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弱さを抱きしめて

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弱さを抱きしめて

3 - 3話 認知 知らないフリ

♥

117

2025年02月23日

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sm

……ねむ…いま…何時…?

いつもと変わらない窓の外

いつもと変わらない時間

いつもと変わらない朝

の、はずだった。

sm

……きんとき…

sm

(休みは明日だって言ってたし、今日はもういないと思ってたんだけど…)

sm

………えっ!?

時計に目をやるとまだ針は6時を指している。

sm

……目が覚めちゃったのかな…

薄々感じていた自分への違和感は見なかったことにしてもう一度布団に潜り込んだ。

sm

やっぱ……へん…

きんときが仕事に行ってから違和感は加速していくばかりだった

グラグラ揺れる視界と、なんとなく火照った体

熱が出てしまっていることは容易に分かった

sm

みず……みずのみたい…

水を探してキッチンに向かうと、シンクに見覚えのない缶がいくつも転がっていた。

ここ最近、キッチンに入っていない、最後に入ったのはかなり前だ

sm

いつからあったんだろう………?

sm

これ…酒の空き缶?

sm

………まさか…ね

少し嫌な予感が頭をよぎったとき、ぐらっと世界が傾いた感覚がした

思わず床にしゃがみ込んで手をつく

sm

…………きんときに連絡……

咄嗟にそんなことを思ってメッセージを送った

でもすぐに、迷惑をかけてしまうと追加メッセージを送った

別に一人でもできる、耐えられる

kn

ただいま

きんときが帰ってきた声でうっすら意識が浮上する

まだいまいち頭が覚醒していなくて体がうまく動かない

しばらくすると、何かを持ってきんときはベランダに出ていってしまった

ぼーっと待っているとおでこに冷たさを感じた。

冷え◯タを貼ってもらえたようだ

sm

(……ん……体動かせそう…)

sm

(きんときにぎゅーしてもらいたい……何してるんだろ…)

sm

けほ、けほっ、こほ

sm

(なんかけむい?なんで?)

窓の外を見ると一人頭を抱えながらタバコを吸うきんときがいた

声を掛けると慌てたように手すりで何かを握りつぶして何事もなかったかのように室内に入れられる

kn

起こしちゃったかな…?ごめんね

sm

んーん、大丈夫

kn

そっか、よかった

kn

食欲ある?何か食べておくすりのもう?

sm

……きんときが作ってくれるやつは、全部食べる

kn

そっか…wじゃあ、食べやすそうなやつ作ろうかな

そう言ってキッチンに入って、シンクに目をやってから一瞬だけ顔をしかめたけれどきっと俺の見間違いだ

kn

はい、食べれる?

sm

………………あーんして

kn

………んぇっ!?

sm

…だめ…?

kn

いや、ソンナコトナイヨ…

kn

はい、あー

すっとおかゆの入ったスプーンが差し出される

口に入った程よい温度のおかゆをゆっくり咀嚼する

食べ慣れた味。 安心する。

kn

おいし?

sm

ん…

kn

そっかそっか、おくすり1人で飲んで寝れる?

sm

きんときそばいてくれないの?

kn

俺ちょっとやらなきゃいけないことあってさ

sm

分かった

薬を口に入れ水で流し込む

立ち去ろうとするきんときを見送っていく

俺は全部知ってるよ

酒と煙草をやめられなくなったことも

俺の面倒見てくれてたあの間に不在着信が溜まってることも

でも、大丈夫なんだよね 前も言ってたもんね

sm

……信じてるから

kn

…………はぁ……

溜まりに溜まった通知をさっと読み流す

ため息が止まらない

俺はただ、スマイルのこと…

kn

守りたい…だけなのに………

弱さを抱きしめて

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コメント

4

ユーザー

気づいてるのに……みたいなのめっちゃ好きです、、相変わらず読みやすくて素敵です、、。いい夢が見れそうですありがとうございます!!!!

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