 優しい声。 黄の瞳が揺れる。
緑
緑
黄は、 何も言えなかった。 ただ。 静かに泣いた。
子供みたいに。 声も出さずに。 ずっと。
ずっと一人で耐えてきた涙を、 全部流すみたいに。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。 読ませていただきました…。 「笑う余裕すらなくなった」って一文、胸に刺さりました。黄ちゃんが「まだ生きてる」って朝思うのが苦しいって告白したところ、もう本当に切なくて。でも緑ちゃんの「苦しいまま生きるのが限界なだけ」っていう言葉が、すごく優しくて…。あの言葉、黄ちゃんの心にちゃんと届いたんじゃないかなって思います。一人でずっと耐えてきた涙を流せたこと、良かったって心から思いました🥀