テンペストの中央広場に、巨大な黒いピラミッド型の建物が完成した。それが、そらちゃんとジェジェの最新作「テンペスト・マジック・シアター」だ。
ギィ
「おい、そら! 俺を招待したからには、退屈なものは見せないんだろうな?」

ミリム
「なのだー! 私も楽しみなのだ!」

ミリムがハチミツ味のポップコーンを抱えて飛び跳ね、さらにはルミナスやラミリスまでもが「何事か」と顔を出している。
ジェジェ
《 報告。全魔王の着席を確認。……そら様、会場内の魔素圧が異常に高いですが、私の『結界』でポップコーンが弾け飛ぶのを防いでおります。準備は万全です 》

そら
「さすがジェジェ。……よし、上映開始!」

そらちゃんの合図で、館内が暗転する。
スクリーンに映し出されたのは、ジェジェが超解像度で編集した**『銀髪の魔王そらの軌跡 〜最強の相棒と共に〜』**。
ド迫力の音響(ジェジェの風魔法)と、座席の振動(ジェジェの土魔法)を駆使した、現代の4DX顔負けの映像体験だ。
ギィ
「お、おい……あいつ(クレイマン)が消されるシーン、スローモーションで流すなんて悪趣味だな……嫌いじゃないぜ」

ミリム
「そら、かっこいいのだー! 私との戦いも映してほしいのだ!」

ミリムが大興奮で立ち上がるが、そのたびにポップコーンが会場を舞う。
ジェジェ
《 告。ミリム・ナーヴァ様の興奮による魔素の暴走を確認。……空間操作でポップコーンをすべて回収し、彼女の口に強制送還(テレポート)しました 》

映画が終わると、会場は割れんばかりの拍手……ではなく、あまりの衝撃に静まり返っていた。
ルミナス
「……そら、これをお前の街だけで独占するのは不公平だぞ。我が国にもこの『箱』を作れ」

ラミリス
「いやいや、私の迷宮の中に作るのが先なのだ!」

ジェジェ
《 予測。……そら様。これは、各国の魔王による『映画館誘致戦争』に発展する可能性が高いです。ですが、独占ライセンスを売れば、テンペストの予算は今後100年分は安泰です 》

そら
「ふふ、ドタバタになっちゃったけど、みんな楽しんでくれたみたい。……ねえ、ジェジェ。次はどんな映画を作ろうか?」

ジェジェ
《 提案。次は、そら様が主役の『恋愛コメディ』……相手役はもちろん、私が務めるというのはいかがでしょうか? 》

そら
「……えっ!? ジェジェ、それはちょっと……!」

魔王たちの騒ぎをよそに、そらちゃんはジェジェの意外な提案に顔を真っ赤にするのだった。