目が覚めた。
その瞬間、ものすごい不安が僕を包囲した。
全て夢だったのか、と思った。
しかし、隣には彼の姿がある。
大陽
昨晩は、早朝まで彼と抱き合っていた。
只今の時刻は6時。
彼の寝顔を見上げ、その分厚い胸板に抱きついた。
暖かかった。
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
隆
大陽
大陽
隆
大陽
隆
隆
隆
隆
大陽
その後、1時間2人は時間を忘れて愛し合った。
まるで時間の中に蕩けて、それが永遠だと感じるような一時だった。
時刻は9時半。
全ての手続きを終え、あとは彼が飛行機に乗るだけ。
ただそれだけのことでも離れるのがどうしようもなく辛かった。
しかし、不安とともに、それをかき消すようにやって来たのは彼を愛おしいと思う気持ちだった。
そして、ずっと俺の手を握って離さない彼の手をそっと戻した。
隆
隆
大陽
持ってきて良かったと思った。
バッグの中から小さなジュエリー箱を取り出した。
それを開くと、大小異なる2つの指輪が姿を見せた。
その指輪を手に取り、箱を閉じる。
大陽
隆
隆
大陽
隆
隆
大陽
そして、彼の細い右手の薬指に指輪をはめた。
やっと持ち主の元へ戻ってきたそれは、輝きを取り戻したように見えた。
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
隆
大陽
大陽
隆
隆
大陽
隆
熱いハグとキスを交わし、彼を見送った。
ー1週間後ー
彼に帰国の連絡をして、飛行機に乗り込んだ。
取引は無事に終わり、円満な形で可決した。
疲れがどっと溜まり、睡魔に襲われた。
気が付くと、暗く湿った場所にいた。
隆
何も無いその場所に、自分の声が反響する。
その反響が、いつしか大陽の声に変わっていった。
隆
隆
しかし、その声はしきりに ''たかちゃん'' と呼ぶだけで、問いかけには答えない。
その時、暗がりから影が現れた。
その人物は、ある男だった。
その男こそ、大陽に別れを告げた理由の1つだった。
謎の男
謎の男
謎の男
隆
隆
隆
隆
謎の男
謎の男
謎の男
隆
男は再び暗がりに消えていった。
目が覚めた。
額には少し、汗をかいていた。
隆
機内アナウンスが流れた。
まもなく着陸だそうだ。
もうすぐ彼に会える、それだけで悪夢など何処かへ消えた。
そんな悪夢を見ていたことすら忘れ、天からの忠告を無視した。
午前10時。
彼が日本に帰ってくる時間だった。
ミニブーケを片手に、空港でそわそわとその帰りを待ちわびていた。
大陽
大陽
1週間ぶりに彼に会えると思うだけで、心が跳ねた。
15分か20分が経とうとしていた頃、その姿が現れた。
大陽
大陽
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
大陽
大陽
隆
隆
隆
大陽
大陽
隆
彼の温かさが戻ってきたと思った。
ふんわりと包み込むような、太陽じゃない、月のような温かさだった。
そして、
その月を照らしていくのは、自分でありたいと願った。
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
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