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Ep1継憶層

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Ep1継憶層

1 - -第1話- 博麗の巫女

♥

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2024年01月20日

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博麗神社 本堂前にて

博麗 霊夢

冷えてきたわね

いつも通りの朝が始まる

表に出て掃き掃除をしようと箒のある倉庫へ 足を運ぼうとするが

ブォン・・

主に空間を移動することを目的に使う"スキマ"から 1人の女性が現れた

八雲 紫

冷えてきたわね、霊夢

博麗 霊夢

それ、2秒前にくらいに私が言ったんだけど

八雲 紫

あら?3秒前じゃないかしら

博麗 霊夢

そんなことはどうでもいいのよ

博麗 霊夢

それよりこんな朝から私の前に現れたってことは

博麗 霊夢

いhe…

八雲 紫

朝食を頂きに来ましたの

博麗 霊夢

はあ?

八雲 紫

貴女もまだ食べていないでしょう?一緒に食べましょうよ

博麗 霊夢

いやそういうんじゃなくて、

八雲 紫

今日はパンの気分ね〜

私の発言なんかまるで聞こえていないようだ

紫はやや表に立つ私を差し置いてそのまま 縁側の方へ足を向け歩き出した

博麗 霊夢

全く行儀悪いわね、古代の化石婆さんは玄関を知らないのかしら

八雲 紫

なんか言った?

いやなんでそこは聞こえるのよ・・

博麗 霊夢

それで何?

博麗 霊夢

ほんとは朝食が用じゃないんでしょ

博麗 霊夢

わざわざ人に聞かれたくもないこと?

八雲 紫

流石霊夢の勘ね

八雲 紫

けど惜しい

八雲 紫

朝食も勿論頂きに来たわよ

博麗 霊夢

「も」

博麗 霊夢

朝食は用件の話が済んでからよ

八雲 紫

まあそうね

八雲 紫

単刀直入に言うけど異変が起きるわ

起きる・・?

博麗 霊夢

なんで未然形?

八雲 紫

まだ現在進行形じゃないの

博麗 霊夢

異変が起きることが分かるならアンタが先にどうにか止めとけばいいじゃない

八雲 紫

それはそうなんだけど

八雲 紫

私じゃどうもできないのよ

博麗 霊夢

どういうこと?

博麗 霊夢

というか、そもそもどういう異変が起きようとしてんの

八雲 紫

これは霊夢

八雲 紫

貴女にしか解決できないものよ

私?

つーか、これまでの異変ほぼ全部私の担当でしょうが

八雲 紫

まあ今までの異変は全て貴女の手で解決したものだけれど

博麗 霊夢

また押しつけに来たのね

八雲 紫

違うわよ

八雲 紫

異変の主犯は貴女狙いって事

博麗 霊夢

私?

八雲 紫

ええ

八雲 紫

今回は今までのと違って盛大に嫌なものになるわ

八雲 紫

・・私達大妖怪もが苦とするね

博麗 霊夢

自分で言う

八雲 紫

お黙り

八雲 紫

この後その主犯は貴女を狙いに来る

八雲 紫

その場でお命頂戴となるか、それとも少しの会話で切り上げられるか

博麗 霊夢

命日?

八雲 紫

場合によっちゃあね

博麗 霊夢

最悪なんだけど

八雲 紫

それで貴女にいいものを渡しに来たのよ

博麗 霊夢

アンタ自体が悪いモノだからねえ、

八雲 紫

さっきから悪態ばっかね

博麗 霊夢

そりゃそうよ

博麗 霊夢

いきなり押しかけてきて死ぬとか

八雲 紫

だからそんな事態を引き起こす前に助けに来たんじゃない

紫はスキマを開きそこへ手を伸ばしまさぐり始める

よくもまあ得体の知れない空間に手を伸ばせるものだ

そして 暫くすると一切れの札のようなものを取り出した

博麗 霊夢

御札?

八雲 紫

そう

八雲 紫

特別仕様よ

博麗 霊夢

御札なんかどれも特別仕様よ

八雲 紫

ふふ

八雲 紫

これはなかなかの優れ物でね

八雲 紫

"自分に敵意を向けるモノの動きを封じ込める"ことができる御札なの

八雲 紫

それはどんな大妖怪であれ物であれ、この世に存在する有形物に適用するわ

博麗 霊夢

あらそう

私はその御札を紫から奪うように引き取り

紫の身体に貼りつけた

八雲 紫

ちょっと。

博麗 霊夢

ほら動きなさいよ

すると紫は自身についている御札を剥がし睨む

八雲 紫

失礼な娘ねホント

博麗 霊夢

ありゃ

博麗 霊夢

てっきり主犯がアンタなのかと

八雲 紫

全く・・

八雲 紫

とりあえず渡しておくわね

八雲 紫

時間がないわ、霊夢。

博麗 霊夢

時間?

