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暫くすると…外に出ていた全員が集まった

累(るい)

凪ちゃん!

凪(なぎ)

!!あんたまで外に出てたのか…

玲音(れお)

ほーんと、ヒヤヒヤして損した

翔平(しょうへい)

損だわ……

凪(なぎ)

別に出なかったら良かったでしょ、凪斗のお願いだから?

玲音(れお)

当たり前でしょ

凪(なぎ)

愛されてるじゃないの、凪斗

凪斗(なぎと)

…俺が愛されているのは凪のお陰だよ

凪斗(なぎと)

凪がそばにいて凪が俺を存在させてくれて……俺が愛されているなら凪も愛されるべきなんだよ

凪斗(なぎと)

俺と凪、何が違うの?

凪(なぎ)

!!そっ、か笑

凪斗(なぎと)

俺だって凪には幸せになって欲しい、俺はいつか消えちゃう存在だけど死ぬ存在の凪には死ぬまでに幸せになって欲しいの

凪(なぎ)

君は優しいね…私以上に…純粋で

凪斗(なぎと)

違うよ…凪が幸せじゃなきゃ……また、また泣いて…壊れちゃいそうで…怖いんだよ……

凪(なぎ)

……貴方は優しすぎて…気遣いすぎよ

凪斗(なぎと)

凪ほどじゃないよ……凪だって…本当は幸せになりたいはずなのに…

凪斗(なぎと)

草薙先輩達の優しさとか…全部、全部全部!凪にもあげたいほど…出来た人間で……

凪斗(なぎと)

なんで俺なんかがって思ってる…俺じゃなくて……いちばん苦労した凪を幸せにして欲しくて…幸せになって欲しくて…

凪斗(なぎと)

それに…俺は基本的に感情がない……こうやって感情があるのは凪と感情がリンクしてるからだよ…?

凪斗(なぎと)

草薙先輩達の事が好きなのは凪だってそうじゃないの?違うの?

凪(なぎ)

そんな訳ないでしょ…貴方の感情よ

凪斗(なぎと)

違う…違うよ、凪の感情だってわかるよ

凪(なぎ)

……凪斗、それ以上口を開くなら怒るわよ

凪斗(なぎと)

あ、ぅ…

伯玖(はく)

…凪斗、それは本当?

凪斗(なぎと)

それは…

凪(なぎ)

黙りなさい、凪斗

凪斗(なぎと)

ッ……お、怒る?怒る…?

凪(なぎ)

怒るわよ

凪斗(なぎと)

わ、わかった…俺いい子にする……

凪(なぎ)

ん、いい子

凪斗(なぎと)

〜♪

凪斗はまた嬉しそうにしっぽを絡めて来る

凪(なぎ)

はぁ〜…もう

凪斗(なぎと)

凪が幸せなら俺はなんでもいい、凪を傷付けるやつは全員嫌い、殺す

凪斗は胸に顔を埋めて嬉しそうな顔を浮かべている

凪(なぎ)

もう暑いし帰るよ、エド先輩溶けそうな顔してるし

凪斗(なぎと)

え?あ〜、やべ……

エドさん

うぅ"〜……

凪斗(なぎと)

あ〜あ、じゃあ帰るか〜

帰ってくるなり…アタシは凪斗に無理矢理自己紹介をされている

凪斗(なぎと)

凪は俺の可愛い可愛い凪だ

伯玖(はく)

凪斗が…

昴流(すばる)

随分と嬉しそうな顔をしてますね…

凪斗(なぎと)

凪を傷付けるやつは殺す、誰だろうと殺す

凪(なぎ)

牙を向かない

凪斗(なぎと)

( ⸝⸝⸝⩌⤚⩌*)

凪(なぎ)

そんな顔しないの

凪斗(なぎと)

凪が幸せになるなら何でもする

凪(なぎ)

じゃあ頼むから大人しくしてくれ……

凪斗(なぎと)

ヤダ

累(るい)

凪ちゃんの目が死んでる……昨日より死んでる…

翔平(しょうへい)

かーわいそ〜

凪(なぎ)

もう無理…凪斗は1回暴走するとこうだし……

アタシの椅子になっている凪の頭を撫でるとまたすぐにしっぽを絡めて来た

伯玖(はく)

…なぁ、凪斗がさっき言ってたヤツ……その、凪の感情が凪斗で表に出るって本当か?

