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友達の彼氏【完結作品】

第3話 - 友達の彼氏③〜終わりと彼の始まり〜

2022年03月20日

#ホラー

#ミステリー

#オリキャラ

#一次創作

#第2回テノコン

あいしん

お冷、失礼します…

翔

やはり、例外にすがるのは不完全燃焼を起こすかもしれませんね。

優子

ハッキリ言いますけどね

翔

ええ、是非。

優子

何年も美緒を探してた
ほくろが無いから困った
例外ってオッケーかなぁ

優子

意味が分からないにも程がある！

優子

…別れて下さい

優子

美緒を振り回さないで！

美緒

ゆうこぉ……

優子

美緒ゴメン、
でも！コイツはダメッ！

翔

そうですよね
優子さんの言う通りだ。

翔

焦っていました
こんなの美緒には程遠い。

翔

要りません。お返しします。

優子

テメェ……

美緒

優子、大丈夫だから。
私ももう分かったよ…

美緒

別れる前に教えてほしい
しょークン

翔

別れる前という事ならまだ許すが
二度とそう呼ぶなよ。

翔

お前に資格はない。

美緒

ひっ…
も、元山君…

翔

何でしょう。

美緒

美緒…サンの事教えて欲しいの

優子

そうよ、私たちには聞く資格あるわ！

翔

お前達には理解出来ないでしょう。

翔

美緒の素晴らしさ、全てを包み込んでくれる聖母。
僕と縁を結べる唯一無二の存在。

翔

けれどいなくなってしまった。

翔

僕のたった一つの縁が。

翔

耐えられない。

翔

だから例外を認めるしかなかった。
限りなく美緒に近いモノを見つけるか作るか。いや、見つかるはずはないとハッキリ分かった。
そうなんだ。
美緒は美緒しかいない。
作るしかないんだ。

優子

ぶつぶつコーナー入っちまったよ…

翔

仕方ないですね。これが僕の今の唯一の癒しだ。

優子

写真……え？

美緒

昔の写真だよね、これ一緒に写ってるの…

優子

何これ、ボロボロのにんぎょ

美緒

優子！！

優子

うっ…

優子

(ヤバ、これ絶対地雷だ…美緒サンキュー)