博麗 霊夢

それは何?異変が起きること?それとも

八雲 紫

貴女に主犯が近づいている

八雲 紫

そうすると私はここには居られなくなるの

博麗 霊夢

それは具体的になんで、

八雲 紫

それもまた貴女が生きてたら話す

博麗 霊夢

不謹慎な

八雲 紫

とりあえず。しっかり生き延びなさい、"博麗の巫女"。

博麗の巫女

それは私にとって魔法のような言葉

巫女が魔法だなんてどっかの金髪の魔女が笑いそうな話であるけれど

この言葉は博麗代々の巫女たちが聞いて身を引き締めることが出来る言葉

・・どちらかと言うと、引き締められる呪いのようなものでもあるけれど

博麗 霊夢

ええ、分かった

紫は私の様子に安堵しスキマを展開させこの場から消えた

博麗 霊夢

さてと

私も動かなくては

とは思うものの、どこへ向かうべきなのか。

狙いは私。

どこへ行こうが構わないだろうけど

紫のような"力のある妖怪がいると部が悪くなる"。

となると、

博麗 霊夢

あまり人のいない所へ向かうべきね

博麗 霊夢

ほんと冷えるんだから。寒いわ全く

戦闘となった場合

ある程度の広さは必要だ

上下左右自由に身を動かすことができる空が私にとって最も最高のコンディションを用意することが出来る舞台となるだろう

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

冷えますね

来た

博麗 霊夢

ちょっとタイミングが良すぎるんじゃないの?

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

こんにちは、博麗の巫女様

そこに現れたのは黒い覡を身に纏った女性のような姿をした人間だった

声色も女性のように高い。喉仏があるわけでもない

博麗 霊夢

アンタ・・色々とあやふや過ぎない

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

あやふや、具体的には?

博麗 霊夢

その服装といい見た目よ。ミスマッチ

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

最近は多様性が重視されているのですよ

博麗 霊夢

多様性を活かされる異変でも起きるのかしら

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

だとしたら混沌としますね

博麗 霊夢

アンタが言うな

さて

どうしたものか

たしかに見た目があやふやなのは確か。

けれどもうひとつ大きな違和感

この人間

いや、

博麗 霊夢

アンタ、半妖?

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

どうでしょう

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

半霊の方が近いかと

博麗 霊夢

微量だけど、微かに妖力を感じたわ

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

鼻が利くのですね

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

けれど、その回答については黙秘します

博麗 霊夢

何か不利にでもなるのかしら

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

どうします?

博麗 霊夢

何が

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

私ずっと博麗の巫女様に憧れを持っていたのですよね

博麗 霊夢

それは私の代じゃないでしょうに

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

そうですね

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

貴女は"博麗の巫女"に相応しくないのです

空気が変わった

博麗の巫女に相応しくない?

誰がなんと言おうと私は博麗の巫女だ

それを他人に指摘されるだなんて

博麗 霊夢

アンタが私の何を知っているというの

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

見てきましたから

博麗 霊夢

は?

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

博麗の巫女様

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

お手合わせをお願いしたいのですが

博麗 霊夢

ああ、いいわよ

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

・・

先程貰った札を手に取り構える

そしてその瞬間

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

遅いですね

博麗 霊夢

うわっ

ボチャン

博麗 霊夢

ぐ、この・・

真下の湖に沈められた

相手は私の首を片手で絞め水面上から見下ろす

博麗 霊夢

う・・ご、ほっ

息が出来なくなる

このままもがき死ぬのか

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

博麗の巫女もこんなものですか

その発言に怒りが湧く

許さない

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

片手に握りしめていた御札を 私を締めている手首に貼り付ける

博麗 霊夢

ふ、はあ…っ、は

なんとか地上に上がれたようだが

息が上がってすぐ動ける容態ではない

あの御札がどれ程の時間を保てるのか、剥がされてしまうものかそれは何も分からないけれど

今はこうやってあの手から逃れることが出来た

冷静になれ博麗の巫女。

容態がどうとか関係はない

今はあの半霊をどうにかしなくては

動けないうちにこのまま仕留めるのが最善だ

少しの弾幕で仕留められる程相手は弱くないだろう

だとしたらスペルカードを展開するしか

そしてそのスペルカードを展開しようとする矢先に

ドゴン!!!!

突然目の前に大きな音と共に雷光が落ちた

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