kn
(……早く帰りたい)
いち早く帰宅してスマイルに癒されたい気持ちをこらえながらパソコンに文字を打ち込んでいく。
上司
〜〜〜〜〜!!!
いつもは何とも思わないような上司の怒鳴り声がやけに頭に響く
kn
(ほんとに……帰りたい…)
望んでも変わらないもの 欲しがっても手に入らないもの
どうせ勤務時間内はどうあがいても帰れないんだ、頑張るしかない…
kn
(…珍しいなあいつが勤務時間内で連絡してくるの)
立て続けに流れたメッセージ。 何か伝えたかったことでもあったのだろうか
kn
(スマイルのためにも、少し早く帰るか)
そう思うと少しやる気が出てきた。
kn
(がんばろ…)
kn
ただいま
現在時刻 20:25
この時間ならスマイルも起きているし出迎えてくれるかもと思ったが、 そんなことはなかったらしい
kn
スマイル〜…?
リビングに顔を出すとソファに寝転んでいるスマイルが目に入る。
寝ているのだろうと近づくと、なんとなく異変を感じる
kn
(…顔赤くない?)
kn
………ぁっつ…!?
kn
(もしかして…午前中の連絡って……)
触れた額が妙に熱い、 原因は分からない、でも熱を出してしまっているということだけが分かった
kn
(……取り合えず冷え◯タだけ貼っておいてあげるか…)
kn
……タバコ吸うか…今日は酒の気分じゃない…
kn
すー…………ふぅー………
kn
やっぱ…美味しくない…
俺だって別に好きで吸っているわけじゃないんだ。
ただ、周りがストレスの発散に使っているというから、タバコも酒も好きでもないのに始めたんだ
結果、スマイルにバレないように続けてしまっているのが現状だ
kn
はぁ………金の減りも早いし辞めたいんだけどなぁ…
白い煙が漂う中、ぼーっと考えに耽っていると、室内からガサガサと音がする。
kn
(やば、スマイル起きちゃったかな)
sm
けほっ、こほ………
きんとき……なんで、そといるの…?
きんとき……なんで、そといるの…?
kn
お、はよ…外寒いから中で話そう?
sm
ん…
ただでさえ熱のあるスマイルが体を冷やしてしまわないように
リビングから顔をのぞかせたスマイルにバレないように、ベランダの手すりで火を消した。
肩に上着をかけてやって、軽く手を引いてリビングの中に入った
sm
………?
俺は、スマイルが手すりを握り込んだ俺の手を見て怪訝そうな顔をしているのにも気づかずに。