凪(なぎ)

…凪斗がずっと表に出ていたからちょっと変化して…私の感情が凪斗に伝わってるんだと思う…

凪(なぎ)

まぁ、その反対ももちろんあるけど…凪斗の感情が私に伝わるだけ、だけど

伯玖(はく)

…凪斗に変わってるあいだ…ずっと凪斗が見える世界見えてたのか?

凪(なぎ)

……見えてた

塔真(とうま)

ふむ…憑依状態を維持し続けるとそうなるのですね

凪(なぎ)

別にって感じ…

肘を着き顔を逸らす

凪(なぎ)

…私はどうやらこの子に執着し過ぎてたみたいね

凪斗(なぎと)

??スリスリ

凪斗の頬を撫でる

凪(なぎ)

…そうだね……そうだ、この子は架空の存在なんだ…

凪斗(なぎと)

そうだよ?凪

凪斗(なぎと)

俺は凪に造られた存在…凪が幸せになるならそこの人たちあげるし

凪(なぎ)

人を物みたいに扱ってやんなよ……

凪斗(なぎと)

俺は凪みたいな物だよ?誰も嫌わないよ?多分

凪(なぎ)

いや、そうじゃない……ただ、利用している様で…ちょっと、ね…

目を逸らす

伯玖(はく)

利用…か

翔平(しょうへい)

誰だって利用し利用されだろ

凪(なぎ)

それはそう、簡潔に言えば【仕事】が、そうね

凪(なぎ)

上司は部下を【利用】する…

凪(なぎ)

でも…恋愛は【利用】じゃない

凪(なぎ)

【信頼】と【信用】そして【愛情】の3つ

凪(なぎ)

それを【利用】するのが嫌ってだけ

溜息をつきながらドリンクバーに近付きアイスミルクティを入れる

凪(なぎ)

凪斗は何も無い、私しかないの

凪(なぎ)

凪斗だけにしておきなさい

ミルクティを飲みコップに唇を着け口に注ぎ込む

凪(なぎ)

ゴクッゴクッ…

凪斗(なぎと)

違うよ凪、凪は凄いよ

凪斗(なぎと)

凪はなんでも出来るよ、料理も…家事も、裁縫も…

凪斗(なぎと)

俺とは全く違う…俺は戦闘しか出来ない……料理とか…裁縫とか…もう無理……

凪(なぎ)

そんな訳ないでしょ…父親に…その友人に…襲われた私は……何にもないわ

全員)!!

伯玖(はく)

そ、それってどういう_

凪斗(なぎと)

で、でも!あの時確かに襲われたのは俺だ!

凪(なぎ)

体は私でしょ!

凪斗(なぎと)

そッ……れは…、っ…

凪(なぎ)

私の体!私の…アタシの……誰もが好きな人に初めては…貰って欲しいものでしょ!でも私は…そんなの……もう…ッ…、叶わないの…

凪(なぎ)

苦痛に変わりないのに……なんで……

凪(なぎ)

その分貴方はいいわね!こうやって好きな人にああやって抱かれて!良がって!求められて…求めて……

思わずコップを地面に叩きつけた

バリンッ!!

凪(なぎ)

もう…わかんないわよ……

本音が盛れた……

凪斗(なぎと)

な、凪…ごめん、ごめん……俺、そういうつもりはなくて…

凪(なぎ)

……別に、いいわよ…

破片を拾い上げる

凪(なぎ)

あーあ、やっちゃった……

ピッ_

凪(なぎ)

いッ…

累(るい)

ちょちょ!素手で触っちゃダメだよ!

凪(なぎ)

へ、平気…すぐに片付けなきゃダメだから

破片を拾い上げ掃除機で更に細かい破片を吸い上げる

凪斗(なぎと)

凪…俺、そういうつもりはなくて……でも、ごめん…傷つけた…よね

凪(なぎ)

……もういいわよ…

凪(なぎ)

貴方に当たっちゃったわね…もういいわよ、1回穢れたらもう思った以上に開き直っちゃってるし…

翔平(しょうへい)

……あんた、何がしてぇんだ、結局

凪(なぎ)

別に何も無いわよ…話してたらちょっと……ね、驚かせたわね

凪(なぎ)

(凪斗と彼らに怖い思いをさせたわね…はぁ……)

髪を肩から流し一言「ごめん」と謝ってから部屋から出る

凪(なぎ)

(やっぱり……凪斗以外の男性は…苦手だな…)

凪斗(なぎと)

な、ぎ…ごめ、待って……

伯玖(はく)

凪斗…

尋(じん)

……どうも出来ねぇな
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