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吸血鬼ライカは貴方以外いらない

第1話 - 殺したいほど憎い奴

2025年07月30日

#いじめ

#吸血鬼

#センシティブ

#能力

#恋愛

#女体化

DOX2-X

吸血鬼治安維持機関

真田実光

吸血鬼治安維持機関
最高責任者真田実光
(サナダサネミツ)です。

真田実光

新しく我々の一員となった特例吸血鬼の皆さんには、
早速本日より任務を行っていただきます。

真田実光

人間と吸血鬼の長い争いが終わり、我々は日々共存に向かっています。
しかし、一部の悪質な吸血鬼による被害は未だに続いています。

真田実光

そして、最近は無許可で我々の真似事をしている
吸血鬼の動きも活発になっています。

真田実光

悪質な吸血鬼は共存への道を阻む障害であり、吸血鬼は吸血鬼が排除しなくてはなりません。

真田実光

真の共存した世界を創るには、皆さんの力が必要です。期待しています。

ライカ

潜入捜査？

ゲイル

ああ、依頼主からのメッセージはこれだ。

依頼主

依頼をお願いしたい…お金はいくらでも出します。

依頼主

彼女が1週間前の夜買い物に行ったきり帰ってこないんです。連絡が繋がらなくて…
彼女の実家に連絡しても知らなくて、そのコンビニに向かう道を歩いてたら血を見つけて…吸血鬼の仕業かもしれないって。機関に捜索願いは出しました、でもネットで調べたら人手不足だからってなんだか頼りないんです。

依頼主

お願いします、彼女を見つけてくださいませんか…。

ゲイル

依頼を受ける前に調べてきた。その血は確かに人間のものだった。

ライカ

ん？どうやって確かめた？

ゲイル

舐めた。

ライカ

ゲェーッ！やめろよ、
お前は人間だろ！

ゲイル

まー吸血鬼による誘拐だろうな。最優先は彼女の救出だが、既に死んでる可能性もある。出来る限り調べてくれ。

【豆知識】吸血鬼→人間と吸血鬼の区別がつく人間→分からない

ゲイル

早速今日の夜に行くぞ。

ライカ

待て、まさかまた女の格好をするのか！？何回目だ！

ゲイル

悪いな。

ライカ

ッ……。

ライカ

ああ…分かってるよ。
”仕事だから”だろ？

ライカ

そういえば
アイツは呼ぶのか？

ゲイル

機関にチクるって言うんだからしょうがないだろ。
そんな嫌な顔すんなって。

ライカ

はぁぁ…。

ルッサ

おはようございまーす！

ライカ

黙れ、夜だ。

ルッサ

あっすみません！
初めての吸血鬼狩りが楽しみなんですよ！

ルッサ

って、え？
先輩、なんで女の子みたいな服着てるんですか？
趣味？

ライカ

ゲイル

ストップだライカ。
お前も止めとけって。

ゲイル

今日は殺しが目的じゃない、被害者の救出だ。
犯人にバレずに被害者を逃がしたらあとは機関に相談してもらう。

ルッサ

うぉぉカッコイイ！ドラマでよくある潜入捜査じゃないですか！

ライカ

チッ。

ゲイル

言っておくけど
お前は俺と一緒に待機な。

ルッサ

なんでですか！？

ゲイル

ライカの邪魔になる。

ルッサ

どうしても！

ゲイル

お前能力使えないだろ。犯罪犯すような吸血鬼にかなうわけないんだから。
死ぬぞ。

ルッサ

そうですか…。

数十分後

ゲイル

着いたぞ。行けるか？

ライカ

ああ、
いつも通りでいいか？

ゲイル

問題なし。

ライカ

ん、行ってくる。

ライカが車を出て離れてゆく。

ゲイル

移動するぞー。

ルッサ

どこへです？

ゲイル

近くのコンビニ。

ルッサ

コンビニ？
それはどうして？

ゲイル

犯人に見つからない為。

ルッサ

その後はどうするんですか？僕は何か出来ますか！

ゲイル

あー…ちょっと待て。
(うっせ…ライカを見習ってくんねーかな。)

ライカ

聞こえるか？

ゲイル

はーい、普通の会話してる風に頷いたりしててくれ。

ライカ

分かった。

ゲイル

おい、少しコンビニ入るからここで待機しとけよ？

ルッサ

え？

ゲイル

一緒に居るのを見られたら面倒臭いんだよ。
絶対ここで待っとけよ。

ルッサ

はい！分かりました！

ゲイル

うわ、またブラドリ値上がってるわ。

ブラドリ(吸血鬼用血液ドリンク) 吸血鬼に一般販売されている血液入り飲料水。人間の血液が少量入っており吸血欲を抑える効果がある。とても薄いジュースのような味らしい(吸血鬼談)

