テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜。 署の廊下は、人が減ると急に広く感じる。
道枝駿佑
デスクに戻った道枝は、無意識にスマホを確認した。 長尾からの連絡は、ない
道枝駿佑
それでも、気にしてしまう。 心配してしまう
同僚
道枝駿佑
差し出されたのは、解析途中のデータ。
同僚
道枝駿佑
同僚
同僚は言いにくそうに続けた
同僚
道枝の胸が、ざわついた
スマホが静かに震えた
長尾謙杜
画面に表示されたのは、知らない番号
【匿名メッセージ】 「全て知っている」 「お前が来なければ、次は警察だ」
長尾は息を止めた
長尾謙杜
予感は、的中していた。 これは、偶然じゃない
長尾謙杜
位置情報。 行動。 関係。
全て、把握されている
深夜。 道枝の部屋。
道枝駿佑
ソファには長尾の姿はなかった
キッチンも、寝室も
道枝駿佑
胸の奥に嫌な感覚が広がる
その時スマホが震えた
道枝駿佑
画面に表示された名前に、息が詰まる
【道枝】 「長尾?」 【長尾】 『……みっちー』
少し、声が遠い
【道枝】 「今どこ?」 【長尾】 『仕事、終わりそう』 【道枝】 「……ほんまに?」
一瞬の沈黙。
【長尾】 『心配しすぎやって』
いつもの優しい声。 でも、どこか違う。
嘘をつく。また
長尾謙杜
でも、言えない。 いえば、絶対に止められる。
【長尾】 「みっちー」 【道枝】 「なに?」 【長尾】 「俺のこと……信じてる?」
その問いに、道枝はすぐ答えられなかった。
長尾謙杜
疑われてもいい。 嫌われてもいい。
守れるなら。
電話を切ったあと。 道枝は、スマホを握りしめたまま立ち尽くしていた。
道枝駿佑
答えられなかった自分が、許せない
その時。 別の通知が、静かに届いた。
【匿名メッセージ】 「恋人はひとりで来る」
道枝駿佑
血の気が引く。
道枝駿佑
位置情報。 ごく短い間だけ、共有された座標。
すぐに、消えた
道枝は上着を持って立ち上がった。
道枝駿佑
証拠は、ない 令状も、ない
それでも。
道枝駿佑
警察官としては、最悪の判断。 でも、恋人としては―― これ以外、選べなかった
指定された場所は、人気のないエリアだった
長尾謙杜
足を止める。 周囲を見回す。
長尾謙杜