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志穂に会った
なのに、不思議と何の感情も浮かばなかった
爽
（ああ、コイツのおかげか）
俺よりも動揺してるのが見てわかる
俺の言葉一つで
怒ったり
喜んだり
爽
爽
え…
恵那
…？
自然に名前を呼びたくなった
でも、口を閉じる
爽
次はどこ行きたい？
恵那
観覧車！
恵那
楽しいね
恵那
爽さん！
爽
…ああ
俺には一つ
聞きたいことがあった
爽
なあ、なんで俺の事好きになったんだ？
恵那
…っ
恵那
本人に言わなきゃ駄目？
爽
言いたくなきゃ別に…
恵那
ううん言いたい
恵那
あの頃のお礼もしたいし
少し頬を赤らめながらも懸命に言葉を紡ぐ
恵那
莉乃を助ける大きな背中に
恵那
この人、格好いい！好きだなって思ったんだ
恵那
恵那
あの時、爽さんに会えて良かった
恵那
それと、私の声を聞いて
恵那
莉乃を助けてくれてありがとう
空回りして
常識知らずの目の前の子供が
一人の女性にしか見えなかった
爽
…っ
爽
俺を好きになってくれてありがとう
恵那
どういたしまして？
心臓の跳ねる音が、心地よく感じた
恵那
今日は楽しかった！
恵那
送ってくれてありがとね
爽
…今度は
爽
俺にも何か作れ
恵那
え…？
爽
将人に菓子やってたろ
爽
あれ美味かった
恵那
爽さん食べたの？
爽
ああ
恵那
じゃあ今度作ってもらえるよう
恵那
お母さんに頼んでみるね
爽
…？
爽
お前が作ったんじゃねえのかよ
恵那
え！？
恵那
私が作れるように見える？
爽
…見えない
恵那
もう！
恵那
そろそろ家入るね
恵那
バイバイ！
爽
爽
待て…！
恵那
…っ！
思わず手を引っ張った
恵那
爽さ…
爽
え…
爽
何でもねえ
手を、解いた
爽
じゃあな
恵那
あ…
将人に嫉妬して
今だって「帰したくない」って思った
それにこの胸の鼓動が教えてくれる
爽
（俺は…アイツが好きだ）
将人
先輩、おはようございます！
爽
はよ…
爽
話あるから昼、飯行くぞ
将人
え、はい？
いつもの無表情
だけど何か嫌な予感がする
爽
座れ
将人
はい…
爽
なあ、将人
爽
俺もアイツが好きだ
将人
…っ
将人
そう、すか
負けられない
俺も動かなきゃな
将人
センパイ
将人
将人
負けませんから
爽
俺も負けねえ
将人
さ、仕事戻りましょ！
恵那
～♪
恵那
昨日は楽しかったな！
楽しかった
けれど、どこか爽さんの様子がいつもと違う気がした
公園で…
志穂さんに向けた表情と同じ顔を私にした
恵那
（まさか…ね）
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