ライカ

またか？それは困る。

ライカ

…ゲイル、
アイツどうするんだ？

ライカ

このままずっと連れていくつもりじゃないんだろう？

ゲイル

さぁな、これから考える。

ゲイル

ただ、お前に余計なストレスがかかるのは避けたい。

ライカ

フ…。

車の音が近付いてくる。

通話が切れる。

ゲイル

………。

3年前

ゲイル

お前、アイツらのこと
殺そうとしたろ。

ライカ

…。

ゲイル

黙ってるだけじゃ
家には帰れねーぞ。

ライカ

あんな場所に
帰りたいように見えるか？

ゲイル

いいやー？
お前をからかってるの。

ゲイル

馬鹿だよなぁ、虐められただけで殺そうとするなんて。

ライカ

…は？

ゲイル

衝動的にやっちゃったんだよな？ムカつくからって理由でよ。

ライカ

ふざけんなよ、お前に…
俺がどれだけ我慢してきたと思ってる！！

ゲイル

感情に任せて自分の命無駄にすんなって言ってんだよバーカ！

ゲイル

俺が止めなきゃお前は殺ってたよ、ただの人殺しの仲間入りだ。夜に蔓延るクソッタレな吸血鬼共と同じだ！

ゲイル

お前が憎くてしょうがないアイツら以上のクズに自分自身がなろうとしてたってことを自覚しろ。

ライカ

……しょうが…ないだろ。
俺は何もしてないのにアイツらが………。

ゲイル

殺そうとしたのにか？

ライカ

違う！
あれは俺の意思じゃない！

ゲイル

本当に？

ライカ

殺したいほど憎かったけど違う…本当に…始めてで…。

ゲイル

ふーん。

ゲイル

（さっきコイツが使おうとしたのは、攻撃系の能力だった。二次性徴と同時期に覚醒…稀の稀に見る逸材。）

ゲイル

(だが。)

ゲイル

人間を殺すのは悪いことだ。だが吸血鬼だったらどうだ？この世界はイカれてる、悪い吸血鬼は基本殺しても良いってスタンスを貫いてる。

ゲイル

こうなっちまった原因は、過去の吸血鬼の歴史、そして悪事を働くクズ共のせいだ。治安維持機関が頑張っちゃいるが、結局人間に飼われて命令されてるだけだろ。選択肢なんてない、所属しなければ世の中は許してくれない。

ゲイル

だが、お前には
俺から選択肢をやる。

ゲイル

俺と一緒に悪い吸血鬼を殺して回るか、そのまま元の生活に戻るか、選べ。

ライカ

……。

ゲイル

(もう3年か、子供の成長は速いねぇ。)

ゲイル

(…迷ってんのか？)

ゲイル

ん？

ゲイル

あ？いねえ。

狙い通り、人間の香りがする香水を付けることで標的になることが出来た。

これは箱だろうか。巨大な箱の中に閉じ込められ、何処かへ運ばれている。

声の数は2、だが気配は4、群れか。箱の中からは何も見えないが、息は出来るし目も見える。

こうなると1番有り得るのは”人身売買”？普段手に入る微量な血液で満足出来ずに闇に手を染める吸血鬼は多い。

そんなクソ野郎共のせいで俺達は。

ライカ

(眩し…)

？

よく来たね！

ライカ

なっ…！？
何だお前！

箱から開放された俺の目に映ったのは、綺麗に並ぶ黒服の吸血鬼。

そしてコイツ。

ビッグ・サイコ

僕はビッグ・サイコ。
お嬢ちゃんのお名前を教えてくれるかなぁ？

ライカ

(デカイ…丸い巨大な吸血鬼が椅子に座っている。
家一個分は確実に超えている！これが吸血鬼なのか！？)

ライカ

(コイツからは嫌な感じがする。初めての感覚だ。どうする？)

ビッグ・サイコ

んー、怖くて何も言えないの。可愛いねんね♡

ライカ

うっ…。

ライカ

(殺…いや、被害者の救出が最優先だ、情報がいる。)

ライカ

…ここはどこだ？

ビッグ・サイコ

ええっタメ！？驚いちゃったぁ、見た目からも思ったけどボーイッシュっていうかさぁ。生意気そうな顔してるよねぇ。でも安心して！僕そんな子も好きねんね！

ライカ

…………。

ライカ

(何だ？身体が動かない。
…あれ…？思考が……。)

