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麗音

よろしくな

椿

……え、?

椿

れ、麗音、?

麗音

麗音

そうだけど………

麗音

どうかしたか?

椿

あ、い、いえ………

椿

(麗音って………)

椿

(真琴先輩の親友………だよね、)

椿

(なんでこの学校に………)

椿

……あ、あの!

椿

1つ聞いてもいいですか、?………

麗音

ん?

麗音

なんだ?

椿

あ、あんまり見たことない顔ですけど………

椿

前からこの学校にいましたか、?

麗音

あぁ、俺今日この学校に転校して来たんだ

麗音

見たことない顔なのは当たり前

椿

あ、そ、そうなんですか、

麗音

それより、お前の名前は?

椿

あ、僕は赤野椿です、

麗音

椿か!

麗音

よろしくな!ニコッ

椿

は、はい、

千華先生

………あ、椿君!

椿

あ、千華先生、!!

千華先生

荷物運んでくれてありがとうね

椿

い、いえ………

椿

橘さんが運んでくれて………

千華先生

橘さん?

千華先生

あぁ、転校生の橘麗音君

千華先生

どうしてこんなところに?

千華先生

1時間目はこの学校の案内のはずだけど……

麗音

いや~、ちょっと色々あって

千華先生

もう………

千華先生

案内役は確か………風紀委員の副委員長だったような……

千華先生

その子の所まで連れて行くね

椿

え!?

椿

あ、案内役………

椿

風紀委員の副委員長何ですか!?

千華先生

千華先生

そうだけど………

千華先生

それがどうかしたの?

椿

いや、えっと………

椿

(もし仮にこの橘さんが、真琴先輩の言う「麗音」って人なら………)

椿

(会ったりしたらマズイんじゃ………!!

椿

(ど、どど、どうしよう、!)

椿

………ぼ、僕が!!

椿

僕が案内します!!

麗音

え?

千華先生

椿君が?

千華先生

でもこれは風紀委員の副委員長の仕事で………

椿

僕、美術は得意なので一時間授業を抜けるくらいで遅れは取りません!!

椿

それに僕も一応生徒会です!

椿

お願いします!!

千華先生

………

千華先生

麗音君はそれでいい?

麗音

俺はどっちでもいいっすよ〜

千華先生

はぁ………わかった

千華先生

椿君、麗音君のこと、案内してあげて

椿

椿

ありがとうございます!!

千華先生

麗音君の教室は3ー4だから

千華先生

最後にその教室に送ってあげてね

椿

はい!

椿

じゃあ行きましょうか!橘先輩!

麗音

おぉ〜

椿

学校は大体こんな感じです

椿

寮の方は………

椿

(僕、3年生の寮どんなのかわからないからな………)

椿

(真琴先輩は絶対にダメだし………)

椿

(風紀委員の人だと真琴先輩と一緒にいることもあるから危なそう………)

椿

生徒会の会長に案内してもらってください!

椿

後で僕からお願いしときます!

麗音

おう、ありがとな!

椿

じゃあ橘先輩の教室に案内しますね!

椿

(それにしても………)

椿

(本当にこの人が真琴先輩の親友の「麗音」って人なのかな………)

椿

(話してる感じ悪い人には見えないけど………)

椿

(麗音って名前なんてよくあるし、もしかしたらただの同姓同名かも………)

椿

う〜ん………

椿

って、うわぁっ!(階段から足を踏み外す)

麗音

ドシンッ

椿

っ………

椿

………あれ、?

椿

痛く………ない、?

椿

麗音

ってぇ………

椿

橘先輩!!

椿

だ、大丈夫ですか!?

麗音

あぁ

麗音

大丈夫だ

麗音

椿の方こそ大丈夫か?

椿

僕は橘先輩が庇ってくれたからなんとも………

麗音

ははっ、そうか!

麗音

なら良かった!ニコッ

麗音

ほら、立てるか?

椿

は、はい………

椿

助けてくれて本当にありがとうございます!!

麗音

お礼なんていいって

麗音

困ったときはお互い様、だろ?

麗音

さ、俺の教室まで案内してくれるか?ニコッ

椿

は、はい!

椿

もちろんです!

椿

(やっぱり………悪い人じゃないと思うな、)

椿

(出会ったばっかりの僕の事を命がけで助けてくれて………)

椿

(真琴先輩の言ってる「麗音」って人と橘先輩って違う人なのかも………)

椿

………うん、きっとそうだよ((ボソッ

椿

ここが3ー4の教室です!

麗音

お〜

麗音

案内してくれてありがとうな、椿!

椿

いえ、このくらい………

麗音

あ、そうだ、後でちゃんと保健室行くんだぞ?

麗音

念のための見てもらえ!

椿

いや、それを言うなら橘先輩ですよ!

椿

しっかり見てもらってくださいね!

麗音

ん〜……

麗音

ま、考えとくわ!ニコッ

ガラッ

真琴

おい、転校生

真琴

待ち合わせの場所にいないとはどうい……う………

真琴

……れ、おん………?

麗音

麗音

ま、真琴………?

真琴

………

麗音

………

椿

(ど、どうしよう、!)

