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おまけほんまに好き、久しぶりやね! 恋心を奪われるってなんだかええやん!うち結構好きやで!
事務所への帰り道、守若の兄貴の隣を歩く。
ふと、兄貴にとって俺は何なのか、気になる時がある。
嫌われてはいない。それは間違いない。
むしろ、舎弟の中では、俺が一番のお気に入りですらある。
他の舎弟がいても、俺がいれば、絶対に俺を連れていく。
だから、俺は守若の兄貴のお気に入り。
でも、それは舎弟の中ではってだけ。
本当の意味での一番ではない。
隣を歩く、守若の兄貴の顔を見上げる。
俺の視線に気づいている筈なのに、こっちをみてくれない。
まるで、今の俺達の関係を表しているかのようで。
悔しい。
俺の心を掻き乱し、恋心を強引に奪っていったくせに、兄貴は俺をちっともみない。
自分に視線を向けて貰えない事が面白くなくて
どうにかして、兄貴の視線を向けたくて
恋は人を臆病にも大胆にもさせる。
佐古大和
兄貴が俺に視線を向けてくれないなら、向けされるまで。
守若冬史郎
気づいたら俺は、不敬にも振り向いた兄貴の襟を掴み、引き寄せた。
引き寄せる力が強過ぎたせいか、ガチッと歯が当たる。
かっこ悪っ。
でも、ここまでしたのなら最後まで突っ走るしかない。
守若冬史郎
目を大きく見開く、守若の兄貴。
この人でも、こんな顔するんだ。
佐古大和
俺は子供のように、頬を引っ張り、子供のように歯を見せる。
そんな俺の行動に呆気にとられているのか、守若の兄貴からのリアクションは何もない。
守若の兄貴が、正気を取り戻す前に、俺は走り出す。
ギリギリお互いの顔が視認出来るところで立ち止まり、一人取り残してきた守若の兄貴の方に振り返る。
佐古大和
佐古大和
佐古大和
一方的に伝えるだけ伝えて、俺はその場を離れた。
高鳴る鼓動に促されるまま走る。
目的地はない。
顔の熱が覚めるまで、俺は走り続けた。
おわり
あとがき 久々にもりさこ。佐古に青ハルさせてみたくなった。もりさこ飴話とアイドル話の構想は出来てるんだけど、打つ気力が追い付かない。でも、このCP守若が「佐古付き合え」で成立しそうだよね。
おまけ
久我虎徹
事務所への帰り道、見知った人影があった。
久我虎徹
久我虎徹
なぜか守若の兄貴が道の真ん中に、座り込んでいた。
守若冬史郎
俺の声に反応して、守若の兄貴が顔をあげる。
久我虎徹
林檎のように耳まで、真っ赤な顔をしていた。
守若冬史郎
守若冬史郎
その一言で、これは面倒くさいことになったと悟った。
でも、被害は佐古だけで済みそうなので、俺は
久我虎徹
とりあえず、エールだけ送っておくことにした。
いざとなれば、高砂の兄貴にどうにかして貰おう。
おわり