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ぬめぬめぬ

ワンクです

花京院典明

じゃあ、行ってきます

そう言って玄関の扉を開け学校へ向かう

DIOを倒し嵐のような旅も過ぎ去ったあと

1ヶ月も休んでしまった学校の単位を取り戻すべく充実した日々を送っている

空条承太郎

ん、花京院

花京院典明

承太郎!

空条承太郎

学校まで一緒に行こうぜ

花京院典明

ああ、喜んで

ずっとひとりだと思ってた僕に旅を経て友達というものができた

花京院典明

ふふ

空条承太郎

なんだ

花京院典明

いや、こんな僕にも友達が出来てとても嬉しいんだ

花京院典明

スタンドを持っていない人達とはどうしても心を開けずにいたから…

花京院典明

なあ承太郎、友達ってこんなに楽しいんだな

ふふ、と微笑みかける僕を見て承太郎は少し照れくさそうに帽子のつばを下げて笑ってみせた

花京院典明

そういえば僕、友達としてみたかったことがあるんだ

空条承太郎

なんだ

花京院典明

ずばり、昼ご飯を一緒に食べることだ

花京院典明

今日の昼は空いてるかい?よければ一緒に昼ご飯を食べてくれないか

空条承太郎

なんだそんなことか

空条承太郎

いいぞ、俺の穴場を教えてやる

空条承太郎

そこで一緒に食おうぜ

花京院典明

本当かい!昼が待ち遠しいよ

空条承太郎

先に腹空かして早弁するんじゃあねえぞ

花京院典明

もちろんだとも!

楽しそうに話す僕を見て承太郎もつられて表情が緩んだ

承太郎って案外表情がやわらかい奴だな

先生

…して、ここがこうなります

先生が板書を終えたところでチャイムがなった

先生

それじゃあここまで

先生

テストが近いからそろそろ小テスト行いますちゃんと勉強しといてね〜

え〜!とうなだれるクラスメイトをよそにちゃっちゃと職員室へ帰ってしまった

花京院典明

さ、僕も承太郎の教室へ向かおう

A子

花京院くん、だよね?

花京院典明

あ、はい

花京院典明

僕になにか?

A子

あの、今から屋上前の踊り場に来てくれない?

花京院典明

花京院典明

でも僕先約があって急がないと…

先程4時間目が終わり昼休みの時間となった

僕はこの後承太郎と昼ごはんを食べる約束をしてしまっている…どうしよう

A子

お願いすぐ終わるからさ!

A子の頼みを断れず

花京院典明

あー…まあそれなら…

A子につられてしぶしぶ踊り場へと向かった

少しして

空条承太郎

おい、花京院いるか

きゃ〜!!ジョジョ!!!と黄色い歓声があがる

C子

花京院ならA子に連れられてどっか行ったわよ?

B子

あら、もしかして告白かしら?

空条承太郎

なんだと

C子

A子ったら転校初日から目をつけてたらしくって

空条承太郎

空条承太郎

邪魔したな

ドアをガンッと思い切り開けてひとりで穴場へと歩いてった

C子

ジョジョったらどうしたのかしら

B子

やだC子ったら分からないの?

B子

あんなあからさまに怒った風な態度見せてたらそう考えてしまうわよジョジョ…

花京院典明

それで話ってなんですか?

A子はうつむいて口をもごもごしながら連れてきた理由を話した

A子

実は私、花京院くんが初めて転校してきた時…

A子

かっこいいなって思って…一目惚れしちゃったみたいなの…

花京院典明

え…それって……

A子

私、花京院くんのことが……!!!

そう言っている間階段を上がってくる音がした

上ってくる音はどうやら屋上を目指しているらしい

空条承太郎

おい、こんなとこで何してんだ

A子

じ、ジョジョ?!

花京院典明

承太郎…

空条承太郎

そこのあんた、すまないが教室に帰ってくれないか

A子

〜〜っ

A子

花京院くん!また今度話すわ!

