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─いつからだろうか。
最初はただのクラスメイトだったはずの彼が、
こんなに愛しく思えるようになったのは。
─それこそ、
彼の視線の先にいつもあるモノでさえ─
輝いて見えるほど。
『 愛及屋烏 』
─ 𝚂𝚃𝙰𝚁𝚃 ─
みく 。
そう言いながら配られたプリントを、
後ろの席にいる彼に渡す。
影山 。
…気まずい。
まあこれもいつもの事なので、
慣れてないわけではないが─
……少しくらい、他の事を言ってくれたりしてもいいと思うんだけどな。
烏野高校に入学して、早1ヶ月が経過しようとしている今日。
昔から明るい方だし、同じ中学校だった子も多々いるのでクラスメイトの殆どと仲が良くなった。
席の近い子なんかとは、既に連絡先を交換済み。
放課後に遊んだりもしている。
─1人を除いて。
放課とか、見かけたら声かけたりしてるんだけどな…
なんで、仲良くなれないんだろう。
入学式の日から、彼との距離は変わらない。
席が近いだけあって、班でなにかする時は必ず一緒になるんだけど─
そういう時ですら、話せない。
クラスメイト 。
クラスメイト 。
…そんな事を悶々と考えていたら、いつの間にか昼休憩の時間になってたみたい。
みく 。
チラッと後ろの席を見てみるが、
そこに彼の姿はもうなかった。
…せめて、席替えまでにまともな会話できたらいいな。