死ネタ曲ではないんですが、アンダーグラフの『ツバサ』を聞きながら、読んでいただけたら、華太の切なさが伝わるかも的な感じかも~
そいつは真っ赤な顔をして
北岡隆太
北岡隆太
真っ正面から、思いの丈を俺にぶつけてきた。
小峠華太
そんな北岡に、俺も真摯(しんし)に向き合う。
北岡隆太
北岡隆太
北岡隆太
にかっと犬歯を見せて、北岡は笑った。まるで、北岡の性分を表したかのような笑顔に、つられて俺も微笑んでいた。
そう、あの日まで、お前は俺の隣で笑っていた。
笑っていたのに、今はもう顔どころか姿さえ見えない。
俺は線香と花束を持って歩く。
北岡と書かれた墓前に、ホトトギスの花を供える。
小峠華太
あの日、北岡が俺に言った言葉を、恨み言混じりに投げ掛ける。
返答はない。
小峠華太
俺の返答も聞かず、あの日交わした約束も守らずに、勝手にいなくなりやがって。
どうせなら、あの日、あの時に返答すれば良かった。
いくら後悔したって、あの日には戻れない。
ジッポのフリントホイールを回し、着火する。
俺は持ってきた線香に、火を点けようとして止めた。
線香の代わりに、煙草に火を点ける。
小峠華太
相変わらず、返答はない。
小峠華太
小峠華太
あの日、言えなかった5文字の言葉を口にする。
空へと昇っていく、くゆる紫煙に、あの日の返事を託(たく)し、墓前に煙草を供えた。
今まで無風だったのに、その時、一陣の風が通り抜けていく。
北岡隆太
風が吹き抜ける瞬間、北岡の声が聞こえたような気がした。
ホトトギスの花言葉 『永遠にあなたのもの』
おわり
あとがき 『ツバサ』を聞いていると浮かんだ、きたかぶ。 ただの雰囲気小説。きたかぶも好きだけど、北岡が死んでるからか、余りきたかぶ増えないんだよね( ´△`)
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