ゆづき
許さない…
ももか
ね、ねぇいいじゃん。あの犬を放って置けなかったんだよ。
ゆづき
知らないわよ。そんな事。
ももか
えっ?
ももか
おはよぉー
あんな
ももかっ…
ももか
どしたー?
あんな
見てっ…、ふたばの机。
ふたばの机はカッターで、ぐちゃぐちゃにされていた。
ももか
ふ、ふたば…?
あんな
ももかっ!
ももか
な、何、あんな?
あんな
もうふたばと関わらないで。
ももか
なんで?
あんな
だって、あの子ね、犬殺したんだって。
ももか
えっ…?
ゆづき
私聞いたの。あの子の家の近くの子が、犬の死体を公園に埋めてたんだって。
ももか
え…?そんなことないよっ!だって、走る時間を惜しんでても犬の処置をしたんだから。
ゆづき
でも私本で読んだことあるわ。
あんな
えっ?なになに?
ゆづき
人って1回ものを殺すと楽しくなっちゃうんだって。しかも、前に小鳥も埋めてるんでしょ?
ももか
ペットが死んだら誰だって埋めるよ。
ゆづき
それだけじゃないわ。どんどん大きいものを殺していくんでしょ?
ももか
そんな…
ふたば
うっ、うぅっ
ももか
ふたば…!
ももか
ねぇふたば、ふたば!!
驚いた。ふたばは目の焦点が会っておらず、死んだ魚のような目をしている。
ふたば
あたしに近寄らない方がいいよ。
あんな
わたし、やっぱりゆづきが怪しい気がする。明日朝6時に家を出て…
ももか
ごめんね。
ふたば
ありがとう。
ゆづき
今日は…
あんな
やっぱり…
ももか
おはよぉー
ゆづき
おはようももか。
ふたばのロッカーに、生ゴミがぎっしりと詰められていた。
ふたば
え…?
ももか
手伝おう…
あんな
ももか、ダメ。
ももか
そっか…(私の行動で、あんなやりりか、ともかが傷つくんだ…)
ふたば
あれ?ない…ない…どこ…
男子
お前が探してんの掲示板にはられてるよー
みんな
わーわーざわざわ…
ももか
なにこれ…?
ふたば
あっ、あぁっ
掲示板に貼られていたそれは、ふたばの体操服だった。血…。いや、赤のマッキーで書かれたと思われる。かろうじて見えるのは2のA 田辺ふたばと言う文字だけ。
ももか
何これ?
その横には、この血は犬を殺した時に着いた血です。と、書かれていた。
みんな
えー??
ふたば
やめて!!
ももか
違う!!ふたばはこんなことしない!!
みんな
えー?わーわー
あんな
だめだよ、ももか。皆聞かない。
男子
えっ?こいつのー?
女子
えー?きもーい
いつの間にか学校中で田辺ふたばと目を合わせると死ぬという根拠のない噂が流れた。