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「私が、私が欲しかったのはそんな言葉じゃない」 女は面倒臭い。 元カレ、元男友達から浴びせられた其の言葉の意味が、今なら理解できる気がした。 リスカ痕がないと安心できない体になっていた私は、今日もまた「リスカしなきゃ」とバカなことを考えていた。 カミソリを持ち、刃を手首に向ける。 手首に刃の部分を置いた時、突然後ろから声がした。 「それ、もうするのやめて」 流石特級呪術師と言うところだろうか、気配が感じられなかった。 汗をダラダラと流しながら、壊れたブリキ人形のように後ろへ振り返る。 そこには冷たい目でこちらを見ている彼氏、憂太くんがいた。 「ど、どうしたの?私、わたし別に何もしてない」 「そうだね、なーんもしてない。でもしようとしてたよね。どうしてそんなことするのかな。」 彼の言う事は的確だった。 ただ、私が求めていたのはこの言葉じゃなかった。 大丈夫だよって、よく頑張ったねって言って欲しかった 「私が、私が欲しかったのはそんな言葉じゃない。」