まさか、 グゥちゃんにこんな男の人がついているなんて、 知らなかった。
怖い。
目の前の男の人に、 そう思ったことを認める。
完全に怯えきっているのだろう、 自分でも情けない顔をしているとわかる。
そんな私にもう構うことはないと察したのか、 会長は立ち上がった。
V
そして、 もともと座っていたソファーに戻ろうとしたところで、 ふと何かを思い出したように振り返り、 もう一度、 私を見つめてくる。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかりさん)
ますます、 意味がわからない。
女子生徒(ゆかりさん)
でも、 もう抵抗する度胸も残っていない私は、 ただそう言うしかなかった。
V
V
胡散くさすぎる笑みを浮かべ、 もう私には用はないといった様子の会長。
震える足を必死に動かし、 急いで生徒会室を出た。
女子生徒(ゆかりさん)
異常な脅しをかけられ、 もう、私には彼への興味はなくなっていた。
というより、 あんなのを相手にしたら… 私なんかどうにかされてしまう。
あの顔、 あの目、 あの表情……、 思い出すだけで顔がひきつる。
そして、 最後に言った言葉…。
V
……あの時、 一瞬だけ見せた切なそうな表情が、 脳裏に焼きついて離れない。
たった一人の人を想って… あんな表情ができるものなのか。
きっと、 私にはできない。
だってあんな顔は……。
『愛しくてたまらなくてどうしようもない』って…… 叫んでいるようだった。
女子生徒(ゆかりさん)
やっと気づいた己の過ちに、 初めて… 会長に対しての罪悪感が芽生えた。
【グクside】
テヒョニヒョンから突き放されて教室へ戻ると、 心配そうな表情をしたホソクとユンギに迎えられた。
J-HOPE
ごめんね…!と笑顔で謝って、 適当に理由をつけて誤魔化した。
本当にごめんね二人とも… でも、 心配かけたくないんだ。
2人は優しいから、 同じように悩んで考えてくれると思う。
だから、 2人の前では笑顔でいたい。
大好きだから…。
女子生徒(ゆかりさん)
隣の席から名前を呼ばれ、 振り向けば焦った様子のゆかりさんの姿。
JUNGKOOK
不思議に思って首をかしげた僕に、 言いづらそうな雰囲気を放っていた。
女子生徒(ゆかりさん)
JUNGKOOK
女子生徒(ゆかりさん)
…そういえば… ゆかりさんはテヒョニヒョンから何か口止めされているんだった。
「言ってないよ」と伝えれば、 安心したように息を吐いたゆかりさん。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
心の中で謝りながら、 僕に2人に視線を戻した。
すると、 ホソクとユンギがゴミでも見るような目でゆかりさんを見ていた。
JUNGKOOK
SUGA
SUGA
あはは…。
心配している2人に、 苦笑いしか返せなかった。
________
JIMIN
お昼休み。
3人で、 お弁当を食べていた時だった。
J-HOPE
教室の入口にいる、 僕を探すジミン先輩に気づき、 ホソクがうざったそうな顔をする。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
箸を置いて立ち上がり、 ジミン先輩のもとへいく。
僕を見つけたジミン先輩は、 笑顔を浮かべた。
JIMIN
JIMIN
JIMIN
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JIMIN
JIMIN
わざわざそれを言いに来てくれるなんて、 いい人だなぁ…と思いながら、 お礼を言う。
JIMIN
JIMIN
ジミン先輩の言葉に、 1つ疑問が浮かび上がる。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
だって、 ナムジュン先輩が最近は忙しくて生徒会室にこもっているって… 言ってたのに。
いちばん時間の作れる放課後にいないなんて、 何か用事でもあるのかな?
不思議に思った僕に返ってきたのは、 耳を疑うような言葉だった。
JIMIN
JIMIN
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
一瞬、 息をするのも忘れてしまった。
頭がフリーズするとはまさにこのことだろう。
テヒョニヒョンが… 合唱部の手伝い?
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JIMIN
JIMIN
JIMIN
テヒョニヒョン自身が、 手伝いに言ってくれてるの?
JUNGKOOK
どうして、 そこまで…。
僕が生徒だから?
生徒会長として…?
わからないことが多すぎて、 矛盾だらけのテヒョニヒョンの行動に、 どう考えても答えがでない。
JUNGKOOK
本当に、 手伝いに行ってくれているのかはわからないけど…。
もし、 本当なら…。
JUNGKOOK
僕は、 どうすればいい…の…?
JIMIN
JIMIN
JIMIN
知らない間に涙がポロポロと流れ出し、 床に落ちていく。
ジミン先輩は驚いて、 心配したように顔を覗き込んできた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕ってば……、 いい加減すぐ泣くのやめなきゃ。
みんな困るよ、 こんなふうに泣かれたら…。
JIMIN
JUNGKOOK
必死に涙をこらえ、 目をゴシゴシこする。
頑張って作った笑顔を向ければ、 ジミン先輩が突然、 真剣な表情をした。
JIMIN
さっきよりも、 声のトーンがに低くなった気がする。
JUNGKOOK
僕はそれだけ返事をし、 気恥ずかしくて俯いた。
JIMIN
JUNGKOOK
ただ諦めが悪いだけで、 テヒョニヒョンにとったらとんだ迷惑な人でしないんだから。
反応の仕方がわからなくて黙り込んだ僕に、 ジミン先輩は突然、 距離を縮めてくる。
耳元に唇が近づいて、 思わずビクッと震えた。
JIMIN
どことなく甘い声て囁かれたフレーズ。
JUNGKOOK
JIMIN
JIMIN
聞き返せば、 ジミン先輩はいつものおちゃらけた笑顔で笑いながら、 手を振り歩き始めた。
JUNGKOOK
ジミン先輩は… 不思議な人だ。
それにしても… 合唱、部…。
確かめに…行こう。
そう決意し、 手をギュッと握りしめた僕。
この時は、 まだ知る由もなかったんだ。
テヒョニヒョンがどうしても、 僕を担任の先生から遠ざけたかった理由を__。
コメント
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つづき…みたいです。
はやくつづきがみたい!
めっちゃ好き😘続き早く読みたい!