椿

(やっぱり橘先輩って、真琴先輩の親友の「麗音」って人だったんだ、!!)

麗音

………まこっ…!

真琴

………今更謝る気か?

麗音

真琴

………俺はお前を許すつもりはない

真琴

スタスタ………(麗音の横を通り過ぎる)

麗音

………

椿

………

椿

あ、の………

椿

橘先輩って………

椿

真琴先輩の親友………なんですよね、?

麗音

………あぁ、"元"な、

椿

………

愛杏

おーい、椿〜

愛杏

真琴が見たことない顔してどっか行ったけど

愛杏

どうかしたのか〜?

椿

椿

愛杏君!!

麗音

………

愛杏

んぁ?

愛杏

そっちは転校生か?

椿

あ………は、はい、そうです、

椿

………実は………

椿

真琴先輩が言ってた「麗音」って人………

椿

この人なんです、

愛杏

え?こいつが?

麗音

………

麗音

………あぁ、

麗音

そーだよ、俺は真琴の財力目当てで近づいたただのクズだ、

愛杏

………

椿

………なら

椿

なんでそんなに悲しそうな目をしてるんですか、?

麗音

麗音

そ、れは………

愛杏

………ちょっと屋上で話すか

愛杏

さぁ、話を聞かせてくれ

麗音

…………

愛杏

大丈夫だ

愛杏

話を聞いて「全て許そう」とはならないだろうけど

愛杏

しっかり最後まで聞いてやるから

麗音

………

椿

………橘先輩

椿

僕、橘先輩の話、聞きたいです、

椿

僕のことを助けてくれたあの橘先輩の姿が偽りだとは思えない、

椿

何かあるんじゃないですか、?

麗音

…………

麗音

俺、弟がいるんだ

麗音

8歳年の離れた弟が

母親は弟を産んだときに他界して

父親もその後すぐに病で亡くなった

だから俺と弟は親戚の家に預けられたんだ

親戚の俺と弟への当たり用はすごくて

莉玖

やぁぁぁぁ〜!!(泣)

親戚

うるっさいわねぇ……!!!

親戚

静かにしなさい!ボコッ

莉玖

ふぇっ、!

莉玖

びゃぁぁぁぁぁ〜っっ!!!(泣)

麗音

おばさん!

麗音

莉玖のことは俺が静かにするから!

麗音

だから殴らないで!!

親戚

あ"〜!もう!!

親戚

なんであんたらの両親は死んじまうかねぇ!

親戚

やっぱり出来損ないの両親の子供だからかねぇ………

麗音

麗音

母さん達の事悪く言うなっ!!

親戚

うるさい!

親戚

この部屋で大人しくしときな!

ピシャッ

麗音

………

みたいな感じで

よく飯抜きで3日間くらい閉じ込められてた

莉玖

うっ……ひっくっ、!(泣)

麗音

………泣くな、莉玖

麗音

大丈夫だぞ

麗音

兄ちゃんがついてるから

そんで俺が10歳の時に親戚が虐待で逮捕されて

俺と弟は施設に預けられた

だけど

俺の弟は親戚に殴られた傷口から菌が入り

病気に感染してしまった

まだ2歳なのに

少しずつ、少しずつ回復はしているが

いつ死んでもおかしくない状況だった

そして2年後

俺は中学生になった

莉玖の病気はまだ治っていない

でも、このまま何も悪影響を与えず

穏便に暮らして行けば必ず治ると言われた

「莉玖の死ぬ確率が低くなった」

それは俺にとってとても嬉しいことだった

そしてそれと同時期

真琴に会った

真琴の周りにはいつも人がいたけど

俺にはその理由が分からなかった

政治とか全然興味なくて

あいつが副総理とやらの息子って事を知らなかったから

だから興味が出た

なんであいつの周りには人が集まるのか

麗音

なぁ、お前

真琴

………何?

真琴

お前も俺の金目当てか?

麗音

は?

麗音

ちげぇーよ

麗音

その本

麗音

シャーロック・ホームズだろ?

真琴

………そうだけど

麗音

それ、面白いよな!

麗音

俺も見てんだけどよー

最初は真琴も相手にしてくれなかったけど

少しずつ、俺に心を開いてくれた

真琴

………麗音、一緒に帰ろう

麗音

!

麗音

おう!!

真琴の方から「一緒に帰ろう」と声をかけてくれた時は

すごく嬉しかった

中学2年の時に

あいつが副総理の息子だと知った

でも、別に俺はなんとも思ってなかった

確かに「すげー!」とは思ったけど

別に俺は金より真琴の方が大事だったから

最初は興味で話かけただけだけど

いつしか真琴は俺にとって

弟と同じくらい大切な存在になっていたんだ

これが"親友"ってやつかぁ、って思った

3年生になっても俺と真琴の仲がいいことは変わらない

変わったことと言えば

周りが今までよりも真琴を特別視するようになった

今までも結構すごかったけど

中学生最後の年ってのもあって、皆すごかった

真琴が物を落としたら皆が一斉に拾いに行く

ペア作りで皆が真琴を誘う

とにかく真琴に気に入られようと必死だった

でも、真琴は俺としかペアを作らないし

喋るのもほぼ俺だけ

周りにとってそれはとっても不都合だった

俺は真琴に近づくに置いて

"邪魔な存在"

皆がそれに気づき始めて

小さな嫌がらせがどんどん増えて行った

麗音

げっ、机に落書きしてやがる………

麗音

「死ね」とか「消えろ」とか………

麗音

虐め方小学生かよ………

麗音

真琴が来る前にさっさと拭かねーと

麗音

あいつブチ切れるな………

でも別に嫌がらせには何とも思わなかった

親戚からの虐待と比べると

全然マシだったから

だけど、それが気に食わなかったのか………

麗音

なんだ〜?

