霧の濃い、深い深い森の奥。
天音
っ、お母さんっ、
天音
どこっ、なの!
天音
ひっぐ、ぐす、
天音
…?
天音
ここ、何?
少年の前に突然現れた白い子屋。
天音
…は、入ろう、かなぁ?
天音
わぁ、っ!
その中にはとても美しい少女がいた。
少女
…あら、こんにちは。
少女
貴方「も」、迷い込んで来たのかしら?
天音
っ、
どこか儚く、大切な人をなくした悲しみを美しく纏っているような雰囲気を放つ少女。
少女
、大丈夫、怖くないよ。
少女
おいで!
天音
う、うわぁぁあん!!
少女は僕にたくさんの事を教えてくれた。
世界の大きさ
木々の美しさ
生命の神秘
天音
…どうしてそんなに森に詳しいの?
少女
ふふっ、
少女
何年もここに居るもの、嫌でも覚えてしまうわ。
少年は少女に惹き込まれていった。
数年が経ち、少年は青年になっていた
少女はあの日と変わらずとても美しいままだった。
天音
…相変わらず君は綺麗なままだな
少女
女性はいつまでも綺麗でいなくちゃ、貴方に嫌われないように。
少女は微笑んだ。
青年と少女は恋に落ち、愛し合う喜びを感じながら幸せに暮らしていた。
それからまた数年が経ち…
青年は老人になった。
少女はあの時の少女のまま。
空に手を伸ばし、少女は言った。
少女
月が、綺麗ね。
天音
…あぁ、まるで君のようにね。
老人はそう微笑みながら
息を引き取った。
少女
っ、
少女
ひっく、うぅ、う
少女
っ、ゔぁぁぁぁん!!!
少女は泣き崩れた。
少女
…っ!
自分が成長できない事が憎かった。
少女
っ、何回目だろう、こんな思いをするのは、
少女
「何人目」なんだろう、天音は
時は、おとぎ話のようにあっという間に過ぎていった…
幾千、幾万、幾億…
どれだけの時が過ぎただろうか。
また、子屋の外から足音がする。
???
、あっ!
???
綺麗なお嬢さん、こんにちは。
???
少し道に迷ってしまってね…
見知らぬ少年はそう言った。
少女
…ふふっ、
あぁ、またはじまる。
新しい物語が。
主
はい、完全に私の気まぐれっすね、笑
主
どうも駄作製造機です。
主
んじゃ、バイニコ!