ビッグ・サイコ

〜〜♪

ビッグ・サイコ

お名前はなんて言うねんね？

ライカ

…ライカ。

ビッグ・サイコ

ヒャヒャ！ライカちゃんかぁ、可愛い名前ねんね♡

ビッグ・サイコ

ん？んん？待って？
吸血鬼？吸血鬼じゃないの？

ビッグ・サイコ

黒服！僕言ってるよねぇ！？人間の少女を連れて来いってさぁ！ねえー！ねええええ！！！誰だよ連れてきたの！！リーダー！

黒服

やっ、やめろ！押すな！

ビッグ・サイコ

お前かぁ？

黒服

違います！私ではありません！

ビッグ・サイコ

地下で殺しちゃえ。
ソイツも！

ビッグ・サイコ

絶対に地下で殺ってよ！
匂いが来るんだから！
ねぇええ！？

ライカ

…！

ライカ

(私は…何だ？今の。
部屋を出た瞬間に意識がハッキリとした。)

ライカ

(まさか能力？)

黒服

やっ、やめてください！
コイツから人間の香りがしたんです！今もしているじゃないですか！

一緒に連れてこられた黒服は俺の目を見つめて、次の瞬間には別の黒服に鈍器で殴られ地面にうずくまった。

ライカ

……異常だ。

トドメを刺そうとする黒服の腕を掴んで膝で腕を折り、顔面に向かって回し蹴る。黒服はそのまま頭から落ちて動かなくなった。着いてきたもう一人の黒服もすぐに始末した。

ルッサ

せ…せんぱ〜い…泣

ライカ

はぁ？何故ここにいる？
待機は？

ルッサ

こっそり先輩に着いて行ったら黒い服の人に見つかっちゃって連れてこられたんですよぅ…。

ライカ

抜け出したのか！？
はぁぁぁ…。

ルッサ

でっでも！収穫はありました！黒い服着た人の話を聞いたんですよ！

ルッサ

「ここは少女を集めてあの人を楽しませる場所」って！

ライカ

そんなことは分かってる。

ライカ

おい、生きてるか。
頭が痛いだろうが質問に答えてもらう。答えなければ死ぬ。良いな？

ライカ

被害者の少女達は
このどこかにいるのか？

黒服

……はい…………。

黒服

気に入った方は……保管……
部屋の……奥…。

ライカ

おい、これでコイツの頭を抑えておけ。

清潔なハンカチを差し出した。

ルッサ

はい！

ライカ

もっと強く圧迫しろ、コイツには死なれると困る。

ルッサ

え、吸血鬼なのに
殺さないんですか？

ライカ

私達はあんな国が作った
ルールに従わない。

ルッサ

へーー、なんだか正義の味方みたいですね！

ライカ

勘違いするな、
正義なんかじゃない。

ルッサ

………。

ライカ

俺はこれから上にいるボスを殺しに行く。

ライカ

お前は───

ルッサ

はいはい！さっき黒い人が言ってた部屋っていうのを探してきます！

ライカ

はぁ？違う、着いてこい。
黒服にすら勝てないだろ。

ライカ

おい！待て！

ルッサ

あれ、肩を掴まれてる？

ライカ

やってほしいことがある。

扉から顔を出し様子を見ると、悶え苦しむ黒服達を見つける。

ライカ

何だあれ。
イラついてるのか？

ライカ

部下に八つ当たりか。

良いだろ？吸血鬼なんだから。

ライカ

チッ…。

ビッグ・サイコ

……なんで生きてるの？
黒服がまたやらかしたん…
イライラするねんね！！

黒服が更に悶え苦しむ。

ビッグ・サイコ

黒服！早く楽になりたいねんね！？
許してほしかったらあの吸血鬼を殺すねんね！

黒服達が凄い勢いでライカに襲いかかっていく。

ビッグ・サイコ

…？

ビッグ・サイコ

やられてる？2人？
見えなかった。

ビッグ・サイコ

電気を身体に纏わせてる…
あ！あああ！そういうことねんね！！

ビッグ・サイコ

君も覚醒したねんね！！！
お仲間ねんねぇ！！！

ライカ

出口から逃げろ。

黒服

え？

ライカ

俺は手加減が下手だ。このまま襲ってきたら命の保証は出来ない。

ビッグ・サイコ

おい黒服！分かってるねんね！その子を生け捕るねんね！！傷一つ付けてはいけないねんねー！！

ビッグ・サイコ

逆らったら皆殺しねんね！！

ライカ

(コイツは俺が嫌いな奴らにそっくりだ。)

