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みなさん

すいませんでした!

前回から八日も経ってしまいました

リアルが少し忙しくて......

ほんとにすいません

すぐに本編に入ります

どぞ!

夜桜 輝が“虚空”を解放した翌日。

学園の空気は、微かにざわついていた。

生徒A

……第七演習区で、爆発があったらしいぞ

生徒B

誰も入ってなかったはずなのに……

生徒C

いや、あそこは立入禁止区域だろ?

教室に漂う噂話。

しかし、誰も核心には触れない。

輝は、静かに机に座り、ノートを開いた。

その顔には、いつもの柔らかな笑み。

――だが心の奥では、昨夜の代償の痛みが、今も鋭く残っていた。

(……記憶が欠けている。瑠花と耀の、あの日の記憶が)

(魂を削る代償。これから先、どれほど奪われていくのか……)

視線を上げると、瑠花が心配そうにこちらを見ていた。

瑠花

……お兄ちゃん、また眠れてない?

大丈夫だよ。心配かけてごめん

いつもの優しい声。だが、心の奥は冷たく沈む。

◆ 学園上層部の動き

同じ頃、学園本部・監視室。

巨大な魔術式スクリーンに、演習区の残骸が映し出されていた。

氷室

……これは、ただの爆発ではない

銀縁眼鏡をかけた初老の男――【学園監察官・氷室】が低く呟いた。

氷室

空間そのものが“欠損”している。物質は跡形もなく消滅した

上官

虚空系能力……学園内に、そんな者がいたか?

背後の補佐官が答える。

補佐官

記録にはありません。ただ、波形の痕跡からして――“複合属性能力者”の仕業かと

氷室は目を細める。

氷室

複合……まさか。もし六属性を制御できる者がいるとすれば――危険すぎる

スクリーンの端に、残留エネルギーの光が映し出される。

その色は――蒼白。

氷室は小さく息を呑んだ。

氷室

……監視を強化しろ。対象は――

――夜桜 輝だ

◆ 見えざる影

夕暮れ、輝は中庭で書類を抱えて歩いていた。

生徒会の仕事で、資料の整理を任されていたのだ。

木々の間を抜ける風。

だが、その背後に――微かな視線の気配を感じる。

(……誰かに見られている?)

立ち止まり、周囲を探る。

しかし、そこには誰もいない。

(錯覚じゃない。これは――)

虚空の力を右目に宿す。

蒼白の輝きが走り、世界の“隠れた層”が視界に映る。

そこには、黒い外套をまとった“影”が一人、屋根の上に立っていた。

……やはり

だが次の瞬間、影の姿は霧のように掻き消える。

残されたのは、冷たい違和感だけ。

◆ 夜、寮の部屋にて

その夜。

寮の自室で机に向かう輝。

だが、胸の奥のざわめきは収まらない。

(監視されている。誰だ……? 学園か、それとも……)

(もし虚空のことが知られれば、俺は――)

ふと、机の上の写真立てに目をやる。

そこには、家族五人で撮った最後の写真。

母・柚華の穏やかな笑顔。

兄・煇の頼もしげな顔。

妹・美麗の陽の様な笑顔。

そして、今も隣で生きている瑠花と耀の笑顔。

(――守らなければ)

(たとえどんな監視があろうとも、俺の戦いは変わらない)

その決意の裏で、虚空の代償がまた一つ忍び寄っていた。

――ふと気づく。

母の声の一部が、思い出せない。

写真に写る笑顔は鮮明なのに、声が霞んでいく。

……っ

拳を強く握りしめ、俯く。

これ以上、奪わせはしない

だが、その背後。

窓の外の闇の中に、再び“監視者”の影が、静かに佇んでいた。

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