花
…いつから?
花
生きるのがこんなに辛いの。
樹
あれ…花?
花
いつまでこの苦しみ続くの?
花
いつまで強がりなの?
樹
花…?
ガシャッ
樹
ッ!?
樹
花!
花
え、いつ…き…あ。
樹
ガシッ
花
樹…ごめん。
樹
ふう、何してるんだよ!
樹
ひとまず良かった。
樹
ん?なんだこれ?
花
あ、それは…!
樹
遺書…?
花
ッタッタッタッタッ
樹
あ、花!
樹
な、なんだこれ。
何で生きてるのって思う夜がある。
「死にたい」じゃなく「消えたい」って。
愛してくれなくていい。
どこにも自分の「居場所」がない。
期待されないくらいが楽だし。
そう、私は"要らない子"。
生まれてきたのが"間違い"だった。
"生きてる"のがいけなかった。
周りと比べると弱く見えるけど、
"大丈夫"そう願ってたのはいつ?
でもわかってほしかった。
"今日こそ、今日こそ"って、
何度踏み出そうとしたけど、怖かったか。
一歩が踏み出せなかった。
"逃げた"って思われそうで、"弱い"って、
思われるのが怖かった。
ただ本気だったんだよ。
抱きしめてほしかった。
誰でもいいから必要とされたかった。
心から愛してくれる人がほしかった。
樹
花…また、一人で抱え込んでるのかよ!
樹
何で俺に言わねえんだよ!
樹
まさか…!
樹
ッ…(花が…危ない)
花
…ここ、飛び降りれるかな。
花
じゃ…ね。
樹
花!
花
ビクッ…!
樹
何…してん…だよ!
花
樹…
樹
おまえ、また1人で…背負って。
花
それは…ッ
樹
何でだよ!
花
め…いわく、かけ…る。
花
迷惑…かけたく…ない。
花
ひとり…なら、楽…
花
わたし…ほんとは…怖い。
花
でも…パパ…ママが…いる。
花
だから…怖くない。
樹
花ッギュッ
花
や…!
樹
必要とされたいんだろ?
花
ッ…
花
や…!
樹
離さねえ!
樹
話したらまたどっか行くだろ?
花
…泣
花
弱くて…ごめんなさいッ!
樹
花…
花
役立たずでごめんなさい!
花
いつも行動遅くてごめんなさい!
花
家族いなくてごめんなさい…!
花
◯にたいなんて…ごめんなさいッ。
樹
花、もう1人で抱え込むな!
樹
俺が今日戻ってきたから、大丈夫だ。
樹
明日は休め。
花
うん。
樹
綺麗になったな。
花
そうだね。
樹
最近はどうなんだ?
花
…明日はいい事あるかな?ううん。
花
明日を生きたくないな。って思って。
花
明日が怖くて引きこもりたくて。
花
こんな毎日が続くの?どうせ明日も、
花
また一人きりなんだろうなって。
花
そんな風に過ごす日々、
花
何の意味があるの?って。
樹
そっか。
花
でも、生きたい。まだ◯ぬのは嫌。
樹
辛かったな。
花
こんな私でごめん。
樹
謝るなら俺のほうだよ。
樹
ごめん、早く帰ってきてたら…
花
ううん。今で良かったよ。
花
あの時止めてくれてなかったら、
花
きっと後悔してたかもしれない。
樹
なら、よかった。
花
ちょっと生きてみようかな。
樹
あぁ。
花
学校に行くのもうやめた。
樹
え?
花
会話するのが怖いから。
樹
俺も。
花
えっ?
樹
花を傷つけたやつまじでムカつくから
花
そっか。
樹
明日から自由だー!
花
ッ…
樹
どうした?
樹
思ってる事、俺に全部ぶつけろ。
花
ッ…大っ嫌いだ!って何度傷をつけて
花
泣いたって!何も変わらないまま…ッ
花
明日もまた、涙流して。
花
怒り我慢して、ため息我慢して、
花
涙我慢して、自分我慢して、
花
今度は一体何を我慢すればいいの!
樹
お前の居場所はちゃんとあるよ。
樹
お前が、自分を我慢しなくても、
樹
居場所はたくさんある。
樹
学校だけが居場所じゃねえだろ?
花
う…ん。
樹
ほかには?
花
全部?
樹
スッキリするまで言えよ。
樹
頭の中空っぽにしたら、もう自由だ。
花
…ッ。向き合いたくなくて、逃げてた。
花
傷つけられたくなくて、考えるの嫌で、
花
後ろ向いて、今も逃げてる。
樹
うん。
花
色々我慢するのに、空を見上げても、
花
いつも明日は始まる。
花
下を向いたら自分は自分じゃない
樹
…うん。
花
勇気があれば、言えたと思う。
樹
そう…だろうな。
花
考えたくないから、全部我慢するの。
花
私が信じられるのは、樹だけなんだ。
花
目の前にいる、樹だけだから。
樹
そっか。信じてくれてありがとう。
花
うん。
花
明日は笑顔になれるかな?
花
明日は前向けるかな?
花
明日も生きられますように
樹
そうだな。今日はもう寝ようか?
花
うん。おやすみ。
樹
おやすみ