テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
10
338
コメント
1件
赤葦くんの視点で部活の静けさが描かれて、木兎さんの存在の大きさがじんわり伝わってきました。「定位置に何もない」あの感覚、すごく分かります。そして熱でトロンとした木兎さん…ギャップ萌えがすごい。「かっこよくいたかった」なんて言われたら赤葦くんじゃなくてもギュンッと来ますね。お見舞いに来た意味がしっかりあった回で、読んでて温かくなりました。続き、いつか書きたくなったら楽しみにしてます!
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ
部活が終わる頃には、 空はすっかり藍色に染まりかけていた。
赤葦
赤葦
赤葦
ヒュー… 冷たい風が頬を撫でる中、赤葦は梟谷学園の校門を抜け、駅前のドラッグストアへと足を向けていた。
カバンの中には、部活終わりに食べるつもりだった自分用のおにぎりが、ポツンと入っている。
本来なら、体育館の片付けをしながら 木兎に一口分けてくれとねだられ、面倒なフリをしながらも渡していたはずのものだ。
… (ドラックストアへ)
「いらっしゃいませー…」
赤葦
自動ドアをくぐり、カゴを片手に店内を歩きながら、 赤葦は今日の練習を思い出していた。
… 「健康食品コーナー」
赤葦
いつもなら 「赤葦、今のトス高かった!」 「いや低かったか!?」 と、感想をぶつけてくる声がない。 … 「衛生用品コーナー」
チームを回すこと自体に支障はない。 練習メニューも予定通りできた。
けれど、コートの端、いつも木兎が飲み物を置いている 定位置に…何もないと知った瞬間…
妙に胸の奥に穴が空いたような感覚に囚われたのだ。
…
赤葦
赤葦
赤葦
ピンポーン♪
赤葦
はー…い ガチャ…
木兎
赤葦
髪は汗と寝癖でめちゃくちゃハネており、 普段はキリッとした金の瞳は熱のせいでトロンと潤み、 どこか焦点が定まっていない。
着ているのは、首元がよれよれになった 大きめの白Tシャツ。
そして何より、体調が悪いせいか、背中を少し丸めて、 トロンとした目でこちらを見上げていた。
普段の堂々とした「木兎さん」の面影はどこへやら、そこにあったのは、まるで取り残された大型犬のような、圧倒的な無防備さと、どこか儚げな生き物だった。
赤葦
…
赤葦
木兎
赤葦
赤葦
木兎
よろ…っ… (赤葦支える)
赤葦
木兎
赤葦
赤葦
木兎
木兎
木兎
赤葦
赤葦
甘ったるい声。
熱で頭が回っていないのか、 それとも赤葦を見た安心感からか、 木兎は赤葦のシャツの裾を、 子供のようにぎゅっと掴んで離さない。
赤葦
木兎
木兎
赤葦
赤葦
赤葦
…
赤葦
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ
ゆ