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天使と悪魔が仲睦まじく暮らしていた。でも
仲が良いと言っても結婚するとか付き合うとかは許されていなかった
理由は単純で白い翼と黒い翼が交わると不吉だと言われていたからだ。
それでも良き交友関係を築き上げていた
そんな時
ある天使の少年が悪魔の少年を好きになる
その少年達は惹かれ合うように仲良くなり、お互いが同じ気持ちになるのは遅くなかった
そんな少年達の健気で純粋な気持ちを大人達は聞いても悪い顔なんて1つもせずに受け入れた
その2人が仲が良いのは知っていたし少年同士なら別に。そう判断したのだ
だが
それが間違いだった
天使の少年は非常にフレンドリーで誰にでも話しかけて仲良くなれるそんな気さくな少年だった
しかし、欲深い悪魔がそんな誰とでも話す少年を見たらどう思うだろうか?
答えは簡単
嫉妬に狂い最後には天使の少年の翼を落とし、終いには自分の翼まで切り落として2人で姿を消したのだ
大人達はそこで再確認した。やはり天使と悪魔は共にいるべきではない。お互いを恨めしく思う前に離れよう。と
そこから天使と悪魔は仲良くしていると良からぬ事が起こると言われていた
大昔の言い伝えだった
でも、もしもこの話が本当なら…?
目の前のきんときの様子がおかしいのに説明がつく
俺は少し後ずさる
そんな俺にきんときは歩みを進める
きりやん
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
きりやん
きりやん
きんときと生きたい。それに嘘偽りはない
でも翼を捨てるとなると俺は躊躇ってしまうのだ
怖い。天使じゃなくなるのが、翼が無くなるのが
悪魔であるきんときが居なくなってしまうのが
確かに俺は君が天使ならと願った
でも、人間に…なんて願ってない
種族はどうしようも無くても生きていけるんだと証明したいのに
彼の感情をなくしたような目を見るとどうしようも出来なくなる
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
きんときの目から大粒の涙が溢れ出ていた
彼の精神が狂い始めているのは知っている
だけど、そんな顔をされてしまうとこんな翼切り落としてもいい。そう思ってしまうんだ
俺は彼に近づいて、彼を抱き寄せた
その時俺も彼と同じように涙を流していた
何故かは分からない。でも勝手に止めどなく流れる涙をどうしようも出来なかったのだ
きりやん
きりやん
シャークん
きりやん
俺が翼を切り落とそう。そう言いかけた刹那
首根っこを引っ張られて後ろへと後退する
俺の隣にはシャークんが立っていた
きんとき
シャークん
シャークん
そう言うとシャークんは俺の手を掴みどこかへと飛んでいく
最後に見えたのは絶望の表情を浮かべたきんときの姿だった