麗音

呼び出して

モブ

………お前さぁ

モブ

最近調子乗りすぎじゃね?

麗音

ん?どういう意味だ?

モブ

ちょっとあいつと仲がいいからって

モブ

俺とお前は"親友"だ、とか言い出してさぁ

モブ

お前も本当はあいつの金目当てなんだろ?

麗音

はぁ?んなわけないだろ

麗音

金のために真琴に近づくほど俺は落ちぶれてない

モブ

………そうか

モブ

あいつと距離を置くつもりはないんだな

麗音

当たり前だろ?

麗音

なんで親友と距離置かなきゃなんねぇんだよ

モブ

………わかった

モブ

"弟"がどうなっても知らねーぞ

麗音

ピクッ

麗音

………どういうことだ?

モブ

お前、病気の弟がいるんだろ?

モブ

弟………どうなってもいいのか?

麗音

………は、ははっ、

麗音

お前1人じゃどうしようもないだろ?

麗音

変なこと言うなよな、笑

モブ

俺は1人じゃない

麗音

モブ

お前のことを嫌ってるやつは沢山いる

モブ

既に弟の居場所も突き止めた

モブ

俺らが電話すれば仲間がすぐに弟の元へ行く

麗音

っ………

麗音

………何が望みだ?

モブ

あいつと距離を置くこと

モブ

もし距離を置かなかったら………

モブ

弟だけじゃなくてあいつも危険な目に遭うかもな?

麗音

っ…………!

それは

弟と真琴のために距離を置くか

真琴をとって弟を手放すか

ということだった

正直凄く迷った

今や真琴は莉玖と同じくらい大事だったから

でも

少し考えれば簡単なことだった

麗音

………わかった、距離を置くよ

どちらも傷つかない方………

俺は真琴と距離を置くことにした

まぁ、いきなり何も言わないで

距離を置いて真琴が黙ってるはずもなくて………

真琴

なぁ、麗音

麗音

………

真琴

麗音

真琴

麗音

真琴

麗音!

真琴

麗音

ある日ついに………

真琴

麗音

麗音

………

真琴

おい

麗音

………

真琴

………おいってば!

椿

……なんで無視するんだ

真琴に問い詰められた

麗音

………

俺も正直真琴を無視するのに疲れてた

知ってるか?

親友だと思ってるやつを無視するのって

結構辛いんだぞ

言ってしまった方が楽になれる気がした

真琴

おい!(麗音の肩を掴む)

麗音

(………やっぱりしっかり話そう、)

………そう思った時だった

モブ

ギロッ

麗音

麗音

(あいつが見てる、!!)

麗音

(まずい、何とかしないと莉玖と真琴が、!!)

麗音

(………ごめん、真琴………!)

麗音

………触んなっ!、(真琴の手を払い除ける)

真琴

っ、!

麗音

………お前しつこいんだよ!!

真琴

………なんで

真琴

なんでいきなりそんなこと言うんだっ、!

真琴

俺ら親友だろ、!?

真琴

中1の時から仲良くてっ、!

麗音

っ、

麗音

(やっぱり真琴は引いてくれねぇ、)

麗音

(………仕方ない、これだけは絶対に言いたくなかったけど…………)

麗音

(………2人を守るためだっ、)

麗音

……俺はっ、!

麗音

お前を友達だなんて思ったこと一度もねぇ!!

真琴

っ!

真琴

………

麗音

………じゃあな、

麗音

………もう、

これ以上俺に話しかけないでくれ

真琴

あ…………

麗音

……………

麗音

………俺がもっと強くて

麗音

莉玖も真琴も守れる男だったら

麗音

こんなことにはならなかったのか、?

麗音

………って、もう遅い……かw

麗音

………それから真琴は一切話しかけて来なくなった

麗音

俺は結構キツかったけど………

麗音

あいつらを傷つけずに済むなら全然良かった

愛杏

………なるほどな、

愛杏

…………うーん………

愛杏

(でもそれって………)

椿

……………あの

椿

…………言い方悪くなるかもですけど………

椿

それって………

ただの自己満じゃないですか?

麗音

…………は?

僕の普通の学校生活!!

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コメント

7

ユーザー

続き楽しみにしていました! 過去にあったことが結構辛いことで、びっくりしました。 これから頑張ってください!

ユーザー
ユーザー

真琴の ……なんで無視するんだ と 肩引っ張る?ところが名前、萌音になっとったよ~ 最高✰︎

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