向かってきた黒服の脚を狙い次々と行動不能にしてゆく。

ライカ

(嫌な手応えがする…
何人かはもう…。)

ビッグ・サイコ

楽しいねんね。でもしょうがないねんねぇ、手伝ってやるねんね！

ライカ

(来た！コイツの能力は恐らく催眠に近い人を操るもの。なら俺の電気で───)

ライカ

あ……れ…。

ビッグ・サイコ

ふんふ〜ん〜♪
折角だから頭の中も覗いちゃうねんね♡
君のこと知りたいねんね。大事な部分だけ探して…。

ビッグ・サイコ

おお、おおお…なんてことよ…機関の人間かと思ったらさ、私刑ねんね！ふふふ

ビッグ・サイコ

これは興味深いねんね、
もっと深くまで潜るね…？

ビッグ・サイコ

ヒャヒャ！ヒャヒャヒャ！！そんなwww
そっそれが君の代償だったねんね！！！

ビッグ・サイコ

親から、友達と言ってくれた子から、周りの全てから我慢して我慢して頑張った結果がその身体！ヒャヒャヒャヒャ！！羨ましいねんね！あっ僕も身体だったねんね！この思考催眠コントロールを手に入れる代わりに、こんな大きくなっちゃった！おかげで身動きが取れないねんね！

ビッグ・サイコ

本当羨ましいねんね！！
その程度で済んで！！

ライカがビッグ・サイコの顔めがけて拳を打ち込みに飛びこんできた。

ライカ

ぅぅ”うう”う”！！！

ビッグ・サイコ

動いた？！ああ、電気。
脳みそに何か細工したねんね？でも反応が無くてつまらなかったから嬉しいねんね！！

ライカ

(届かない！！透明な壁か！)

ビッグ・サイコ

黒服に造らせた特殊なミラー！そう簡単には壊れないねんね。

ビッグ・サイコ

さっきの動きを見て気づいたねんね。ライカ”ちゃん”
君の能力は電気の力で速く動くこと！力は普通の吸血鬼と同じ程度！このミラーは壊せないねんね！！

ビッグ・サイコ

ぜぇんぶ見ちゃったねんね！ライカちゃんの全部！
ついででゲイルとかいうおっさんの秘密の過去も！！

ライカ

殺───！！

「ライカ、言っておくが耐えるのは当たり前じゃないからな。辛いものだ。」

「これからも、苦しくて耐えられなくなることがたまにあると思う。」

「そういう時は頼れよ。」

ライカ

…………。

ビッグ・サイコ

あれ？どこに行っちゃうのねん？

ビッグ・サイコ

あ！まさか逃げるつもりね！？無駄ねん！新しい黒服を呼ぶねんね！

ビッグ・サイコ

ライカちゃんの向かう先に誰かいる…？誰ねん？

ライカ

待ってたぞ。

ゲイル

遅くなった。

ルッサ

ゼエー…ゼエー……！

ビッグ・サイコ

あの男は記憶の！それに台車に乗ったあれは何ねん？巨大なケース？何の？あんなの見てない！見逃した！

ルッサ

デッッッッカ！！！
何だあれ！？

ライカ

あれがボス。身動きは取れないらしいから、あとはそれを使って終わらせる。

ライカ

アイツの目に映る場所にいるとまずい、こっちで装着を頼む。

ゲイルがケースから巨大な何かを取り出し組み立て、ライカの右腕と両腕両足に着け始める。これを台車で運んで来たであろうルッサは疲れて座り込む。工具の音が響く。

ビッグ・サイコ

何をしてるねんね！
遅いねんね、新しい黒服は何してるねんね！

ゲイル

すまん、まさかこんな大規模な仕事だとは。それも相手が能力持ちとはな。

ゲイル

大丈夫か？

ライカ

…………大丈夫だ。

ライカは優しい表情を見せる。

ルッサ

(この人笑えるんだ！？)

ようやくビッグ・サイコの前に現れたライカの右腕には巨大な”何か”が装着されている。ビッグ・サイコは不思議だった。ただ速いだけの吸血鬼が何kgあるか分からない鉄の塊を平然と持ち上げ歩いているからだ。

