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もしも願いが叶うのならもう一度

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もしも願いが叶うのならもう一度

9 - 第八話(第1章、最終回)

♥

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2022年01月29日

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はぁはぁ…

翌朝、激しい頭痛に見舞われて目が覚めた

頭が割れそうなほど痛む

また、夢を見たのかな…

はっきりと覚えているのは、照れたようなころちゃんの笑顔

ひまわりの花壇のそばで、お互いに好きって言い合っていた姿

付き合っていたのかな

恥ずかしすぎる//

しばらくしてベットから起き上がると、頭痛はすっかり治まっていた

今まで、手に取っていなかったスマホを手に取る

あ、パスコードが分からない

これじゃあ、中身を見ることができないし、誰かとも連絡をとることさえもできない

はぁ、出かけようかな

朝ごはんを軽く済ませて歯を磨き、着替えて出かける準備をした

家の門を出て、いつも通り裏の公園に行く

サッカーのグランドが近づくと、遠目に誰かがいるのが分かった

ころちゃんだ、

昨日もあったのに、今日も会えてうれしいと思ってしまう

ころちゃん!

思い切って大きな声で叫んだ

よ!るぅとくん!

元気ですね、

まぁサッカーのことになるとね、没頭しちゃうんだよね、

あ、そうだ。今日の夕方六時、イチョウ広場の時計台の下に集合な

え?

絶対来いよニコ

意味深にクスッと笑って、ころちゃんは再びボールを蹴り始めた

なんでころちゃんは、あんなことを言ったのだろう?

ん〜イチョウの広場ってどこだろ、りいぬに聞いてみるか、

もしもし〜

もしもし〜

どうしたの?るぅちゃん

イチョウの広場ってどこか教えてくれない?

あ〜それはね、〜〜〜だよ、

なるほど、ありがとう

というか、るぅちゃんお祭りに行くの?

え?

イチョウの広場に行くってことは、そうなんでしょ?皆そこで待ち合わせてるしね、

僕もさとみくんと行く予定なんだ

あ、うん、そうなんだ

ころちゃんは僕を夏祭りに誘いたかったのかな?

そういえば、夢の中に来年は一緒に行こうと約束してたもんね

夏祭りが今日だったんだ

ーカランコロン

歩く度に下駄が音を立てた

いつもは、着ないような浴衣を来て、イチョウの広場に行く

ごめんなさい、おたませしました

いいよ、僕も今来たし、

自分の髪をクシャとしながら優しく笑うころちゃん

お、浴衣似合ってんじゃん

えへへ//ありがとうございます

よし、じゃあそろそろ行くか

ころちゃんは、優しく僕の手を握り、歩き始めた

こ、ころちゃん

るぅとくんはすぐ迷子になりそうだからね、

ずるいよ、僕ばっかりドキドキさせられてころちゃんは平然としてるなんて

今日、どうして誘ってくれたんですか?

え?

友達に言われるまで、今日が夏祭りの日だって知らなかったんです

去年の夏に約束しただろ?

確かに、夢の中では、したけど、現実のことだと確信が持てなかった

覚えててくれたんですね、夢の中だけだと思ってました

るぅとくんが見た夢は、本当に起こったことだよ、

え…そうなんですね、

ん?って言うことは夏祭りのあとの告白も現実に起こったことになる?

ダメだ

思い出すだけで恥ずかしくなる

男なら約束は、守らなきゃな

ニコっと笑う笑顔が眩しくて、胸がキュンとする

覚えててくれてありがとうございます

そのあとはころちゃんと一緒に、射的、ヨーヨー釣り、くじ引きに金魚すくい、カステラにたこ焼き、りんご飴を食べたりした

とても楽しい時間だった

そういえば、ころちゃんも宮園高校に通ってるの?

なんだよ、いきなり

だって夢の中で宮園高校に行くって言ってたんで

僕自身が宮園高校に通ってるのは2人に聞いたから知ってる

当然、ころちゃんもそうなんだと思ったって聞いたけど、突然沈黙が流れた

気になってふと見上げると、何を考えているのか分からない表情

あー…うん、通ってるよ、

その横顔は何となく寂しそうに見えた

そろそろ花火が始まりますね

そうだね、よし、移動しよ

ーギュッ

再びころちゃんの手が触れた

トクントクンと脈を打つ鼓動

寂しさは、一気に吹き飛んだ

僕は、なんて単純なんだろう

ここ、この土手に座って見よ、結構穴場なんだ

あたりにはあかりが無くて、お祭りの音が遠くに聞こえる

本当にこんな場所から花火から見えるの?

ここはメイン会場からも離れてるから人が少ないけど、花火がよく見える穴場なんだ

そうなんですね、

うん、小学生の頃、ここの土手で遊んでたから

子供の頃に戻りたいなぁ

子供の頃って何も考えずに遊べますもんね

…だね、

なんでだろう、ころちゃんといると、時々、ほんの一瞬に、たまらなく泣きたくなることがある

そろそろ時間だ

ーヒュー

ードーン

花火が打ち上がる音が聞こえて、2人で一緒に空を見上げた

ドンドンと花火が上がる度に、胸がドーンと響いて、パラパラと消えていく

凄いですね、

だな

キラキラする夜の花が無数に咲いて、目が離せない

花火って、こんなに綺麗だったっけ? こんなに感動するものだったっけ?

夢の中で見た花火と大差ないはずなのに、心が震えて不意に涙が込み上げてきた

幸せなはずなのに、感動しているはずなのに

君と見る花火は、なんでこんなに苦しいの

るぅとくん?泣いてるの?

う、うう、ん…泣いて、ない

はは、涙脆いよな、相変わらず

だって、感動しちゃって

2人で並んで花火が見ることができて、しあわせなんだよ

一緒にいられたら、それだけで何もいらないとさえ思う

はは、ばーか

手が伸びてきたかと思うと、おでこにコツンと小突かれた

いたっ

対して痛くなかったが条件反射でおでこに手をやる

ふふ、可愛いなぁ

ードキッ

ころちゃんのイジワル//

ずるいよ、ほんと

ほんとだよ?

射抜くように見つめる、真っ直ぐで真剣な瞳

"僕もるぅとが好き"

こんな時によみがえる夢の中のころちゃんの言葉

だけど、確かめるなら今しかない

ねぇ?僕達は付き合っているの?

暗闇に目が慣れてきたせいか、ころちゃんの顔がはっきりと見える

去年の夏祭りの2日後に…僕から…告白したんだよね?

ギュッと目を閉じて、ころちゃんからの返事を待つ

もうそこまで思い出したんだ

え、いや、思い出したっていうか…夢、ですけど

恐る恐る目を開けると、優しい眼差しで、僕を見るころちゃんがいた

ードキドキ

僕達は_

照れたように頬をかくと、再び僕に向き合って口を開いた

"付き合ってたよ"

"付き合ってた"

ころちゃんがこんな言い方をしたのか、この時の僕にはわからなくて

ドキドキと鼓動が妙に激しく脈打っていた

はいということで

第1章終わりです! 第2章も楽しみにしててください

第二章の更新…♡1000

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