花京院典明

あ、ああ

花京院典明

また今度

そう言ってA子はばたばたと階段をかけ降りた

そういう音だった

花京院典明

承太郎…どうして君がここに…

空条承太郎

ああ、お前の教室へ行ったんだがクラスメイトの奴がお前がどっかに連れてかれたって言うもんでな

空条承太郎

ひとりで穴場に行こうと思ってここに来たらお前がいた

花京院典明

すまない、こんなところを見せてしまって

空条承太郎

別に構わん

空条承太郎

それに、約束してただろ

空条承太郎

穴場教えてやるって

そう言って屋上のドアノブへ手をやる

花京院典明

わ…

花京院典明

ここが君の穴場なのかい?!風が気持ちいいな!

空条承太郎

だろう、ここで食う飯は美味いんだぜ

あ、と思い出したように花京院が言った

花京院典明

すまない承太郎

花京院典明

僕、教室に弁当を置いてきてしまったんだ

花京院典明

一緒に食べるって約束したのにすまない

申し訳程度に笑う花京院の口に承太郎は自分の弁当の具を押し込んだ

花京院典明

んっ

空条承太郎

俺のおふくろの弁当がでかいんでな

空条承太郎

2人で分けようぜ

花京院典明

ホリィさんは毎日こんな量の弁当を作ってるのか?

空条承太郎

おかげで食うのが大変だぜ

空条承太郎

それより花京院

空条承太郎

あの踊り場でなんの話をしてた

花京院典明

あー…

先程の出来事を思い出しながらぽつりぽつりと呟いた

花京院典明

あれはきっと、告白だったのかな

花京院典明

告白でなくとも、A子さんにとって大事な話だったんだろう

花京院典明

A子さんが話そうとしてた時に丁度君が来たから肝心の言葉は聞けなかったけど

花京院典明

あの雰囲気は告白っぽかったな

花京院典明

違ってたら僕が自惚れてただけで恥ずかしいんだけどね、はは

言ってるうちに若干恥ずかしくなってきて頭の後ろを掻く

空条承太郎

そうか

承太郎の表情が曇る

空条承太郎

それで、お前はどうなんだ

花京院典明

…?

花京院典明

どうって?

空条承太郎

告白されてお前はどうなんだよ

花京院典明

どうって言われても…

花京院典明

別にまだ告白されたわけじゃあないが

花京院典明

僕は、友達すら数えるくらいしかいないのにましてや恋人なんて…びっくりしたよ

花京院典明

こんなこと初めてだったからね

空条承太郎

もし告白されてたらお前付き合ったのかよ

花京院典明

いや、付き合わないよ

花京院典明

そもそも僕は好きな人なんていないからね

そう言ってから少しの間沈黙が続いた

でも僕には本当に好きな人なんていないし付き合うとかそういうことを考えたことすらなかった

花京院典明

承太郎?

空条承太郎

花京院典明

あ、よかった

花京院典明

君黙り込んじゃうから

空条承太郎

なあ花京院

花京院典明

なんだい?

空条承太郎

友達ならこんな事もするんだぜ

花京院典明

どんなことですか?

きょとんとする僕に承太郎は息をするかのようにさも当たり前に

僕にキスをした

花京院典明

………な、ななななななな

花京院典明

なにをするだァー!!!

つい声が張ってしまった

だが、それくらいびっくりしたのだ

友達ならキスも当たり前なのか?

花京院典明

ふざけてるのか?

空条承太郎

ふざけてなんかいねぇぜ

そう言って彼はつばを持って立ち上がりこっちを向いた

太陽の逆光によってこっちを向いた姿が暗くてよく見えなかった

それでも承太郎が今どんな気持ちなのか、なんとなくだが声色でわかったような気がした

空条承太郎

もし俺がお前を好きって言ったらどうする

花京院典明

え?

冗談だと思って顔を見た

眉間に皺を寄せ真っ直ぐとこちらを見つめる彼の顔は真剣だった

逆光の中、声色、雰囲気から考えてそんな風な気がしてならない

空条承太郎

すまん、頭冷やしてくる

そう言って彼は僕を置いて屋上を出た

花京院典明

一体どうしたんだ承太郎…

花京院の友人?恋人?

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コメント

7

ユーザー

邪ナサンが邪魔をしてきたようだ(マジで神作じゃあないかッ!)

ユーザー

おぉっと、また神作品を見つけてしまったぁ!

ユーザー

ナンテコッタ・フーゴ…神作じゃあないか…

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