ビッグ・サイコ

んんん？？

ライカ

鉄杭射出装置。
これでお前の心臓を打ち抜く。

ビッグ・サイコ

！！！！

ようやく正体が分かり、急いでライカに催眠思考コントロールをかけようとする。

ビッグ・サイコ

キッ効かない！なんで？！

ライカ

無駄だ、脳は電気で刺激して不純物が接続中にリセットしている。負荷はかかるが、普段から生体電気の出力に慣れている私なら短時間は問題無い。

ビッグ・サイコ

何だそれなんだそれ！なんだそれ！

ミラーに鉄杭射出装置の先端を押し付ける

ライカ

(生体電気を出力…さっき殴って分かる。この装置なら5割の出力で行ける。)

ライカ

初杭！

ミラーが派手に割れる。

ビッグ・サイコ

ああ！ああああ！！
ミラーが！来るな！来るなああ！！

聞かないフリをして胸に飛ぶ。

ライカ

本当に身動きは取れないみたいだな。

ビッグ・サイコ

許して！死にたくない！！
許して！！

ライカ

沢山殺しておいて
命乞いか？

ビッグ・サイコ

殺してないねんね！！
殺したのはお前ねんね！！

ライカ

そうだな。

鉄杭射出装置の先端を胸に押し込む。

ビッグ・サイコ

ア”ア”！！分かった！分かったのねんね！僕が殺しました！反省する！頼むねんね！！殺さないで！！

そのまま心臓を打ち抜いた。

あの黒服が言っていた通りこの部屋の奥に特別な部屋があり、多くの被害者女性が閉じ込められていた。

ライカ

俺達のことは他言無用で頼む。依頼主からその条件で依頼を貰っている、約束を破った場合は───

ゲイル

お疲れ。

ゲイルはブラドリを差し出した。

ライカ

ありがとう。

ライカ

…ルッサ、お前が飲め。

ルッサ

はい！？

ライカ

……助かった。

「やってほしいことがある。この後黒服を一定数逃がすから、バレずに尾行して出口に向かってくれ。必ずゲイルがいるはずだ、装置だと言ってお前が運べ。ゲイルには持ってきてから仕事がある。」

ルッサ

わあああ！これって
認められたってことで良いんですかねぇ！？

ライカ

バカ、言うこと聞かずに単独行動した奴が何言ってるんだよ。

ライカ

ていうかゲイル、お前はしっかり見張っておけよ。

ゲイル

すんません。

ライカ

…ゲイル？

ゲイル

ん？

ゲイル

運転に集中してるから。

ライカ

え？ああ…。

ライカ

ありがとうな、装置。

ゲイル

………おー。

ルッサ

(仲が良いんだなぁ。)

ゲイル

あんなことするなんて、
まさか気に入りでもしたか？

ライカ

違う。

ライカ

ただ、アイツがいないと今回のイレギュラーに対応出来なかった、それだけだ。

ゲイルが二の腕を見せてくる。

ライカは何も言わずに、いつも通り牙を食い込ませて血を吸い始める。

ライカ

………。

ライカは変わらず吸血し続ける。

ゲイル

…なあ、始めて他の能力持ちと戦ったろ？その、なんだ。もし辞めたくなったりしたら───

ライカ

ﾌﾟﾊｯ!

ライカ

辞めるって何を？まさか仕事をか？ないな。

ライカがゲイルの止血を始める。

ゲイル

今日は今までとは全く違った、あの武器も初めて使ったし、きっと今日以上の戦いが今後も起きるんだよ。

ライカ

だから何だ？まさか機関に入れとでも？

ライカ

復讐は？諦めるのか？

ゲイルが目を合わせてくれない。

ライカ

───俺は別に殺しがしたいわけじゃないし、安全な生活が欲しいわけでもない。目を見ろ。

ライカ

お前がいるから
ここにいる。

ライカ

命を救われ、生きる意味をくれた、家もくれた、何もかもお前から貰った！

ライカ

人間の血の味も覚えた。
分かるだろ？

ライカ

とにかくゲイルにしか
俺は着いていかない。

真っ直ぐすぎる眼差し。

ゲイル

(今確信した、
俺は変わったんだ。)

ゲイル

(復讐のことばかり考えていたのにコイツが変えてしまった。)

ゲイル

なんてな、
お前を試しただけ。

ライカ

は？

ライカ

───！！
やっぱ出てく！

ゲイル

おいおいおいおい
やめとけって。

ライカ

うるさい！

ゲイル

ああーっそうかぁ残念だなぁ。今日はお前の大好きな牛のステーキでも作ろうと思ったんだけどなぁ？

ライカ

う。

ゲイル

食うだろ？

ライカ

…………。

ライカは黙って席に着いた。

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DOX2-X

プロフィール

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