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主
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主
夜桜 輝が“虚空”を解放した翌日。
学園の空気は、微かにざわついていた。
生徒A
生徒B
生徒C
教室に漂う噂話。
しかし、誰も核心には触れない。
輝は、静かに机に座り、ノートを開いた。
その顔には、いつもの柔らかな笑み。
――だが心の奥では、昨夜の代償の痛みが、今も鋭く残っていた。
輝
輝
視線を上げると、瑠花が心配そうにこちらを見ていた。
瑠花
輝
いつもの優しい声。だが、心の奥は冷たく沈む。
◆ 学園上層部の動き
同じ頃、学園本部・監視室。
巨大な魔術式スクリーンに、演習区の残骸が映し出されていた。
氷室
銀縁眼鏡をかけた初老の男――【学園監察官・氷室】が低く呟いた。
氷室
上官
背後の補佐官が答える。
補佐官
氷室は目を細める。
氷室
スクリーンの端に、残留エネルギーの光が映し出される。
その色は――蒼白。
氷室は小さく息を呑んだ。
氷室
――夜桜 輝だ
◆ 見えざる影
夕暮れ、輝は中庭で書類を抱えて歩いていた。
生徒会の仕事で、資料の整理を任されていたのだ。
木々の間を抜ける風。
だが、その背後に――微かな視線の気配を感じる。
輝
立ち止まり、周囲を探る。
しかし、そこには誰もいない。
輝
虚空の力を右目に宿す。
蒼白の輝きが走り、世界の“隠れた層”が視界に映る。
そこには、黒い外套をまとった“影”が一人、屋根の上に立っていた。
輝
だが次の瞬間、影の姿は霧のように掻き消える。
残されたのは、冷たい違和感だけ。
◆ 夜、寮の部屋にて
その夜。
寮の自室で机に向かう輝。
だが、胸の奥のざわめきは収まらない。
輝
輝
ふと、机の上の写真立てに目をやる。
そこには、家族五人で撮った最後の写真。
母・柚華の穏やかな笑顔。
兄・煇の頼もしげな顔。
妹・美麗の陽の様な笑顔。
そして、今も隣で生きている瑠花と耀の笑顔。
輝
輝
その決意の裏で、虚空の代償がまた一つ忍び寄っていた。
――ふと気づく。
母の声の一部が、思い出せない。
写真に写る笑顔は鮮明なのに、声が霞んでいく。
輝
拳を強く握りしめ、俯く。
輝
だが、その背後。
窓の外の闇の中に、再び“監視者”の影が、静かに佇んでいた。