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私だけの“無責任”ヒーロー

和泉舞白

文化祭の準備に追われる1週間

その苦労もあと一日ではしゃぐほどの楽しみに変わる

それなのにここにいる無責任なやつは、

高橋恭平

ヘイパス!

誰が紙ゴミを丸めてボールにしていいって言ったのよ

朝野結衣

ちょっと高橋!

朝野結衣

それゴミ!

朝野結衣

ボールじゃないから捨てて!

高橋恭平

朝野は硬いよな

高橋恭平

朝野もやろうぜ?バスケ

朝野結衣

紙ゴミでできないから!

朝野結衣

はいはい暇ならこれ運んで!

めんどくさい相手に 自分が持っていく予定だった 大きなダンボール箱を渡した

高橋恭平

重っ!

高橋恭平

おま、力バケモン??

朝野結衣

違う!

朝野結衣

あんたが大袈裟なだけ

余計に面倒くさくなって来て、

私はめんどくさいのをほっといたまま、

廊下を歩いていった

目的地とは真反対の方向へ、

少し遠回りをして当日に使う予定の空き教室の前に着くと

何やらクラスの女の子たちが 恋バナなりなんなりしてるらしい、

「高橋くんメインイベントの公開告白大会出るって」

「まじ?!誰に告白すんの?!」

「噂だとひとつ上のみなみ先輩かもって」

「うわぁまじか!!誰に告白するにせよ見るしかないよね」

何となく、これは私でもわかる、

みなみ先輩が好きという彼

みなみ先輩というのは私たちのひとつ上の先輩で、3年生の中でもと言うか学校を代表できるくらいにモテる人で

噂でなくても実際、

仲良さそうに一緒に帰っていたり、

裏庭で楽しそうに話していたり、

きっとカップルだと言われてもおかしくないほどだ、

だけど、なぜ、

わざわざ公開告白で気持ちを伝える必要があるのだろうか、

私からすれば高橋の考えることはよく分からない、

2年もクラスが同じなのにも関わらず、

「あれ?!学級委員長いるじゃん!」

「サボってるのギリバレてない?」

彼女らの声が私の我を返してくれる、

朝野結衣

自分で言ったらアウトだね

「あちゃぁ、」

なんて言う女の子たちに紛れて

モヤモヤした意味のわからない わだかまりのようなものを

無理やり消そうとしながら

散らかった道具を箱に詰め込んだ

翌日

ほとんどの生徒や先生が待ちに待った

文化祭がついに幕を開けた

私たちのクラスはお化け屋敷という 至って普通の出し物

だけど、同学年以外にも他学年、他校の生徒が中に入っていき

少し怖いけど面白いと評判が良かった

受付にいた私はそれを見てなんだか去年よりも楽しいなんて

他人には見えない心の中を利用して 微笑んでいた

そんな時だ、

放送委員が流す放送が聞こえてきた

「“講堂にてメインイベントの公開告白大会が行われます” ぜひ観に行ってみてください」

行きたいけど、今の私は受付を離れられない気がする、

そう思った時に

道枝駿佑

朝野さんは行かないの?

朝野結衣

え?

朝野結衣

わっ

背の高いはずの道枝くんの顔が 机の高さにあって私はびっくりした、

朝野結衣

み、道枝くん?何してるの、?

道枝駿佑

朝野さんがここに居たからお話してるだけ

朝野結衣

何それ

道枝駿佑

で?

道枝駿佑

朝野さんはメインイベント行かないの?

朝野結衣

一応受付だし、

朝野結衣

行ってる間に人来たら悪いし、

道枝駿佑

多分今はメインの方が大事だから

道枝駿佑

休憩の看板立てといたら人は来ないよ

朝野結衣

なんか、サボってるみたい

道枝駿佑

サボっていいんじゃない?

道枝駿佑

準備頑張ってたし

朝野結衣

え、?

道枝駿佑

掃除まで一人残って頑張ってたじゃん

朝野結衣

知ってたの?

道枝駿佑

俺は隣の部屋の片付けで忙しかったけど、

道枝駿佑

通りすがる度にひとりで頑張ってんだもん

道枝駿佑

休憩がてら見に行こうよ

道枝駿佑

“一緒に”

朝野結衣

お客さんが来た時の対応、道枝くんがどうにかしてね

んーそれはその時次第かな なんて無責任なこと言う彼と

とりあえず講堂に向かった

講堂には人という人が集まりすぎてもはや朝の満員電車

その中でも舞台はスポットライトで輝いている

ちょうど2組目が終わったらしく

ラブラブで帰っていくカップル

それは高橋の姿ではなく全く別の人

応募したのは3名と聞いていたが

まさか同じクラスからその1人が出るとは、

そしてラストの人が舞台に立った 瞬間

熱気と完成に包まれた講堂

その原因は言うまでもなくあいつで、

後ろの方というのにキャーキャーとはしゃぐ女子に押し潰されそうだった

道枝駿佑

こっち行こか

なんて言う道枝くんは私の手を引いてかろうじて人の量が浅い通路側に出る

朝野結衣

ありがと

全スポットライトと全視線が高橋に向かう中

たまたま視界にみなみ先輩が入ってきた

少しソワソワした様子のみなみ先輩はきっと告白されるからなのだろうか

緊張感が高まってきた講堂は静まり返る、

そして高橋はマイクを口元にし話し出す

高橋恭平

俺が告白したい相手は、

高橋の目線がみなみ先輩の方に向く、

それにつられて他の人もみなみ先輩の方を見る

だけど、みなみ先輩の名前は口には出さず、

私と目がバッチリ合う

高橋恭平

朝野結衣

高橋恭平

学級委員長だよ

自分の名前が呼ばれたはずなのに 何も聞こえなかったように感じて、

信じられない私は

何故か視界がぼやけて、

なのに会場は盛り上がっていて

私のために道が開けられる

司会の生徒が 「それでは朝野さん舞台にどうぞ」

そう言う声も水の中から聞いているかのように小さな音で反響して、

とりあえず開けられた道を進もうとした

だけどその時、

道枝駿佑

待って!

10歩くらい開けられた道を進んだ時、

後ろから追いかけられるように声がした

道枝駿佑

高橋が告白するなら俺もする

振り返ると道枝くんが真剣な顔をして高橋にそう言った

舞台の上には私たち3人だけ、

私と向かい合いように立った 2人、

あまりにも急展開過ぎて口を開けてる人や、面白そうにニヤニヤする人、

頑張れと声を上げる人、

色んな人に囲まれて声を出したのは

“ずっと好きって伝えたかった”

“俺が絶対に幸せにする だから付き合って欲しい”

私だけの無責任なヒーローは 一体どっちだろう

END

次の短編まで ♡400以上

あなたはどっちの無責任ヒーローと結ばれますか??ぜひ教えてください🫶🏼💗

♡連打や💬沢山待ってます🫶🏼💗

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