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紅優
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解析室。
静寂。
誰も口を開かなかった。
透明な隔離容器の中。
黒い破片は何事も無かったかのように静止している。
白狐 颯
さっきまで見えていた黒い線。
今はもう見えない。
見間違いだったのか。
そう思おうとしても。
胸の奥の違和感だけは消えなかった。
紫苑 陸《虚路》
コンソールを操作する。
青い光が隔離容器を包み込む。
空気を固定し、僅かな異常も見逃さないための装置。
数秒後。
モニターに結果が表示される。
『異常なし』
紫苑 陸《虚路》
灰渕 博《静界》
愛水 怜《無刻》
桃園 天音《灯火》
全て正常。
なのに。
それなのに。
誰も「安全だ」とは言わなかった。
あれだけの事件を起こしたものが。
普通なはずがない。
その時。
コンコン。
解析室の扉がノックされる。
職員
白衣を着た職員が一人入ってきた。
資料を抱えた若い研究員だ。
職員
そこまで言って。
研究員の足が止まる。
視線は。
黒い破片へ。
職員
緑龍 風雅《白夜》
風雅が短く答える。
低い声。
しかし。
研究員は資料を置こうとして。
1歩だけ前へ出た。
その瞬間。
ピシッ────
透明な隔離容器の表面に。
細い黒い亀裂のような模様が走る。
紫苑 陸《虚路》
研究員は慌てて後退する。
亀裂は。
一瞬で消えた。
部屋が静まり返る。
赫鞘 樹《赫災》
赤橙 唯《蒼祈》
白狐 颯
赤橙 唯《蒼祈》
赤橙 唯《蒼祈》
白狐 颯
空間そのもの。
そこへ。
傷がついた。
そんな現象。
聞いたこともない。
風雅は破片を見つめたまま言う。
緑龍 風雅《白夜》
紫苑 陸《虚路》
緑龍 風雅《白夜》
誰も反対しなかった。
風雅がそう判断するということは。
本当に危険なのだ。
龍樹 琥珀《葬列》
少し考え。
風雅は答えた。
緑龍 風雅《白夜》
白狐 颯
桃園 天音《灯火》
黒巌 凛《灰霞》
白狐 颯
境界局には。
まだ自分の知らない施設がいくつもある。
その時だった。
ピッ────
突然。
解析室の証明が赤く変わる。
《警告》
《封印庫︰第一層》
《封印術式 一部低下》
機械音声が部屋に響く。
全員の表情が変わる。
灰渕 博《静界》
紫苑 陸《虚路》
赫鞘 樹《赫災》
風雅はゆっくりと蓋を閉める。
そして。
全員を見渡した。
緑龍 風雅《白夜》
緑龍 風雅《白夜》
十二席が同時に動き出す。
颯は最後に一度だけ。
黒い破片へ視線を向けた。
その表面には。
もう何も映っていない。
……はずだった。
ほんの一瞬だけ。
黒い表面に。
誰の口元が映る。
ゆっくりと。
笑ったように見えた。
白狐 颯
瞬きをする。
もう何もない。
気の所為。
そう思いながらも。
胸騒ぎだけは。
大きくなり続けていた。
コメント
5件
え、空間が………? 誰が裏にいるんだ……、、