美緒

これが、美緒サン？

翔

ああ。

翔

外見が整っていない事は僕にも分かっているさ。
けれど見てみなさいこの取れかけた瞳…。

翔

僕を見下し笑っている。それがまた美しく皆を魅了する。意を決して視線を合わせた日の事を忘れた事はない。

翔

よくできたねと褒めてくれた。
幼い頃から側にいた僕の唯一の女性であり女神が褒めてくれた。

翔

ご褒美に服を脱がして良いと許してくれたんだ。
この時の僕がどれだけの恍惚と興奮に溢れたか分からないだろう。

優子

っ……

美緒

うっ……

翔

崩れそうな肢体を撫でながらゆっくりと脱がした。
そうしたらどうだ！
服の下は何とも綺麗な白い肌。
そして

美緒

内腿のほくろ…

翔

よく分かったね。
白い肌に黒くまあるい痕。
吸い込まれそうになったよ。

翔

ようやくお許しを頂ける男になれたんだと、それからは毎日美緒との蜜月を過ごした。

撫でる様に服を脱がし、口づけを落としながら、ほくろや秘部を舐めさせてもらい、初めての射精は美緒にしっかり見下してもらいながら出来た。

翔

なのに、なのにっ！！

優子

何⁈

翔

美緒は消えてしまった！！突然急に！攫われたんだ！！美緒は誰でも魅了してしまうから！！
くそっ！僕の美緒を！殺してやる！殺してやるっ！！

翔

…

翔

いや、違う。

翔

美緒は、僕に飽きてしまったんだろう。骨抜きにするだけして去っていく。魔性の女なんだ。
トチ狂う僕を何処かから見て、あの妖艶な顔で笑っているんだ。

翔

そう言い聞かせてきた。

翔

けれど僕の唯一である美緒が居ないなんて事考えられないだろ？死に等しい。

優子

それで、例外を？

翔

ああ。
代わりになる様なモノを探す事にした。美緒に代わる存在などいないと分かっているのに。

代わりでもいないと耐えられなかった。

翔

人間の女は向こうから寄ってくるから選別しやすい。けれど外見の時点でどいつもこいつも当てはまらない。

翔

顔を少し溶かして目を外したところを想像してみるがまるでダメな奴ばかりだった。

翔

何年も何年も。

翔

そしてようやくマシな、そこの美緒が近寄ってきました。ほくろをどうにかすればと思ったが、

結果はこれです。もう要らない。

優子

長々とどーもでしたっ

優子

よーーーく分かりましたよ
元山　翔の人間性

優子

くっそド変態野郎がっ！

美緒

優子っ！！

バンッ！！

翔

もう一度、どうぞ。

優子

変態人形ヲタ狂人野郎！！焼け焦げ人形に興奮オナ野郎がっ！！

美緒

優子っゆうこっ！！

翔

別に怒りませんよ。
お前達に理解出来るとは始めから思っていないので。

翔

けれど。

翔

美緒の事を何と？

優子

焼け焦げ人形がどうしたってのよ！
ほくろじゃなくて焦げた跡でしょ？

翔

…

翔

お前か？美緒を攫ったのは。

翔

そうだ、お前だ。

優子

は？

美緒

しょっ…元山君⁈

翔

お前、自分の下品な醜さに絶望して、美緒の美しさに嫉妬して。

優子

ちょっ…目ヤバいんですけど…

翔

お前、お前、

翔

返せよ返せよ

翔

美緒を返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ！

優子

キッ…

優子

キャァァァァァ！！！

美緒

優子ーーーっ！！

ドサッ……

「元山グループ会長、後任は外部からの人選を決定」

先輩

へー、まぁ潰れなかっただけ凄いよねー。何年前だっけあの事件

美緒

さぁ…昔過ぎて覚えてないですね

先輩

なーにおばちゃんみたいな事言ってんのー！新人看護師がその記憶力じゃ困るよー！

美緒

あははっ、そうですね

先輩

ん？何？美緒ちゃん？休憩中。
美緒ちゃん、お客さんだってー

美緒

え、はい…

ぱたぱたっ

優子

みーおーーっ

美緒

優子っ！！

優子

営業でこっちきたからさ、ちょっと寄っちゃったっ

はいこれ、皆さんで食べてね？

美緒

ありがとう優子…

美緒

外庭行こっか

サァァァァッ……

優子

今日は風気持ちいいなー
コーヒーが美味い！

美緒

ふふっ

優子

なにー？

美緒

優子変わんないねー

美緒

ホント、良かった…

優子

刺されたくらいで性格変わんないわよっ
リハビリはちょっと掛かっちゃったけど就職して働けてんしさっ

優子

見舞いに来なくなった美緒氏の方が心配だったんですけどー

美緒

ごっごめんね
目が覚めるまでは本当に心配だったんだけど…

優子

復活したら今度は罪悪感…でしょ？

美緒

…うん

美緒

私が巻き込んだから

優子

いーよ！てかあのまま美緒がアイツと付き合ってたらって考える方がコワいわ！

美緒

…

美緒

刑事さんから聞いたんだけど

美緒

元山君のお母さん、焼身自殺だったんだって。一般的には病死ってされてるけど。

優子

マジ…
焼身って、もしかしてあの人形

美緒

うん、人形を抱えて家族の前で…

美緒

父親のモラハラが原因で病んでたらしい

優子

はぁぁ
そっから狂っちゃったかぁ…

優子

子供らも気づかずトラウマ植え付けられてたって感じかー

美緒

母親があの人形に付けてた名前が「美緒」だったんだって。生まれるはずだった子供の名前。
父親の暴力で流れちゃった子…

優子

病む決定打だったのか

優子

それでも！私アイツに同情しないわよ！塀の中で反省しとけっ！

美緒

…だね

優子

さっ、私そろそろ行くわ
またランチ行こうねー

美緒

あっ、優子っ…

優子

ん？どした？

美緒

あ、ううん
無理しちゃダメだからね

優子

オーケーオーケー！
仕事ダルーってなった時だけ調子悪くするわっ

優子

じゃ、またね！

美緒

うん、またっ

カッカッカッ……

美緒

優子には言えない、言っちゃダメだ

美緒

また巻き込んだら、ダメ

先輩

美緒ちゃんお帰り！
って言いたいとこだけど急患！

美緒

はっはい！

先輩

ふぅ…

美緒

？先輩、もしかしてまた…

先輩

当たり…
例のヤツ

先輩

また警察くるのかぁぁ

美緒

急ぎましょう！

……………

先輩

ふぅ、今月で四人目、か

美緒

事件ですよね、やっぱり

先輩

だね、
女の子ばっかり…
もうホント、流石に見てられないわ

先輩

大丈夫？美緒ちゃん。折角看護師になったのに、こんな訳わかんない状況起きててさ…

美緒

あ、はい…
すみません、少しお手洗いに…

先輩

うん

美緒

…

美緒

ここ半年くらいで起きている猟奇事件。被害者は女性ばかり…

美緒

殺しじゃない。
顔に硫酸をかけられ、左足を切断されている…

美緒

どうしてっ…

美緒

元山君は捕まったまま、何でこんな事が…

翔

(急に攫われたんだっ！)

優子

(子供らも気づかず…)

翔

(作るしかなかった…)

翔

(元山家の…)

翔

(長男…僕には…)

美緒

弟が1人だけ……

美緒

同じものを見て同じ環境で育った

美緒

弟が1人……

美緒

ははっそんな訳

美緒

あるはずない

美緒

あんな変人2人もいたらヤバいよ！

美緒

そうだよ…

美緒

そうだよ私はもう関係無いし

美緒

関係無いよね

美緒

関係無いよね無い無い、そうだやっぱり優子に話そう！笑い話だよそうだそうだ私関係無いもん、うん何か逆に元気になってきたな、今までが落ち込み過ぎてたもんそうだそうだ
違う違う違う…

ピピピピッ

先輩

美緒ちゃん大丈夫？急患！また…例の…

美緒

あ

美緒

ああ

美緒

ああああああああああああああああああああああああああああーーっ！

翔

(美緒。)

翔

(逃げる資格はないんだよ。)

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